こんな行為は程遠いと侮ってました。
ええ、温厚な彼に油断してましたとも。
「……え、キス?」
「璃黛はさ、したくない?」
「うん。」
「……そう言うと思った。」
「てかなんで?また急じゃない?」
「急も何も、俺たち付き合って3ヶ月は経ったよね?」
世間一般的な恋愛調査アンケートを参考にするならば、キスは遅くても1ヶ月前後で済ましているそうだ。
だが、俺たちの関係は当てはまっていない。
そのアンケートは正しいのかと疑いたくなる。
まぁ、それは良いとして。
前にも同じようなことを聞いたが断固拒否。
否定されて落ち込んだりもしたが、したくない訳ではないらしいが恥ずかしさの方が勝ってしまうそうだ。
けれど俺も健全な男子高校生な訳で。
一緒に過ごす時間が増えれば増えるほど、日に日に加速する好きの気持ちにどんどん璃黛に触れたくなる。
だから少し心が折れかけたがここで引いたら先には進まないぞ、橘真琴。
「……璃黛は、俺とするの嫌なの?」
「いや、そういうわけじゃなくて……」
「どーゆーわけ?」
「恥ずかしい、...し。」
「それだけ?それはお互い様じゃない?」
「そうかもしれないけど...」
「じゃあしてみない?」
「え?」
いいよね?なんて聞くも、返答の余地無し。
後ろへ逃げようとする璃黛の身体を引き止めるように、右手で腕を掴んで左手は顔に添えてがっちりホールド。
有無を言わせず強行突破。
触れるだけのキスをした。
一瞬の出来事に目の前の璃黛は固まっている。
数秒見つめ合えば、やっと頭が理解できたのか途端に顔が勢いよく熱を持つ。
「ちょっと!真琴!」
「はは、意外と平気だったでしょ?」
「平気じゃない!」
「そう?もう一回試してみようか?」
「いいから!」
「...璃黛。ほら、もう一回。」
そう言ってまた触れるだけのキスをした。
璃黛はといえば、顔を真っ赤にしたままギュッと目を瞑ってガチガチに固まっている。
それをいいことに、そのまま角度を変えたり時折リップ音を出したりして、何度も触れるキスをする。
それでも固く閉ざされたままの璃黛の唇。
緊張を解く意味も込めて、舌で唇の隙間をなぞってみた。
「、ん」
「.........!」
舐められたことにびっくりしたのか、それまで固く閉ざしていた唇から不意に出た色っぽい声。
俺の中で確実に何かが弾ける音がして、気がつけば無防備に薄く開かれた口に舌をねじ込んでいた。
先ほどの触れてただけの優しさなんて感じられないくらい荒々しく野生的に求める。
舌を絡めて、逃げられては吸って、歯列をなぞり、ぬるぬるとした感触をただただ楽しむ。
息が続かないのか璃黛が苦しそうしている。
これ以上はだめだと理性が天秤にかけられている。
脳からストップの指令が来ているのは百も承知だが、その間も漏れ続ける甘い声に脳がじくじくと犯される。
「...ん!...は、...っ...あッ!」
「その顔、...やば...っ」
「ん、くるしー...ッ!」
「璃黛、ッ...は......すきだよ......」
「ッは...、...まこ...っもぉ...だ、め...ッ!」
...なんかもう良いんじゃないかな。
俺は理性を放棄した。
本能のなすがまま夢中で齧りつく。
璃黛も恥ずかしいなんて言ってられないよね。
(もぉ、くるしいっ...!)
いつもの温厚な真琴からは想像も出来ないくらい荒々しいのにドキドキする。
恥ずかしいのに、それとは別の胸の高鳴り。
なんだか...
これから先、キスだけでは済まなくなりそうです。
2014
修正 2016.05.05
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