「……という訳で、最近ダリアンが全然、その……構ってくれない!」
アーク本部の医務室。向日葵は、定期検診用のベッドに腰掛け、足をぷらぷらさせながら、目の前の専属医に不満をぶちまけていた。
「ほう。あの“最高の盾”殿が?」
セレスは、薬草を乳鉢ですり潰しながら、楽しそうに相槌を打つ。
「そうなの! ラウンジで二人きりになっても、ゲームの攻略を手伝ってくれたり、仕事の話はしてくれるけど……なんていうか、こう、“恋人”っぽいことが何もない!」
「ふむ。君から仕掛けてみればいいだろう? 例えば、そう……手を握るとか」
「や、やったよ! やったけど……ダリアン、握り返してはくれるけど、すっごいカチコチに固まって、すぐ『……そろそろ巡回だ』とか言って、どこか行っちゃうんだもん!」
向日葵が「もう!」とベッドを叩くと、セレスは「ふふ」と肩を揺らした。
彼にとって、この初心な二人の関係は、最高の娯楽だった。特に、あの鉄壁のダリアンが、この純粋な少女(と彼女の予測不能なスキル)に振り回されている様は、見応えがある。
「なるほどね。……ダリアンは、傭兵だった。道具として育てられた男だ。彼にとって、『感情』は『盾を鈍らせる』ノイズでしかないと思い込んでいる」
「う……それは、そうかもしれないけど……」
「そういう堅物な男にはね、小鳥」
セレスはすり潰した薬草を小瓶に移すと、妖艶な微笑みを向日葵に向けた。
「正面から『触れてください』とお願いしても、彼は『防御』してしまう。……いいかい? 彼の《ガーディアンズ・シールド》は“拒絶”の力だ。だが、その力は、彼が『攻撃』と認識したものにしか発動しない」
「……どういうこと?」
「つまり」
セレスは、向日葵の耳元にそっと顔を寄せ、色気のある声で囁いた。
「彼が『盾』を構える暇も与えないほど、唐突に……あるいは、それが『攻撃』だと認識できないほど、甘く……**彼の“内側”に滑り込んでしまえばいい**」
「“内側”に……?」
「そう。君のスキル《フェイズ・スリッパー》のようにね。彼が『拒絶』するより先に、君が彼の懐に入ってしまえば、彼はもう、君を“拒絶”できなくなる。……さあ、薬はできたよ。あとは、君の『勇気』次第だ」
---
その夜。
ダリアンの私室のドアが、控えめにノックされた。
「……入れ」
入ってきたのは、やはり向日葵だった。
ダリアンは、愛用の大剣の手入れをしていた手を止め、怪訝そうに彼女を見る。
「どうした。またゲームの攻略か?」
「ち、違うよ!」
向日葵は、なぜか部屋の入り口で立ち尽くしたまま、動かない。
そして、ぎゅっ、と拳を握りしめ、何かを決意したように顔を上げた。その顔は、熟れた林檎のように真っ赤だ。
「……ダリアン」
「なんだ」
「……今から、ちょっと、失礼します!」
「は?」
ダリアンが状況を飲み込むより早く、向日葵は、まるで潜入任務中のような素早さで、彼に向かって駆け出した。
(!? 突撃か?)
ダリアンは、傭兵としての本能から、反射的に彼女を受け止める体勢(防御姿勢)を取ろうとした。
**——その瞬間。**
「え」
ダリアンの視界から、向日葵の姿が消えた。
いや、違う。
駆け込んできたはずの向日葵は、彼の鍛え上げられた体を、まるで幽霊のように、**すり抜けていた**。
ダリアンが、信じられないものを見たかのように、ゆっくりと背後を振り返る。
そこには、彼を通り抜けた向日葵が、目をぐるぐるさせながら立っていた。
「あ、あれ……? セレスの言ってた『内側』って、物理的に……?」
どうやら彼女は、セレスの比喩的なアドバイスを、文字通り「スキルを使って懐(物理)に飛び込め」と解釈したらしかった。
「……向日葵。貴様、今……」
「ち、違うの! 今のは練習! 練習だから!」
ダリアンが、その奇妙な行動の真意を問いただそうと一歩踏み出した。
「——今度こそ!」
向日葵は、今度はスキルを使わず、真正面から、ダリアンの胸に飛び込んだ。
「なっ……!?」
ドン、という鈍い衝撃。
ダリアンは、予想外の「物理的な」突撃に、たたらを踏む。
「ひまわ、」
「……動かないで」
ダリアンの胸に顔を埋めたまま、向日葵が、くぐもった声で言った。
彼女の柔らかく、豊満な体が、硬い鎧のような彼の胸板に、ぴったりと密着している。
ダリアンは、両腕を中空に浮かせたまま、完全に硬直した。
(……近い)
シャンプーの甘い香り。自分よりずっと低い体温。柔らかい感触。
あらゆる情報が、ダリアンの思考を停止させる。
《ガーディアンズ・シールド》は、この「攻撃」を、敵意として認識できなかった。
「……これが、セレスの言ってた『内側』……」
「……セレス、だと?」
ダリアンの額に、青筋が浮かぶ。
その時、向日葵は、彼の胸に顔を埋めたまま、もぞもぞと動くと……。
「……ダリアン」
「……なんだ」
「……好き」
ダリアンの胸に顔を埋めたまま放たれた、か細い、しかし明瞭な一撃。
それは、ダリアンのあらゆる防御論理(ロジック)を貫通し、その思考を完全に停止させた。
(……なんだ、今のは)
両腕を中空に浮かせたまま、ダリアンは硬直する。
自らの胸板に押し付けられている、信じられないほどの柔らかさ。薄手の部屋着越しに伝わる、しなやかな体の曲線と、自分より少し低い体温。そして、鼻腔をくすぐる甘いシャンプーの香り。
その全てが、傭兵として鍛え上げられた彼の理性を、容赦なく鈍らせていく。
「————っ!」
ダリアンより一拍遅れて、自分が口走った言葉の意味を理解した向日葵が、ビクッと体を震わせた。
(言っちゃったーーーーー!!)
セレスのアドバイス(?)は、確かに効果絶大だったが、その後のことまでは聞いていない。
「あ、あ、あの、ダリアン!? い、今の、は……!」
真っ赤になった向日葵が、慌ててダリアンから離れようともがく。
だが、ダリアンは、その逃走を許さなかった。
「……待て」
今まで中空を彷徨っていたダリアンの無骨な両腕が、逃げようとした向日葵の肩を、ガシッと掴んだ。
「ひゃっ!?」
驚きのあまり、向日葵の体が跳ねる。
ダリアンは、その彫刻のような美貌を、苦々しく歪めていた。
「……貴様、今、セレスの入れ知恵だと言ったな」
「う、うん……そう、だけど……」
「あの毒医者は、お前に何を教えた。……なぜ、俺に突進してきた」
ダリアンの低い声には、苛立ちと、彼自身も気づいていない熱が混じっていた。
「そ、それは……」
向日葵は、掴まれた肩の力強さと、至近距離で見下ろしてくるダリアンの射抜くような視線に、完全に気圧されていた。
「『盾を構える暇を与えず、内側に滑り込んで……』って」
「……滑り込んで?」
「……『一番、柔らかいところで、油断させろ』って……!」
「……一番、柔らかい、ところ……」
ダリアンは、その言葉を反芻した。
そして、彼の視線が、自然と、自分の胸に押し付けられている、圧倒的な存在感を放つ彼女の豊満な胸元へと落ちる。
(……ここ、か)
ダリアンの顔に、カッと熱が集まった。
あの医者、どこまで計算して……!
