ずっと君と

船医主。not地球人。



「……あれ」

治療薬の注文用のタブレットの調子がおかしい。
機械音痴ながら、使い方はマスターしたはずなんだけれど……。

いつもの様にメインルームでオリオン号の操縦席に着いて仕事をしていたラプターに聞いてみた。

「ラプター、タブレットの調子が悪いみたいなのだけれど……」

「えぇっナマエのも?! 実は、私が使っているのも調子が悪くて……今原因を調べてはいるのですが……」

「そう……困ったな、昨日の戦闘でかなり薬を消費したから注文したかったんだけれど……」

「それは大変です……!」

そうだ!とぱちんと両手を合わせて、ラプターは誰かにセイザブラスターで通信を繋いでいた。


数分後にやってきたのは小太郎だった。

「おまたせラプター、ナマエさん」

「はい! それではナマエをよろしくお願いしますね!」

「まかせて!」

「……え?」

ラプターにメモ用紙?とチキュウのお金が入った可愛らしい(ラプターのもの?)コインケースを受け取り、小太郎に手を引かれそのまま小太郎のボイジャーに乗せてもらった。

「えっと、小太郎、どこへ行くの?」

「どこって……チキュウ?」

聞けば、ラプターに「ナマエと一緒に治療薬の買い出しをして欲しい」と頼まれたらしい。
全く、突然連れ出されて何事かと思ったわよ。

「ナマエさん、昨日大変だったでしょ? だからラプターが息抜きも兼ねてって」

「そっか……」




どらっぐすとあ という所に連れて行ってもらい、不足していた治療薬を買った。

「ごめんね、持ってもらっちゃって」

いーの!これくらいさせてよねと笑う小太郎。
頼らせたいお年頃なのだろうか、子供に荷物持ちをさせるのは少し気の毒だけれど、有難くお言葉に甘えることにした。

「ナマエさん、どこ行きたい?」

「どこって言われてもなぁ……チキュウはまだ知らないものだらけだし……」

「じゃあ! 俺のオススメの場所、行ってもいい?」

もちろん、と了承すると、やった! ありがとう! と満面の笑みで見つめられる。

「こっち!」

荷物を持っていない方で繋がれた手は、やっぱり年相応の子供体温で暖かかった。


連れて来られた先は、何だか賑やかな所だった。

「ここは?」

「遊園地だよ」

「ゆーえんち?」

丸い宇宙船のようなものがくるくる回っているものや、大きなティーカップもある。
どれも自分が生まれ育った星にはないものばかりだった。

「凄いところね!」

でしょ? と言いながら小太郎はラプターから受け取ったメモ用紙?をここで働いているであろうお姉さんに渡していた。
あれはメモ用紙じゃなくて、ゆーえんちに入るためのチケットだったらしい。

「本当はたくさんここで遊んでから帰りたいんだけど、みんなが心配するからね……1個だけ!」

あれに乗りたいんだ。 と指さしたのは、先程言った丸い宇宙船のようなものがくるくる回っているものだった。
かんらんしゃ、と言って、景色を楽しむものらしい。

そして私達の順番が来て乗りこんだ。
てっぺんに近付くに連れて、景色がどんどん綺麗に見えていく。
夜だともっと綺麗なんだって。
その間、これからのキュウレンジャーのこと、小太郎の将来の夢を話していたら案外すぐに終わってしまった。


「……ねぇ、小太郎」

「なに?」

「とっても楽しかったよ。 今この瞬間がずっと続けば良いのに、ってくらい」

「大袈裟だなあ」

「本心だよ」

「……ナマエさん」

「なぁに?」

「ジャークマターとの戦いが全部終わったらさ、俺と」

「うん」

「……おれ、と…………」

「うん?」

「…………また! ここに来て、観覧車乗ろうね!」

今度は夜に! と付け足して、にへらと笑った。

「ええ、約束よ?」

私もつられて笑い、小太郎と指切りをした。


(今度は皆で来ても楽しそうね!)

(えっ!?)

(ふふ、冗談よ)


//2019.11.17