出逢い









以前に七武海であるミホークから貰った黒刀を背中に担ぎながら、愛用の赤いストライカーに飛び乗った



『距離的にはそんなないか』

クロムは身体から炎を噴き出させると、それを原動力にストライカーにエンジンがかかった。正常にかかった事を確認し、海軍の所までストライカーを飛ばした







◇◇◇ ◇◇◇







「俺と同じ炎…!?」

男達の声援に包まれて、女は海軍に向かって行った
俺と同じ炎。正直驚いて女の後ろ姿に見入ってしまった

あいつも…メラメラの実を…!?
いや…同じ実が2つもあるものなのか…?

女の姿を唖然と見つめた。何なんだ、あの女…





「良く見てるといいよぃ」
「あいつの戦ってる所は、格好いいんだぜ?」
「て、てめェらッ…」

不意に隣にやって来たのは、マルコとかいう奴とサッチだった




「あいつも…能力者なのか?」

「能力者だが、他の能力者とは違うぜ?」

「どういう意味だよ」

「あいつは悪魔の実なんか食べてねェよぃ。元々の力だ」

元々の能力?そんな事あり得るのかよ…
あの女については疑問に思う事がたくさんあると改めてエースは思った




「もっと分かりやすく言ッ…」
「お、そろそろ始まるぞ?」

指を指したサッチに訝しそうな顔をしながらも、クルー達が見つめている女の方へ目を向けた





「零番隊隊長が来たぞぉおッ!」
「首を打ち取れぇええッ!」

ストライカーのエンジン越しでも分かるぐらいに聞こえてくる海軍達の意気込んだ叫び。近くに来る程、その叫びがキンキン耳に響いてくる





『首取りてぇなら、全力でかかって来いよ海軍共!まぁ、お前らなんかに取られねぇけどなぁ!』

頬に挑む様な笑みを浮かばせながら叫び、海軍を挑発する。クロムは海軍達のどよめいた様子にさも愉快そうに嘲笑った





「海軍を嘗めるな!ハーツ・クロム!」
「挑発に乗るなぁ!冷静に対処しろぉ!」

リーダーだろう男が頭上高く刀を掲げると、周りの海軍達も刀を掲げた




『威勢だけは良いんだなぁ!遠慮なんてしねぇぞぉッ!』

クロムは口角を釣り上げ、同時に担いでいた黒刀を頭上で構えた。すると、風がクロムを包み込み、一瞬にして消えたと思えば風と共に軍艦の中央に着地した




「いッ…いつの間に甲板に!?」
「クソッ!容易に侵入を許してしまった!」
『キーキーうるせぇな、海兵共』

クロムは黒刀を海軍に向け、冷たく言葉を発した



『覚悟は出来てんだろうな』

さっきの無邪気な顔と一変。情味にない顔つきになった。その瞳は澄んだ深紅。冷たく笑うその姿に海軍の隊員達は息を呑んだ



『船もろ共、丸焦げにしてやるよ』

身体から真っ赤な炎を噴き出させ、クロムは足を床にめり込む程に強く踏み出した


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