「だ、だから! これは、その、セレスの作戦で……!」
「……そうか」
ダリアンは、低く呟いた。
「作戦、ご苦労だった」
「え?」
「だがな、向日葵」
ダリアンは、彼女の肩を掴む手に、さらに力を込めた。
「きゃっ……だ、ダリアン?」
彼は、向日葵を逃がさないとばかりに、その体を強引に引き寄せる。
バランスを崩した向日葵は、ダリアンの鍛え上げられた体に、再び真正面から密着させられた。今度は、さっきよりも強く、隙間なく。
「な……!?」
「セレスの入れ知恵は、ここまでか?」
ダリアンの声は、耳元で、囁くように低く響いた。
任務中の彼からは想像もできない、熱を帯びた声。
その声と、全身に伝わる男の硬い感触に、向日葵の腰が砕けそうになる。
「……ここから先は、あの医者の筋書き(シナリオ)じゃない」
ダリアンは、片手で彼女の顎をくい、と持ち上げた。
潤んだ青い瞳が、戸惑いと期待に揺れている。
「——俺の、意志だ」
燃えるような赤髪が、彼女の視界を覆う。
抵抗する間もなく、ダリアンの唇が、彼女の柔らかい唇を、荒々しく、しかし不器用に塞いでいた。
「ん……ぅ……!」
それは、口づけというより、獲物に食らいつくような、独占欲の表れだった。
向日葵のスキル《フェイズ・スリッパー》も、ダリアンの《ガーディアンズ・シールド》も、この瞬間、二人を隔てる壁としては、何の意味もなさなかった。
「ん……ぅ……ふ……!」
ダリアンの唇は、彼が振るう大剣のように、容赦がなかった。
経験の少なさ故に加減を知らないそれは、向日葵の柔らかい唇をこじ開け、強引に「ダリアン」の存在を刻み付けようとする。
(……っ、息、できな……!)
向日葵の脳が、経験したことのない感覚の奔流にショートする。
創作物で読んだ、甘く蕩けるようなキスとは似ても似つかない。
荒々しく角度を変え、深く貪るように奪われる。ダリアンの、普段は冷静さを保っているはずの理性が、タガが外れたように熱を帯びているのが伝わってきた。
彼女の小さな手は、ダリアンの鋼のように硬い胸板を弱々しく押しているが、ビクともしない。
それどころか、ダリアンは、まるで抵抗を許さないとばかりに、彼女の腰に腕を回し、その豊満な体を己の体に強く強く押し付けた。
「……ん、ぁ……だり、あ……」
ダリアンのものなのか、自分自身のものなのか、心臓の音がうるさい。
傭兵だった男の、鍛え上げられた肉体の硬さ。オイルの匂いに混じる、焦げ付くような雄の匂い。その全てが、彼女の純粋な好奇心を、一瞬で、抗いがたい「熱」へと変えていく。
足元から力が抜け、立っているのがやっとだった。
「……は、……っ」
どれくらいそうしていただろうか。
どちらともなく唇が離れると、二人の間には、銀色の細い糸が引いていた。
「……はぁ、……はぁ……」
ダリアンは、燃えるような赤髪を乱し、肩で大きく息をしていた。その彫刻のような美貌は、戦闘後の高揚にも似た熱で赤く染まっている。
彼は、自分が今したことを反芻するように、荒々しく息を整えながら、腕の中の向日葵を見下ろした。
向日葵は、腰が砕けたようにダリアンの腕に体を預け、ぜいぜいと息を繰り返すばかりだった。
潤んだ青い瞳は、戸惑いと、恐怖と、そして未知の熱に蕩けている。その唇は、彼が奪ったせいで赤く腫れ、微かに濡れていた。
その、あまりにも無防備で、扇情的な姿。
道具として生きてきたダリアンの中で、「守る」という忠誠心とは別の、もっと原始的で、独占的な感情が、堰を切って溢れ出す。
(……こいつは、俺のだ)
「……すまん」
ダリアンは、掠れた声で、それだけ言った。
だが、それは謝罪の言葉ではなかった。
「ひ……」
向日葵が、何かを言おうと、濡れた唇を開く。
——ダリアンは、それを許さなかった。
「……まだ、足りない」
今度は、先ほどのような荒々しさではない。
逃げ場を塞ぐように、彼女の後頭部に手を回し、その柔らかい髪を掴むようにして、角度を固定する。
「んむ……!」
二度目のキスは、ねっとりと、彼女のすべてを味わい尽くすかのように深かった。
ダリアンは、まるで自分の所有物だと示すかのように、彼女の口内を丹念に蹂躙し、その甘い息を全て吸い上げる。
「……っ、……ぁ、……や……」
向日葵の脳は、もう何も考えられない。
彼が求めるままに、その熱を受け入れるしかなかった。
セレスの入れ知恵で手に入れたかった「恋人っぽさ」は、今や、この堅物な男が解き放った独占欲によって、跡形もなく塗り替えられていた。
「ん……っ、ふ……ぁ……」
長い、長いキスだった。
向日葵の脳は、ダリアンが流し込んでくる熱で、とっくに飽和状態を越えている。
唇を貪るように味わい尽くした後、ダリアンの唇は、彼女の顎のラインをなぞり、その白く柔らかい首筋へと吸い付いた。
「……ひぁっ!?」
敏感な場所に、熱い呼気と、チリッとした痛みが走る。
ダリアンが、まるで自分の所有物だとマーキングでもするかのように、その柔肌に小さく歯を立てたのだ。
「だ、だめ……だりあ、……ん、そこ……っ」
向日葵が、か細い抵抗の声を上げる。
だが、それはダリアンの独占欲を煽る火種にしかならない。
「……うるさい」
ダリアンは、掠れた声でそれだけ言うと、彼女の腰を抱いていた手を、その薄い部屋着の上から、ゆっくりと這わせた。
傭兵として鍛えられた無骨な手が、彼女の体の、信じられないほど柔らかい曲線を確かめるように動く。
ビクン、と向日葵の体が跳ねた。
ダリアンの指が、その豊満な胸の膨らみのすぐ下を、なぞるように辿ったからだ。
「……っ、……や……!」
もう、何を言っているのか、自分でも分からない。
熱に浮かされた体は、ダリアンの硬い胸板にすがりつき、そのシャツの襟を弱々しく掴むことしかできなかった。
ダリアンは、その抵抗とも言えない抵抗をあざ笑うかのように、向日葵の体を軽々と抱え上げた。
「え……きゃっ!」
足が宙に浮く感覚。
ダリアンは、彼女を抱きかかえたまま、数歩で自室のベッドへと移動し、その上に乱暴に、しかし彼女を傷つけないよう絶妙な力加減で、放り投げた。
「……あ……」
シーツに背中が沈み込む。
向日葵が、何が起きたのかを理解する前に、ダリアンは、その華奢な体の上に、自らの鍛え上げられた体で覆いかぶさっていた。
「だ、ダリアン……?」
潤んだ青い瞳が、すぐ間近にある、熱に濁った金色の瞳を映す。
ダリアンの燃えるような赤髪が、彼女の頬に散らかった。
「……セレスの入れ知恵は、ここまでか」
ダリアンは、まるで獲物を仕留める獣のように、低い声で言った。
「……だが、俺はまだ、お前を離すつもりはない」
その言葉に、向日葵の体が恐怖と期待で震える。
(こわい、けど……逃げたく、ない)
その相反する感情が、彼女のスキルを暴発させた。
ダリアンに押さえつけられている彼女の腕が、その意志に反して、シーツをすり抜け、半透明に揺らめいた。
「——あっ」
ダリアンは、それを見逃さなかった。
彼の金色の瞳が、危険な光を帯びる。
「……まだ逃げるか。向日葵」
「ちが、……っ、これは、勝手に……!」
「関係ない」
ダリアンは、彼女のスキルなどお構いなしに、その半透明になった腕ごと、彼女の両手首を掴み、ベッドのシーツに縫い付けた。
《ガーディアンズ・シールド》の応用か、あるいは純粋な彼の執念か。すり抜けようとしていた彼女の体は、ダリアンが触れた場所から、強制的に「現実」に引き戻され、固定される。
「あ……!?」
すり抜けられない。この男に、物理的に捕獲されている。
ダリアンは、逃げ場を失った彼女を見下ろし、その唇の端を、不器用に吊り上げた。
「言ったはずだ。俺のスキルは《拒絶》。……今夜は、お前がどこへ“すり抜け”ようとも、俺が全て拒絶し、捕獲する」
