「璃黛先輩、好きです。」

「......え?」



可愛がってきたサークルの後輩から突然の告白。
そんな素振りも無く急に言われてビックリした。

好きじゃない、...わけじゃない。



真琴くんとは最近一緒に居ることも多かったし、気になってたといえば気になってた。

一緒に居れば周りも自然とはやし立てるし、その気になって無かったといえば嘘になる。

だけど、いざ告白されてみれば少し困る。

今年大学に入学した真琴くんは1年生で、私は大学院に進学した2年生だ。
そこには埋められない年の差がある。



「...ありがとう、気持ちは嬉しいんだけどね?」

「......付き合えない、...ってこと、ですか......?」

「真琴くんは後輩だと思って接してきたし、」

「俺のこと、好きじゃないですか?」

「好きか嫌いかと言われれば好きだよ。それに私たち年の差あるし、真琴くんには年相応のもっと良い人いるよ。」

「...なにそれ。.........璃黛先輩、...その言葉が本気なら、俺の目を見て言えますよね。」



さっきまでと違い、話す真琴くんの声色が変わったことにビックリして顔をあげた。

表面上変わりはないが分かる。
これは真琴くんがとても怒っている時だ。



「それ、言うなら、もう一度俺の目を見て言ってください。」

「な、え、真琴くん...?」

「それなら、...諦めつきます。でもそんな風に言われただけじゃ、全然諦めきれない。」

「ちょ、落ち着いて」

「...俺は落ち着いてます。そんな顔されるより、俺は璃黛先輩の本音が聞きたいです。」



真琴くんは真剣にそう言った。
いつも笑顔でいる彼が、静かに怒っている。

真琴くんでもこんな顔もするんだなぁ、なんて彼が怒っている対象は自分なのにも関わらず、私は呑気にそう思っていた。

それよりも



誰だ、彼が温厚な性格だと言ったのは。



目の前に居るのは、いつも控えめに一歩引いているような真琴くんではない。

逃がさないとでも言うように強引に腕を掴まれたかと思えば、じりじりと2人の間の距離を詰められる。
それに加えて両手で私の顔を覆うように視線をしっかり合わせてきて、自然と真琴くんと見つめ合うような体勢にされた。



「ちゃんと俺の目を見て言って。」

「...ま...、こと、く......」

「ね、璃黛先輩、...好き。......璃黛先輩は?」

「...わ、たし......は..........」





こんなの、卑怯だと思った。











日常の狭間
2016.03.17了
本気なら、俺の目を見て言えますよね


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