慈愛に満ちて


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PCの画面をじぃーっと、長い間同じ体制眺めていた。画面の光による目の痛さにも、自分から出る唸りにも気づかないくらいにPCに並ぶ文字に気を取られていた。だから、




『……うーん、』


「……何見てるんですか?」

『、わっ、!剣持先輩……!?』



後ろから剣持先輩が近づいてきてる事にも全く気づいていなかった。


「剣持ですよ。そんな驚きます?」

ずっと唸ってましたけど、何かありました?あ、隣座っても?と、急にいくつもの質問を投げかけられて、さっき声をかけられた時に自分の世界から帰ってきた脳が混乱しそうになりながら慌てて返事をする。


『ど、うぞ。……なにがあったってわけじゃないんですけど……』

「見ても?」

『あ、はい、面白いものでもないですけど……』


「別に面白いものを求めてるわけじゃないですよ僕。……不破澄ですか。」

『はい、ちょっとだけみんなの意見見たくて……』


こういうネット上の流れの早いコンテンツで、私をずっと応援して見てくれているリスナーさんに感謝を忘れないと活動を始めた当初からそう決めている。だからこの間生まれたばかりの不破澄についてどう思っているのか、みんなの呟きを見ていた。


「ちょっと、と言うにはだいぶ考えていましたけどね。……そうですねぇ、不破澄かぁ……」

『……?』


「澄晴さん、前に2人でご飯行った時にまあ色々話してたじゃないですか、あれ不破さんの話だったんでしょう?」


『ぁ、そうですね、話しました』


「僕めちゃくちゃびっくりしたんですよ、その人が不破さんだって知った時に。でも同時に納得しました。確かに澄晴さんは一切関わることの無い人種だなと」


『そう、ですね……私もびっくりしてます』


まさか自分がホストと仲良くなるなんて思ってもいなかった。まあ、湊くんのホストらしい所を見たことがないけど。


「いやあなたの事ですよ。それで、何に唸ってたんですか?……否定的な意見とかなら、精神衛生上見ないことをオススメしますけど」






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