ダリアンは、その言葉を証明するように、縫い付けた彼女の唇へと、再び顔を沈めていった。
「ん……ぅ、……ふ……っ」
三度目のキスは、獲物を仕留めた獣が、その味を確かめるかのように、ねっとりと深い。
向日葵の手首は、ベッドに押さえつけられたまま。逃げ場のない状態で、彼の舌が、自分の口内を蹂躙し、その全てを暴こうとするのを受け入れるしかない。
息が苦しい。ダリアンが流し込んでくる熱で、体が内側から焼かれるようだ。
ダリアンは、彼女の反応を確かめるように、一度唇を離した。しかし、それはほんの一瞬。彼女が抗議の声を上げるよりも早く、その唇は、彼女の耳元へと移動していた。
「……ひぁっ!♡」
熱い吐息と共に、ダリアンの舌が、彼女の耳たぶを濡らした。
向日葵の体が、経験したことのない刺激に、弓なりに跳ねる。
「だ、だめ……っ、そこ……や……っ♡」
「……ここが、嫌か」
ダリアンは、わざと、掠れた声で囁きかける。
彼の本能が、彼女の弱点が「ここ」だと告げていた。
彼は、その小さな耳朶を甘噛みしながら、ベッドに縫い付けていた彼女の両手首を、片手でまとめて押さえ込んだ。
「……!」
片手が自由になる。向日葵は、その意味を悟り、恐怖に目を見開いた。
ダリアンの、自由になった無骨な手が、彼女の薄い部屋着の裾へと伸びていく。
その指が、柔らかい腹部の素肌に、直接触れた。
「——っっ!!♡♡」
冷たいシーツと、ダリアンの熱い指先。そのコントラストに、向日葵の体は、快感とも拒絶ともつかない震えに支配される。
「や、……やだ、ダリアン、待って……!♡」
「……待たない」
ダリアンは、その懇願を、無慈悲に切り捨てた。
彼の指は、まるで失地を回復するかのように、彼女の柔肌をゆっくりと這い上がり、その豊満な胸の膨らみへと到達する。
「……道具だった俺に、『感情』を教えたのはお前だ」
ダリアンの指が、その柔らかさの頂点に、服の上から触れた。
「あ……ぁ……っ!♡」
未知の感覚に、向日葵の目から、生理的な涙が滲む。
「……セレスの入れ知恵か何かは知らんが……」
ダリアンは、その涙を舐めとるように、彼女の目尻にキスを落とした。
「お前を、こんな風にさせた責任は、取ってもらう」
それは、恋人同士の甘い睦言(むつごと)ではない。
獲物を手に入れた男の、不器用で、身勝手な、独占欲の宣言だった。
ダリアンは、その言葉を最後に、彼女の部屋着の紐へと、その指をかけた。
その無骨な指が、彼女の部屋着の紐に触れる。
向日葵は、その冷たい指先が次に何をするかを正確に理解し、恐怖に体を強張らせた。
「ま、待って……ダリアン、待って……!♡」
その懇願は、もはやダリアンの耳には届かない。
彼は、まるで任務で爆弾を解体するかのように、しかし一切の躊躇なく、その紐を解いた。
ぱさりと、薄い生地が左右に開かれる。
今までかろうじて守られていた、彼女の柔肌が、アークの薄暗い私室の空気に晒された。
そこにあったのは、彼女の華奢な体には不釣り合いなほど豊満で、白く輝く二つの膨らみ。その先端は、ダリアンの指先が触れたせいで、恥ずかしそうに硬く尖っている。
「……っ」
ダリアンが、息を呑んだ。
その彫刻のような美貌が、純粋な「欲望」に歪む。
彼は、ベッドに縫い付けていた彼女の手首を解放すると、その手を、まるで確かめるかのように、露わになったその柔らかさへと、ゆっくりと伸ばした。
「あ……ぁ、だめ……っ、見ないで……!♡」
向日葵は、自由になった手で、自分の体を隠そうとする。
だが、ダリアンは、その弱々しい抵抗を、片手で容易く払い除けた。
「……今更、何をごまかす」
ダリアンの、熱を帯びた指先が、その柔らかい丘の頂点に、今度は直接触れた。
「——ひぃっ……!♡♡」
電流が背骨を突き抜けたかのような、強烈な快感。
向日葵の体が、シーツの上で弓なりにしなる。
経験のない刺激に、脳が真っ白に焼かれ、思考が停止する。
「……ぁ、あ……っ、や、……やめ……♡」
「……やめない」
ダリアンは、獲物を嬲るように、その先端を指先で転がし始めた。
その度に、向日葵の体はビクン、ビクンと痙攣し、口からは、自分のものではないような、甘く濡れた声が漏れ出した。
「は……ぁ、……っく……♡ ん、……あ、ぁんっ……!♡」
「……いい声だ」
ダリアンは、その反応に満足そうに目を細めると、もう片方の手で、まだ隠されていたもう一方の膨らみも、同じように嬲り始める。
「あ、……!♡ むり、むり、ふたつ、は……っ、……ぁああッ!♡」
左右同時に責め立てられ、向日葵の体は、快感の奔流に完全に飲み込まれた。
その刺激から逃れようと、彼女は無意識にスキルを使おうとした。
——体が、すり抜けようと、淡く明滅する。
「——逃がさん」
ダリアンは、その兆候を見逃さなかった。
彼は、彼女の胸を嬲るのをやめ、その体を、まるで拘束具のように、自らの体で、再び強く押さえつけた。
「あ……♡」
「俺から、すり抜けられると思うな」
ダリアンの体重が、ずしりとかかる。
彼女の《フェイズ・スリッパー》は、この圧倒的な質量と、彼の「拒絶」の意志の前では、無力だった。
すり抜けられない。捕まっている。
その事実が、恐怖と共に、彼女の心の奥底にあった「渇望」——誰かに強く掴んでいてほしいという願い——を、皮肉にも満たしていく。
「……お前は、俺のものだ」
ダリアンは、その言葉を刻み付けるように、彼女の白く滑らかな首筋に、再び顔を埋めた。
今度は、甘噛みではない。
その肌を、強く、吸い上げた。
「……いっ……!♡ あ、……だめ、あと、つく……っ♡」
「……残す」
ダリアンは、彼女の懇願を、一言で切り捨てる。
彼は、まるで自分の所有権を主張するように、彼女の鎖骨、肩、そして胸の谷間へと、赤い「印」を次々と刻み付けていった。
「や……ぁ、……♡ やめて……っ、♡ ……ダリアン……♡」
もはや、彼女の言葉は、抵抗の意味を成していない。
ダリアンは、彼女の反応を楽しみながら、その無骨な手を、彼女の部屋着の、最後の砦である下着の縁へと、ゆっくりと滑り込ませた。
「……お前の『内側』、全て、俺が暴いてやる」
その低い宣言と共に、ダリアンの無骨な指先が、彼女の最後の布地を押し下げ、その湿った熱が潜む、最も柔らかな場所へと滑り込んだ。
「——っっ!!♡♡」
向日葵の体が、今度こそ、ベッドの上で激しく跳ね上がった。
今までとは比べ物にならない、直接的で、鋭い快感。
そこは、彼女自身ですら、意識して触れたことのない、未知の領域だった。
ダリアンの指は、傭兵だった頃の精密さで、その湿った谷間を辿り、すぐに、小さく硬くなった蕾(つぼみ)を見つけ出した。
「……ここか」
ダリアンは、まるで敵の弱点を発見したかのように、呟いた。
そして、躊躇なく、その一点を、指の腹でぐ、と押し込んだ。
「あ……!♡ あ、ああああーーーッ!!♡♡」
向日葵の頭が、真っ白に弾け飛んだ。
快感とも痛みともつかない衝撃が、背骨を駆け上がり、つま先まで痺れさせる。
涙が、ぼろぼろとこぼれ落ちた。
「や、だめ、そこ、だめ……っ!♡ ほんとに、ダメだから……!♡」
「……なぜだ」
ダリアンは、その一点を執拗に押し込んだまま、彼女の耳元で囁く。
「……こんなに、濡れているのにか?」
「あ……♡ ぅ、……♡」
その言葉が、羞恥心で彼女の体をさらに熱くさせる。
「い、いや……っ!♡ 違う……っ、やめ、やめて……っ、♡」
「……嘘をつくな」
ダリアンは、その懇願を無視し、指の動きを、押し込むものから、円を描くような愛撫に変えた。
「ん、……ッ!♡ く、……ぁ、……!♡♡」
もう、まともな声は出ない。
向日葵の腰が、シーツの上で、勝手に、くねるように動き出す。その刺激から逃れたいのに、ダリアンの指を、もっと深く受け入れたいという、本能的な欲望が体を支配する。
