AKUMAについて










「話をまとめると、レベル1は宙に浮く球体。レベル2に関しては色々な身体や形をしてます。レベル3はほとんど外見は似ているので、すぐに分かると思います。レベル4は羽が生えた子供みたいな外見です。この特徴でレベルを見極めて下さい」

『はい』

「あ、あとさっき言ったダークマターについてさ。まぁ、アデラが寄生型よりだから教えておく事だが…」

「寄生型は一応ダークマターを身体に打ち込まれても死にはしません」
『えッ!?』

打ち込まれても平気って……毒を打ち込まれて人間としてはおかしな話であって…何故?



「寄生型は装備型と違い、体内にイノセンスを宿しているのです。そのイノセンスが、ダークマターを浄化するという事です」

「一気に大量に浴びたらどうなるか分かりませんがね」

アレンさんは苦笑して言った。私もダークマターを打ち込まれても平気…って事?もしそうなら…

もしもの時は…皆の身代わりに…なれるのかな









「グラシアナ」
『ぁッ…はい。何ですか?』

「…いえ」

振り向き、何故呼び掛けられたのか分からずに首を傾げたアデラに何か言いたげにしたが、リンクは顔を逸らした






「まぁ、いざとなればクロちゃんがいるさ。クロちゃんは入ってすぐならダークマターを吸い出せるみたいだからな。俺もそれで助かったし」

『な…なるほど。吸血鬼らしいですね』

「これで一応明日に備えてっていうのは終わりか?」
「そうですね。では、本題のイノセンスを発動してみましょう」

イノセンスの発動。これが成功しなければ、明日の任務で皆のお荷物になってしまう

何としても発動しなきゃ…








◇◇◇ ◇◇◇






「発動…しねェな」
「うーん…やっぱり最初は難しいですよね」

あれから1時間は経った。どんなにイメージしても、どんなに身体に力を込めても……全く発動出来ない。息だけがあがる。周りで皆がアドバイスをしてくれているけど、変化はない

どうしよう…
みんな怒ってるかな…
呆れてるかな…




『ごッ…ごめんなさい…!皆さんこんなにアドバイスして下さってるのにッ…』

「大丈夫よ、アデラ。イノセンスはまだ分かってない事が多いんだから。私達だってどうやって発動するのかはっきりしてないもの」
「今でなくても、必ず発動するさね。アデラの中にイノセンスがあるのは間違ねェんだから」

2人が落ち込んでいるアデラを励ましている中、アレンとリンクは腕を組んで難しい表情をしていた








「まずいですね…今イノセンスが発動出来ないと明日の任務でいざって時にアデラを守るモノがありませんよ」
「そうですね。AKUMAの数がどれほどいるかも分かりませんし」

事実、明日の任務はそもそもAKUMAがいるかも定かでない任務。最近AKUMAの仕業であろう人間の変死体が妙に多い地域がある事から、これ以上事を大きくしない為にAKUMAを見つけ次第始末する内容の任務

AKUMAがいなければ問題ないけれど、問題はいた時だ






「まぁ…AKUMAがいないのに越した事はありませんけど、もし予想以上に多かったりでもしたら…しかも、変死体の量から考えてもレベル3のアクマが多い確率の方が高いんじゃないですかね」

アレンが困った様に言うけれど、腕を組んだまま黙っているリンク



「リンク…聞いてます?」
「衛羽なら、彼女を一時的にAKUMAから守れます」

リンクは懐から1枚護符を出しながら言った。それにアレンはそうか、と思い付いた様に手を叩いた

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