「……ぁ、あ……っ♡ だり、あ……♡ だりあん……っ♡」
「……ああ。ここにいる」
ダリアンは、彼女が自分の名前を呼ぶ度に、その指の動きを、さらに速く、深くしていく。
彼女の天真爛漫な姿は、もうどこにもない。
ただ、欲望に蕩けた顔で、快感に喘ぎ、彼の名前を呼ぶだけの、雌の顔があった。
(……こいつは、俺のだ)
ダリアンは、その独占欲を、さらに深く刻み付ける。
彼は、彼女の体を嬲る手を止めないまま、自らの戦闘服のベルトに、もう片方の手をかけた。
金属のバックルが、重い音を立てて外れる。
その音に、向日葵の意識が、わずかに引き戻された。
「……え……? だり、あん……?♡ まさか……」
潤んだ青い瞳が、彼が何をしようとしているのかを悟り、恐怖に見開かれる。
ダリアンは、その様子に、獰猛な笑みを浮かべた。
「言ったはずだ。……責任は、取ってもらう、と」
「だ、だめ……!♡ まだ、こころの、じゅんびが……っ♡」
「……お前の『心』も、『体』も……」
ダリアンは、彼女の最後の抵抗を封じるように、その熱く濡れた場所を抉るように、指を一本、差し込んだ。
「——あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
向日葵の体が、硬直する。
未知の異物が、自分の「内側」をこじ開ける感覚。
そのあまりの衝撃に、彼女の体が反射的に「拒絶」し、内側が固く強張った。
「……っ、い、……た……っ♡」
「……力を抜け」
ダリアンは、彼女が「未知の侵入」に驚いて体を強張らせたのを見て、一旦動きを止めた。
(……これが、初めてか)
その事実に、彼の独占欲はさらに強く燃え上がる。
道具だった自分が、この純粋な少女の「初めて」を奪う。その背徳的な事実に、彼の喉が鳴った。
だが、彼は強引に進めなかった。
力ずくで奪うのは、戦場で敵を制圧するのと同じだ。それは、違う。
こいつは、俺の「感情」を乱した、唯一の存在だ。
「……ひまわり」
ダリアンは、掠れた声で、初めて彼女の名前を呼んだ。
「ひ……っ♡」
「……俺を見ろ」
彼女が、涙に濡れた瞳で、彼を見上げる。
ダリアンは、彼女の内側に差し込んだ指を、動かさないまま、ゆっくりと自分の欲望を露わにする。
それは、彼の戦闘的な肉体に見合った、恐ろしいほどの熱と硬さを持っていた。
向日葵の顔が、絶望に青ざめる。
「……む、り……♡ あんなの、入らない……っ♡」
「……入る」
ダリアンは、彼女の涙を、舌で舐めとった。
「俺が、入るようにしてやる」
彼はそう言うと、差し込んだ指を、ゆっくりと動かし始めた。
彼女の内側が、まだ強張っているのを確かめるように。
その硬い壁を、一本の指で、丹念に、解きほぐしていく。
「あ……っ♡ ん、……ぅ……♡」
「……そうだ。力を抜け。……お前が俺を受け入れれば、もっと、気持ちよくしてやる」
「きもち、……よく……♡」
「ああ」
ダリアンは、彼女の蕾をもう一度、親指で強くこすり上げた。
「——ひぃっ!♡♡」
外側からの強烈な快感と、内側を解きほぐされる異物感。
二つの刺激に、向日葵の思考は再び麻痺していく。
「ほら、感じているだろう。……ここは、こんなに熱い」
ダリアンは、指を増やし、二本にした。
「い、いや……っ♡ むり、ふた、つ……♡ あ、ああっ!♡」
「……大丈夫だ」
彼は、その二本の指で、彼女の狭い入り口を、ゆっくりと広げ始めた。
「拒絶」していた彼女の内側が、彼の執拗な愛撫によって、徐々に熱を帯び、彼を受け入れるように、濡れそぼっていく。
「……ん、……く……♡ ……ぁ、……♡」
「……いい子だ。……お前の『内側』は、俺の形を覚えるんだ」
ダリアンは、彼女が自分の指の動きに慣れ、腰が微かに揺れ始めたのを確認すると、自らの熱く硬くなった先端を、その熱い入り口に、ゆっくりと押し当てた。
「——ひっ……!♡」
未知の熱が、彼女の「内側」の入り口に触れる。
ダリアンは、彼女の体を傷つけないよう、しかし逃がさないよう、その腰を強く掴み、彼女の反応を確かめながら、その身を沈め始めた。
「……い、……ぃた……っ♡ ……ダリアン、……い、たい……っ♡」
「……我慢しろ。……すぐに、お前の『盾』が、俺を受け止める」
ダリアンは、彼女の体を労わるように、ゆっくりと、しかし確実に入り口を広げていく。
熱く硬い彼の一部が、少しずつ、しかし着実に彼女の内側へと侵入していく。その痛みは、徐々に熱へと変わり、向日葵の体を焼き尽くす。
「ふ……ぁ、……んんん……っ!♡」
半分ほど侵入したところで、ダリアンは動きを止めた。
彼女の狭い内側が、彼の熱をいっぱいに抱え、脈打っている。
「……どうだ。……まだ、痛いか?」
ダリアンは、額に汗を滲ませながら、向日葵の目を見つめた。
潤んだ青い瞳には、痛みと、戸惑いと、そして、抗いがたい熱が混じり合っている。
「……っ、ん……♡ ……いたい、けど……、ぅ、……変な、かんじ……っ♡」
「……そうか」
ダリアンは、その言葉に満足そうに目を細めると、差し込んだ指を、再び彼女の内側でねちっこく動かし始めた。
彼の指が、まだ彼の欲望を受け止めきれない彼女の壁を、丹念に、丹念に解きほぐしていく。
「あ、……ぁ、……っんんんん……っ!♡♡」
外からの刺激と、内側から広げられる感覚。
二つの快感が、向日葵の理性を再び破壊する。
彼女の腰が、シーツの上で、勝手に、くねくねと誘うように動き出した。
「……ほら。……受け入れたいんだろう?」
ダリアンは、彼女の内側で指を動かし続けながら、自らの熱い欲望を、さらに深く、ゆっくりと、ねっとりと沈め始めた。
「い、いや……っ♡ あ……ぁ、ぁん……っ!♡」
彼女の内側の抵抗が、熱に濡れた壁へと変わっていく。
ゆっくりと、しかし確実に、彼の全てが、彼女の「内側」へと侵入していく。
「んんん……っ!♡ あ、ああ……っ!♡♡」
ついに、彼の全てが、彼女の内側に収まった。
向日葵の体は、限界まで引き伸ばされ、全身が熱い快感で痺れている。
「……ぁ、あああ……っ♡ ひっ、……ぅ、……ダリアン……っ♡」
「……ああ。俺は、ここにいる」
ダリアンは、その体から溢れ出す熱を、全て彼女の内側へと流し込むように、しばらくの間、微動だにしなかった。
二つの体が、一つになったかのように、ぴったりと密着している。
「……どうだ。……これが、俺の『盾』だ」
ダリアンは、彼女の耳元で囁く。
「お前がどこへもすり抜けられないよう、完全に、囲い込んだ」
「……んん、……♡」
向日葵は、その言葉の意味を、体の奥深くで理解した。
誰にも触れられず、誰からも逃げ出すことができる自分のスキルが、この男の前では、全くの無力だ。
そして、その「無力さ」が、なぜか、彼女の心の奥底にあった寂しさを、埋めていくようだった。
「……ぁ、……ダリアン……っ、ぅ……っ♡」
向日葵は、初めて、自分からダリアンの首に腕を回した。
そして、その熱い体に、顔を擦り付ける。
ダリアンは、その微かな抵抗が、自らを受け入れる行動へと変わったのを感じ取ると、その閉ざされていた理性の最後の扉が、音を立てて開くのを感じた。
彼は、我慢していた衝動を解き放つように、ゆっくりと、ねっとりと、その腰を動かし始めた。
「——っっ!!♡ あ、ぁん、……っ、あぁッ!♡♡」
向日葵の体が、激しい快感の奔流に、再び飲み込まれた。
彼の動きは、一回一回が重く、深く、彼女の内側を隅々まで味わい尽くすかのようだった。
「ん、……く、……ぁああッ!♡ ダリ、……アン……ッ!♡」
「……いいか。……お前の全てを、俺に預けろ」
ダリアンは、その言葉を刻み付けるように、彼女の体を深く深く突き上げ、そして、ゆっくりと引き抜いていく。
その度に、彼女の内側が、甘く締まり、彼の欲望を絡め取る。
「や、……やめ、……っ、むり、……っ♡ あ、ぁんっ……!♡」
「……まだだ」
ダリアンは、その懇願を無視する。
彼の動きは、決して速くはない。
だが、その一回一回が、彼女の体を限界まで追い詰め、快感の淵へと突き落としていく。
「は、……ぁ、……んんん……っ!♡」
ダウン、ダウン、と、ベッドが軋む音。
肉が打ち合う、甘く湿った音。
そして、向日葵の、蕩けきった喘ぎ声だけが、部屋に響き渡る。
「……ひまわり。……お前は、どこへも行けない」
「……ぁ、……ん、……っ、ダリ、……♡」
「……ここが、お前の居場所だ」
ダリアンは、彼女の内側を、執拗に、そして飽くことなく愛撫し続けた。
彼女のスキル《フェイズ・スリッパー》も、彼の《ガーディアンズ・シールド》も、この甘美な空間の中では、ただ、二人を永遠に繋ぎ止めるための、絆でしかなかった。
「……も、……もう、いい……っ♡ ダリアン……っ、もう、いいよぉ……っ♡」
向日葵の声は、快感で擦り切れ、涙と汗でぐしょぐしょになっていた。
その小さな体が、限界まで達し、快感のあまり、もうそれ以上は耐えられないと、懇願している。
「……まだだ」
ダリアンは、その懇願を、一言で切り捨てる。
彼の目は、まだ、その奥底に、底知れない欲望の炎を宿していた。
「……お前が、本当に『もういい』と言うまで……」
彼は、その言葉を証明するように、さらに深く、強く、彼女の内側を突き上げた。
「——俺は、止めない」
その、不器D器用で、身勝手で、しかしどこまでも誠実な独占欲を、向日葵は、その体の奥底で、全て受け止めるしかなかった。
「あ、……ぁ、……ん、んん……っ!♡」
向日葵の「もういい」という言葉は、ダリアンにとって「止まれ」の合図にはならなかった。
それはむしろ、彼が道具として生きてきた人生で、初めて手に入れた「感情」が、この少女によって限界まで揺さぶられている証左。
彼は、彼女の懇願を、快感に溺れた悲鳴として受け取った。
「……まだ、足りないだろう」
ダリアンは、彼女の腰を掴む手に力を込める。
今まで、深く、**ねっとり**と、彼女の内側を味わうように動かしていた腰の動きを、変えた。
一番奥……彼女が最も熱く、彼を締め付ける場所。そこだけを、執拗に、擦り付けるように突き上げ始めた。
「——ひぃっ……!♡ あ、……っ、そこ、……だめ、……そこ、いちばん……っ♡」
向日葵の体が、シーツの上で、まるで魚のように跳ねる。
そこは、彼女自身ですら知らなかった、快感の源泉。
ダリアンは、傭兵としての精密さで、その一点だけを、的確に、容赦なく、攻め立てた。
「ん、……っ、ふ、……ぁ、……ああああんっ!♡♡」
「……ここか。……お前が、俺を一番強く締め付けるのは」
彼は、その発見に、獰猛な笑みを浮かべる。
「……ならば、お前が『もういい』と言えなくなるまで、ここを、俺の形で、刻み付けてやる」
「や、……やめ……っ♡ むり、……こわれ、……ちゃう……っ♡♡」
「……壊れてもいい。……俺が、何度でも、繋ぎ止めてやる」
ダリアンの動きが、わずかに速くなる。
**ねちっこく**、しかし力強い衝動が、彼女の一番奥を、何度も、何度も、打ち据える。
彼女の内側は、もう、彼の熱を受け入れすぎて、限界まで濡れそぼっていた。
「あ、……ぁ、……!♡ いく、……っ、いっちゃ、……う……!♡♡」
向日葵の体が、快感の絶頂を目前にして、再び痙攣を始めた。
その瞬間、彼女は、この圧倒的な快感から逃れようと、最後の力を振り絞った。
体が、淡く、明滅する。
——《フェイズ・スリッパー》が、暴発した。
だが、ダリアンは、その兆候を待っていた。
「——逃がさんと言ったはずだ」
彼は、彼女の体がすり抜けるよりも早く、その腰を掴んでいた手を、彼女の「内側」へと滑り込ませた。
彼の欲望と、彼の指。
その両方で、彼女の内側を、物理的に、掴み取る。
「あ“あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
外側と内側、その両方から、ダリアンという「現実」に、完全に捕獲された。
すり抜けられない。
快感から、逃げられない。
その絶対的な拘束が、向日葵の理性の最後の糸を、ぷつりと断ち切った。
「——いッ、……♡♡♡」
向日葵の体が、白く、硬直する。
絶頂の波が、彼女の体を何度も、何度も、貫いた。
もはや、声にならない喘ぎが、彼女の濡れた唇から、泡のように溢れ出す。
「……は、……ぁ、……っ、……」
「……ああ。……感じているな」
ダリアンは、彼女が絶頂の中で痙攣している間も、その動きを、一切緩めなかった。
彼女の内側が、彼を締め付ける、その一番強い快感を、彼自身も、余すところなく味わい尽くす。
「……お前は、俺に捕まった」
彼は、その言葉と共に、自らの衝動を、彼女の一番奥へと、叩きつけた。
「……っ、……!!」
ダリアンは、向日葵の体の中で、自らの全てを解き放つ。
道具だった男が、初めて知った「感情」。その全てを、この少女の「内側」に、注ぎ込むかのように。
「……はぁ、……っ、……はぁ……」
熱い嵐が、ようやく過ぎ去る。
ダリアンは、まだ彼女の内側に己を残したまま、その上に、倒れ込んだ。
彼の燃えるような赤髪が、汗で濡れた彼女の黒髪に、絡みつく。
「……ひ、……ぅ、……っ……」
向日葵は、もう、指一本動かせない。
ただ、涙を流しながら、浅い息を繰り返すだけだった。
ダリアンの体重が、その柔らかい体にずしりとかかる。
(……おも、……い……♡)
だが、ダリアンは、その熱を抜こうとしなかった。
それどころか、彼女の内側で、まだ硬さを保ったままの自身を、確かめるように、ぐ、と押し込む。
「……ひぁっ……!?♡」
「……ああ」
ダリアンは、彼女の耳元で、掠れた、しかし満足しきった声で、囁いた。
「……言ったはずだ。……お前の『内側』は、俺が全て、暴いた」
「……もう、お前は、俺からすり抜けられない」
ダリアンは、その言葉を刻み付けるように、ゆっくりと、ねっとりと、己を引き抜き始めた。
彼女の内側が、名残惜しそうに、彼の熱に絡みつく。
「……ん、……っく……♡ あ、……♡」
「……」
そして、全てが引き抜かれた瞬間。
向日葵は、その解放感と、彼が残していった熱い証拠(あかし)が、自分の内側から溢れ出す感覚に、羞恥で体を震わせた。
「……あ、……ぁ、……♡」
「……見たか。……お前は、俺に『内側』まで、満たされた」
ダリアンは、汗で濡れた彼女の体を、品定めするように見下ろす。
白い肌には、彼が付けた赤い「印」が、まるで花のように咲き乱れている。
その、あまりにも扇情的で、無防備な姿に、一度は収まったはずのダリアンの「感情」が、再び、熱を持ち始める。
「……だ、……だりあん……♡ も、……もう、……むり……♡ おわ、……り……♡」
向日葵は、最後の力を振り絞って、懇願した。
「……終わり?」
ダリアンは、彼女の濡れた頬を、無骨な指で拭う。
その仕草は、一見優しげだが、その金色の瞳は、まだ獲物を狙う獣の光を失っていない。
「……ああ。お前は、確かに『いった』な」
ダリアンは、彼女の太ももの内側を、指でなぞり上げた。
「ひ……っ!♡」
「……だがな、ひまわり」
ダリアンは、自分の、既に再び硬さを取り戻し始めている熱を、彼女に見せつけるように、掴んだ。
「……俺は、まだだ」
「……え……♡ う、……うそ……♡」
向日葵の目が、絶望と、信じられないものを見るかのように、見開かれる。
「な、……なんで……♡」
「……お前を『守る』のが、俺の役目だ」
ダリアンは、その言葉に、歪んだ意味を込めた。
「……お前ごときに、俺の『盾』が、一度で満足すると思うな」
「そ、……そんな……っ♡」
「それに……」
ダリアンは、彼女の体を、まるで自分の所有物のように、反転させた。
「きゃっ……!♡」
うつ伏せにさせられ、彼女の、先ほどまで彼を受け入れていた場所が、無防備に晒される。
ダリアンは、その潤んだ入り口を、指でねちっこく、なぞった。
「——っっ!!♡♡」
「……お前の『前』は、俺を覚えた」
「……だが、お前の『後ろ』は、まだ、俺を知らない」
「……え……?♡♡」
向日葵は、彼が何を言っているのか、その意味を理解し、恐怖に顔を引きつらせた。
「だ、……だめ!♡ そ、そこは、ほんとに……っ、だめだから……っ!!♡」
「……お前は、セレスの入れ知恵で、俺の『内側』に滑り込んだ」
ダリアンは、彼女の必死の懇願を、無視した。
「……ならば、今度は、俺が、お前の、更なる『内側』を、暴くまでだ」
ダリアンは、その言葉と共に、先ほど彼女を満たした、その熱い欲望を、今度は、まだ誰も触れたことのない、その禁断の場所へと、押し当てた。
「……お前の『拒絶』ごと、俺が、受け止めてやる」
「あ“あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
向日葵の絶叫が、ダリアンの私室に響き渡った。
うつ伏せにされ、無防備に晒された禁断の場所。そこに押し当てられた、先ほど彼女を貫いた熱い欲望。
その硬さと熱が、彼女の理性を再び恐怖で染め上げる。
「だ、だめ……っ!♡ だりあん、そこは、ほんとに……っ、違う……っ!♡ ほんとに、こわれちゃう……っ!!♡」
向日葵は、シーツに顔を押し付け、必死に腰を引いて逃れようともがく。
だが、ダリアンは、その逃走を許さない。
彼は、彼女の腰を、まるで万力のような力で掴み、固定した。
「……何を今更、拒絶する」
ダリアンは、彼女の耳元で、低く囁いた。
「……お前は、俺の『内側』に滑り込んできたんだろう」
「……ならば、お前の、全ての『内側』を、俺が知る権利がある」
「そ、そんな……っ♡ り、理由になってない……っ♡」
「……なっている」
ダリアンは、彼女の抵抗をあざ笑うかのように、その熱い先端を、閉ざされた入り口に、ぐりぐりと押し付け始めた。
「——ひぃっ……!♡ あ、……っ、ん、……♡」
未知の感覚。痛みとも快感ともつかない刺激が、彼女の背筋を駆け上がる。
「だ、だめ……っ♡ そこ、……や……っ♡」
「……ああ。まだダメだな」
ダリアンは、一度、その熱を離した。
向日葵が、安堵の息を漏らした、その瞬間。
ダリアンの無骨な指が、その場所を、直接なぞった。
「——っっ!!♡♡」
「……ここは、まだ硬い」
ダリアンは、先ほど彼女を絶頂させた、彼女自身の「前」から溢れ出た証(あかし)を、その指にたっぷりと絡め取った。
そして、その濡れた指を、彼女の閉ざされた「後ろ」の入り口へと、躊躇なく、滑り込ませた。
「あ……!♡ あ、ああ……っ!♡♡」
「……俺のもので、お前を慣らしてやる」
ダリアンは、その言葉と共に、一本目の指をゆっくりと、彼女の内側へと差し込んだ。
「前」とは全く違う、狭く、熱い、締め付け。
「……い、……ぃた……っ♡ い、たい……っ!!♡」
「……我慢しろ。……すぐに、お前も『欲しく』なる」
ダリアンは、彼女の悲鳴を無視し、指をゆっくりと動かし、その内側を解きほぐし始める。
その硬い壁を、丹念に、丹念に、広げていく。
「や、……やめて……っ♡ ん、……っく……♡」
「……嘘をつくな」
ダリアンは、指を二本に増やした。
「——っっ!!♡♡ む、むり……っ!♡ さける、……こわれる……っ!♡」
「……壊れさせん」
ダリアンは、その二本の指で、彼女の狭い内側を、まるで自分の形を覚えさせるかのように、執拗に広げ続けた。
その指が、彼女の内側の、ある一点を、強く押した。
「——あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
向日葵の体が、弓なりに跳ねる。
「前」で感じた絶頂とは、また違う種類の、背徳的で、脳を焼くような快感。
「……ここか」
ダリアンは、その場所を見逃さなかった。
彼は、その一点だけを、指で、何度も、何度も、抉るように突き始めた。
「あ、……っ!♡ あ、……ん、……っ!♡ だ、だめ、……っ、そこ、……だめええええッ!!♡」
「……なぜだ。……こんなに、俺の指を、締め付けているのにか?」
ダリアンは、彼女の反応を楽しみながら、指を三本に増やそうとする。
「い、……いぃぃ……っ!♡♡」
「……ふ。……もう、十分だな」
ダリアンは、彼女が新たな快感に溺れ、腰が勝手に動き始めたのを確認すると、その指を引き抜いた。
そして、その代わりに。
彼自身の、熱く硬くなった欲望の全てを、その、背徳の入り口に、押し当てた。
「ひ……っ♡ あ、……だめ、……まって、……だりあん……っ♡」
「……もう、待たない」
ダリアンは、彼女の腰を掴み、固定する。
「……お前の『拒絶』ごと、俺が、受け止めてやる」
ダリアンは、その言葉と共に、ゆっくりと、しかし、一切の躊躇なく、その身を、彼女の「内側」の、一番奥深くへと、沈めていった。
「あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“ーーーーーッ!!!!!♡♡♡♡」
向日葵の、悲鳴とも呼べない絶叫が、ダリアンの私室にこだました。
うつ伏せにされ、その硬いシーツに顔を押し付けたまま、彼女の体は、限界まで引き伸ばされる痛みと、異物感で硬直する。
「い、……ぃた……っ♡ い、たい……っ、だりあん……っ!♡ ぬ、……ぬいて……っ!♡ おねがい……っ♡」
涙と涎でぐしょぐしょになった顔で、彼女は必死に懇願する。
だが、ダリアンは、その熱い欲望を彼女の内側に突き立てたまま、その懇願を冷たく一蹴した。
「……我慢しろ」
彼は、その硬直した体を抱きしめるように、彼女の上に覆いかぶさる。
「……お前の『内側』は、俺を『拒絶』できない」
ダリアンは、その言葉を証明するように、ゆっくりとその腰を動かし始めた。
まだ彼を受け入れきれず、固く強張った内壁が、彼の熱によって、無理やりこじ開けられ、擦られていく。
「ん、……っ!♡ ふ、……ぁ、……っ、い、……ぃ……っ♡」
痛み。
しかし、その痛みの奥から、先ほど「前」で感じた快感とは、全く質の違う、背徳的な「熱」が、じわりと染み出してくる。
「前」と繋がる、内側の壁。そこを、ダリアンの硬い欲望が、抉るように擦り上げる。
「あ……っ♡ ひ、……♡ な、……に、これ……っ♡ ん、……っ♡」
向日葵の腰が、痛みに抵抗しながらも、その未知の感覚に、ビクン、と小さく痙攣した。
ダリアンは、その微かな反応を、見逃さなかった。
「……ここか」
彼は、傭兵としての精密さで、彼女の内側の、その一点——彼女が最も強く反応する場所——を見つけ出した。
そして、そこだけを、狙い澄まして、擦り上げるように突き始めた。
「——あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡」
向日葵の脳が、再び、白く弾け飛んだ。
「前」で感じた、蕩けるような快感ではない。
もっと、鋭く、背徳的で、脳髄を直接焼かれるような、強烈な快感。
「や、……やめ、……っ♡ そこ、……そこだけは……っ♡ ほんと、に……だめえええええッ!!♡♡」
「……なぜだ」
ダリアンは、彼女の懇願を、欲望を煽る喘ぎ声としてしか受け取らない。
「……お前は、ここが一番いいんだろう」
「……こんなに、俺の指を……いや、俺自身を、締め付けている」
ダリアンは、彼女の腰を掴む手に力を込め、その一点だけを、執拗に、執拗に、攻め立てた。
もう、彼女に抵抗する力は残っていない。
うつ伏せのまま、シーツに顔を埋め、ただ、ダリアンが与える、背徳の快感に、体を震わせるだけだった。
「ん、……っく……♡ あ、……ぁん……っ!♡♡ あ、……っ、だり、……ぁん……っ♡」
「……ああ。……そうだ。……もっと、俺を呼べ」
ダリアンは、彼女が「後ろ」の快感に、完全に堕ちたのを確認すると、満足そうに、その動きを、わずかに速めた。
**ねちっこく**、しかし力強い衝動が、彼女の奥の奥を、何度も、何度も、打ち据える。
「い、……いく……っ!♡ また、……いっちゃ、……う……っ♡♡」
「こ、……こんどは、……へん、……なとこ、から……っ♡ あ、ああああんっ!!♡」
向日葵の体が、二度目の、しかし初めて経験する種類の絶頂に、激しく痙攣した。
「……ああ。……俺の『内側』で、果てろ」
ダリアンは、彼女が絶頂の中で、その内側を激しく収縮させるのを、自らの欲望で感じ取りながら、ついに、彼自身も、その背徳の場所で、全てを解き放った。
「……っっ!!」
熱い奔流が、彼女の「内側」の、一番奥深くへと、注ぎ込まれる。
「……は、……ぁ、……っ、……ひ、……ぅ……」
ダリアンは、まだ己を抜かないまま、精根尽き果てた彼女の上に、再び倒れ込んだ。
汗で濡れた二つの体が、隙間なく密着している。
彼女の内側が、彼の熱い欲望を、まだ、痙攣するように、名残惜しそうに締め付けている。
「……だ、……り、……ぁん……♡」
向日葵の声は、もう、か細い吐息でしかない。
「……ぬ、……ぬいて……♡ おねがい、……します……っ♡」
「……ああ」
ダリアンは、その懇願に、低く応えた。
だが、彼はすぐには動かない。
それどころか、彼女の内側でまだ熱を失わない自身を確かめるように、ぐり、と捻り込んだ。
「——あ“あ“あ“ッ!!♡♡」
向日葵の体が、最後の絶頂の余韻の中で、再び激しく跳ねる。
「……まだ、俺を感じるだろう」
ダリアンは、彼女の耳元で、囁いた。
「……お前の『内側』が、俺を、まだ、離さない」
彼は、ゆっくりと、その身を引き抜き始めた。
だが、それは解放ではなかった。
インチ単位で、**ねちっこく**、ゆっくりと。彼女の内壁が、彼の熱い欲望を、名残惜しそうに追いかけてくるのを、感じ取りながら。
「ん、……っ!♡ く、……ぁ、……!♡♡」
その度に、向日葵の体は、快感とも苦痛ともつかない痙攣を繰り返す。
全てが引き抜かれた時、彼女は、シーツの上に、ぐったりと崩れ落ちた。
もう、指一本、動かせない。
「……は、……ぅ、……っ……♡」
ダリアンは、その無防備で、無力な姿を、冷徹な金色の瞳で見下ろした。
彼の欲望によって、背徳の証(あかし)を刻まれた、その白い背中。
汗で濡れそぼった黒髪。
(……まだだ)
ダリアンは、その華奢な体を、まるで荷物でも扱うかのように、掴み、乱暴に仰向けに反転させた。
「きゃっ……!?♡」
「……まだ、終わっていない」
向日葵の、涙で潤んだ青い瞳が、彼を映す。
そこにあったのは、先ほど、一度は欲望を解き放ったはずの男の、再び、硬く、熱を帯び始めた、恐ろしいほどの「現実」だった。
「……う、……そ……♡ な、……んで……♡」
「……お前を『守る』のが、俺の役目だ」
ダリアンは、その言葉に、歪んだ意味を込めた。
「……お前ごときに、俺の『盾』が、一度で満足すると思うな」
「そ、……そんな……っ♡」
「それに……」
ダリアンは、彼女の、汗と涙と、彼が残したもので、ぐしょぐしょに濡れた太ももの内側を、無骨な指で、なぞり上げた。
「——ひぃっ!♡♡」
「……お前の『後ろ』は、俺を覚えた」
「……だが、お前の『前』は、もう、俺を忘れたか?」
ダリアンは、彼女の、まだ赤く腫れ、彼の証(あかし)で濡れた「前」の入り口に、容赦なく、二本の指を突き立てた。
「あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡」
「……ああ。……まだ、こんなに熱い」
「い、……いや……っ♡ も、……もう、なにも、……でな……っ♡」
「……嘘だ」
ダリアンはその指を内側でかき回す。
「……俺の『形』を、忘れたとは、言わせん」
ダリアンは、彼女の懇願を無視し、その指で、彼女の内側の、一番奥を、執拗に、抉るように突き始めた。
「あ、……ん、……っ!♡ あ、……ぁ、……っ♡♡」
「……ほら、また、欲しくなってきた」
「ち、……ちが……っ♡ ん、……っく……♡」
「……ああ。違うな」
ダリアンは、その指を引き抜くと、彼女の足首を掴み、その両足を、自らの肩に担ぎ上げた。
「ひ……っ!?♡ な、……なに、……する……っ♡」
「……お前は、セレスの入れ知恵で、俺の『内側』に滑り込んだ」
「……今度は、お前が、俺の『感情』の全てを、受け止める番だ」
ダリアンは、彼女の、無防備に晒された「前」の入り口に、再び硬さを取り戻した、自らの欲望の先端を、押し当てた。
「……お前の『居場所』は、ここだと言ったはずだ」
「や、……やめ……っ♡ おねが、……だりあ……っ♡」
「……お前の『もういい』は、聞こえない」
ダリアンは、その言葉と共に、今度は、一切の躊躇なく、その身の全てを、彼女の一番奥深くへと、叩き込んだ。
「——っっ!!!!♡♡♡」
向日葵の、声にならない絶叫が、ダリアンの体によって、完全に塞き止められる。
「……第二ラウンドだ。……お前が、俺の『名前』だけを呼んで、喘ぎ疲れるまで、今夜は、終わらせない」
ダリアンは、その言葉を証明するように、今度は、一切の加減なく、その腰を、激しく、深く、突き上げ始めた。
「あ、……ぁ、……!♡ あ、……ん、……っ!♡ だ、……り、……ぁん……っ!♡♡」
「……そうだ。……泣け。……喘げ。……俺だけを感じろ」
彼の「盾」は、今夜、彼女という唯一の存在を、内側から、完膚なきまでに「守り」尽くすことを決めていた。
ベッドが、壊れるのではないかと思うほど、激しく軋む。
ダリアンは、彼女の両足を肩に担いだまま、その無防備に開かれた「内側」を、一切の躊躇なく、底の奥まで突き続けた。
さっきまでの「慣らし」は、もうない。
傭兵だった頃の、敵陣を制圧するかのような、荒々しい衝動。
「ひ、……っ!♡ あ、……ぅ、……!♡ は、……げし、……っ♡♡」
「……お前が、俺を『感情』で鈍らせたせいだ」
ダリアンは、その喘ぎを、冷たく一蹴する。
彼は、彼女の内側の、一番奥……先ほど彼女を絶頂させた、その一点だけを、今度は、力任せに、何度も、何度も、打ち据えた。
「——あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
「ん、……っ、……こ、……こわれる、……っ♡ ほんと、に……っ♡」
「……まだだ」
ダリアンは、その攻めを緩めない。
それどころか、彼女の足首を掴んでいた手を離し、その手を、彼女の、すでに快感で硬く尖ったままの胸の頂点へと伸ばした。
そして、その小さな蕾を、指先で、強く、捻り上げた。
「——ひぃっっっ!!♡♡」
「前」の一番奥と、胸の先端。
二つの快感が、同時に、彼女の脳天を貫く。
「あ、……ぁ、……!♡ む、……むり、……っ♡ ふたつ、……いっしょ、は……っ♡」
「……どちらも、俺のものだ」
ダリアンは、彼女の懇願を、欲望の炎を燃やす薪(まき)のようにしか受け取らない。
彼は彼女の体を、上からも、下からも、同時に、執拗に攻め立てた。
「あ、……ぁん、……っ♡ あ、……っ♡ だり、……だりあん、……だりあん……っ!!♡」
「……ああ。……そうだ。……俺の名前だけを、呼べ」
彼の独占欲は、もう、止まらない。
彼は、彼女が、自分の与える快感に、完全に支配されていることを、確認したかった。
「ひまわり」
「……は、……ひ……っ♡」
「……お前は、誰のものだ?」
「……え……?♡」
「……答えろ」
ダリアンは、その答えを催促するように、一番奥を抉るように、三度、突き上げた。
「あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡」
「……だ、……だり、あん、……の……♡」
「……だりあん、の、……もの……です……っ♡」
「……いい子だ」
ダリアンは、その言葉に、満足そうに、獰猛な笑みを浮かべた。
「……ならば、その証拠(あかし)を、お前の『内側』に、もう一度、刻んでやる」
ダリアンは、その言葉と共に、彼女の胸を嬲るのをやめ、その両手で、彼女の腰を、強く、掴み直した。
そして、今度は、彼女の体が壊れるのも構わないとでも言うように、その腰を、激しく、速く、突き上げ始めた。
「——っっ!!♡♡ あ、……ぁ、……!♡ あ、……ん、……っ!♡」
「い、……いく、……!♡ また、……いっちゃ、……う……っ♡♡」
「……ああ。……俺の『内側』で、果てろ」
ダリアンは、彼女が三度目の絶頂に達するのと、ほぼ同時に、彼女の、その熱く濡れた「内側」の、一番奥深くへと、再び、その熱い欲望の全てを、注ぎ込んだ。
「……は、……ぁ、……っ、……ひ、……ぅ……」
ダリアンは、まだ己を抜かないまま、その上に、倒れ込んでいる。
向日葵は、もう、声も出ない。ただ、シーツの上で、射精(う)たれた快感の余韻に、小さく、小さく痙攣している。
彼の熱い欲望が、まだ、彼女の一番奥で、ドクン、ドクンと、脈打っている。
「……は、……ぁ、……っ……」
ダリアンは、その汗で濡れた黒髪をかき分け、彼女のうなじに顔を埋めた。
そして、そこに、自分の所有物だと刻み付けるように、再び、強く、歯を立てた。
「——ひっ……!?♡」
向日葵の体が、痛みとも快感ともつかない刺激に、ビクリと跳ねる。
「……逃がさないと、言ったはずだ」
ダリアンは、その言葉を証明するように、彼女の内側で、まだ熱を失わない自身を、**ねちっこく**、ぐり、と、奥で捻じ込んだ。
「あ……あぅ……っ♡♡」
彼女の内壁が、その動きに反応し、彼の熱を、きゅ、と締め付ける。
「……お前の『内側』は、もう、完全に俺の形だ」
ダリアンは、その感触を、名残惜しそうに、しかし、執拗に味わいながら、ゆっくりと、その身を引き抜き始めた。
だが、それは解放ではなかった。
インチ単位で、ゆっくりと。
彼女の内壁が、名残惜しそうに、彼の熱い欲望を、吸い付くように、追いかけてくる。
「ん、……っ!♡ く、……ぁ、……!♡♡」
その度に、向日葵の体は、快感の残滓(ざんし)に、ビクン、ビクンと痙攣する。
「……いい子だ。……離すな」
ダリアンは、その反応を楽しみながら、彼女の耳元で、囁く。
あと数ミリで、全てが引き抜かれる、その寸前。
向日葵が、その「喪失」に、安堵と、ほんのわずかな寂しさを感じた、その瞬間。
「——甘いな」
ダリアンは、その言葉と共に、一切の躊躇なく、その身の全てを、再び、彼女の一番奥深くへと、叩き込んだ。
「——っっ!!!!♡♡♡」
向日葵の体が、硬直する。
声にならない喘ぎが、喉の奥で、ひ、と詰まった。
「あ、……ぁ、……う、……っ♡♡」
「……お前が『もういい』と言おうが、……お前の『体』が、俺を、まだ、欲しがっている」
ダリアンは、彼女の体を、今度は、まるで人形のように、抱え起こした。
「え……?♡」
彼女の足は、もう、シーツにさえ着いていない。
彼は、彼女を、自分に、対面するように抱きかかえたまま、自らの腰に、深く座らせる。
彼女の足が、彼の腰に、だらりと絡みついた。
「ひ……っ♡ あ、……!♡♡」
さっきよりも、深く、重く、彼の全てが、彼女の「内側」を、満たしている。
「……今度は、お前の『重さ』で、俺を、感じろ」
ダリアンは、彼女の腰を掴み、その小さな体を、自らの硬い欲望の上で、ゆっくりと、上下させ始めた。
彼女の体重が、かかる度に、彼の熱が、彼女の一番奥を、ぐ、ぐ、と抉る。
「あ、……ぁん、……っ♡ あ、……っ♡」
「……そうだ。……もっと、だ。……お前が、俺を、使い果たしてみろ」
「む、……むり……っ♡ だりあん、が……こわ、……れる……っ♡」
「……フン」
ダリアンは、その言葉を、鼻で笑った。
「……俺の『盾』は、そんなに、脆く見えたか?」
彼は、その言葉を最後に、今度は、下から、激しく、彼女の内側を、突き上げ始めた。
「あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
抱きかかえられたまま、逃げ場のない体勢で、向日葵の体は、激しい衝動に、揺さぶられる。
「……第三ラウンドだ。……お前が、今夜、俺以外の『名前』を、思い出せなくなるまで、止めてやるつもりはない」
夜は、まだ、明ける気配すらなかった。
「あ“あ“あ“あ“ーーーッ!!♡♡♡」
向日葵の体はダリアンの腕の中で激しく揺さぶられる。
逃げ場はない。
彼の硬い欲望が彼女の一番奥を容赦なく何度も穿(うが)つ。
「ひ、……っ♡ あ、……ぅ、……!♡ だ、……だりあ……っ♡」
彼女はもう彼の名を呼ぶことしかできない。
「……そうだ」
ダリアンは彼女の耳元で低く囁く。
「……俺だけを感じろ。……お前が俺を『感情』で鈍らせたせいだ」
彼は彼女を抱えたままベッドのヘッドボードに押し付けた。
「きゃっ……!♡」
冷たく硬い木材が彼女の背中に当たる。
彼の体温が前から彼女を焼く。
「……ここでも、お前は俺から逃げられない」
ダリアンは彼女の腰を掴み固定すると**ねちっこく**奥の奥を抉(えぐ)るように突き始めた。
「あ、……ぁん、……っ♡ そこ、……だめ、……っ♡ さっき、……!♡」
「……ああ。……ここだ」
彼は彼女が最も感じる場所を正確に知っていた。
彼はその一点だけを執拗(しつよう)に**ねちっこく**攻め立てる。
「い、……いく……っ!♡ また、……こわれる……っ♡ ああああんっ!♡♡」
向日葵の体が四度目の絶頂に達し激しく痙攣する。
ダリアンは止まらない。
彼は彼女の絶頂の最中に構わず腰を打ち付けた。
「——っっ!!!!♡♡」
「……何度でも、果てろ。……俺の『盾』が、全て受け止める」
ダリアンは彼女の痙攣する内側で自らの衝動をさらに高めていく。
彼は彼女が快感の余韻でぐったりするのを待たずその体を再びベッドに投げ出した。
「あ……ぅ……♡」
今度は彼女の手首を掴みシーツに縫い付ける。
「……まだ、お前は俺を『見』足りないだろう」
彼は彼女の目の前で自分の腰を激しく動かし始めた。
「ひ、……っ♡ あ、……ん、……っ♡ だ、……だりあん、……み、……みてる……っ♡」
「……ああ。……見ろ」
「……お前を、こんな風にしている男の顔を、焼き付けろ」
ダリアンの金色の瞳が欲望に濁り彼女を射抜く。
彼は彼女が自分だけを見ていることを確認するとついに最後の衝動を解き放った。
「——っっ!!!!」
ダリアンは彼女の内側に三度目の熱を叩きつける。
彼はそのまま彼女の上に崩れ落ちた。
まだ、己を抜かないまま。
「……はぁ、……はぁ……」
荒い息だけが部屋に響く。
向日葵はもう意識を保つのもやっとだった。
ダリアンは彼女の耳元で、掠れた声で、しかしはっきりと告げた。
「……言ったはずだ。……今夜は、終わらせない」
「……お前の『体』が、俺の『名前』以外、何も考えられなくなるまで」
彼はそう言うと疲弊しきった彼女の内側で再び硬さを取り戻し始めた自身をゆっくりと動かし始めた。
「ひ……っ♡ う、……うそ……♡」
「……夜明けまで、まだ、時間がある」
夜はまだ明けない。彼が満足するまで。