「そっち行ったぞ光彦ー!!」
「オーライオーライ!!」
「歩美ちゃん!!」
「一体どうしてこうなった…」
* * * * * *
今日、蘭は部活で園子は家の用事。
そのため今日は1人で帰宅。
特に用事もないため部屋の掃除でもしようかと考えながら歩いていると聞き覚えのある声に呼びとめられた。
「真昼姉ちゃんだよね?」
『ん?あぁ、コナン君だっけ?今帰り?』
振りかえったが誰もいないので目線を下げるとコナン君がいた。
声をかけられるなんて思いもしなかったからびっくりする。
「うん。今日は1人なの?」
『うん。蘭は部活で園子は家の用事だって言ってたからね』
「そうなんだ」
他愛もない話をしていると私のことを疑問に思ったのか、女の子が私のことを聞いてきた。
「ねぇ、コナン君そのお姉さんは?」
「あぁ、蘭姉ちゃん達のクラスに転校してきた…」
『柊真昼です。よろしくね?』
「うん!!私は吉田歩美!!」
「俺は小嶋元太!!」
「僕は円谷光彦です!!」
みんな元気だなぁ。
ボンゴレのおチビたちも元気だろうか?
まぁあの子らはちょっと元気すぎる気もするがな。
まだ名乗っていない子がいるのに気づいて名前を聞いてみた。
『君は?』
私が話しかけると少しびくっとして灰原哀とだけつぶやき目をそらした。
うん、まぁ知ってるけど。
きっとコナン君から私の事聞いたんだろうね、めっちゃ警戒してるし。
私が歩美ちゃん達と話しているとコナン君とこちらを窺うような視線を送ってくる。
気づいてないとでも思っているようだ。
とりあえず今は普通の女子高生を演じよう。
「なぁ、姉ちゃんもこれから一緒に公園行こうぜ!!」
「ナイスアイディアです、元太君!!」
「うん!!行こう?真昼お姉さん!!」
なぜそうなる……!?
断ろうと思ったがきらきらした目で見られると断りにくい。
『(畜生…アホ牛を見ていたせいかこの子らがかわいく見える…)…えーっと、特に用事もないからいいけど…』
「やったぁ!!行こう行こう!!」
「サッカーやろうぜ、サッカー!!」
うまいこと乗せられた気がする…
結局、子供3人+コナン君はサッカーをやっている。
私はスカートだからとベンチに座っている。
そしてとなりには灰原哀がいる。
『君はサッカーしないの?』
「えぇ。今は本読みたい気分だから」
『そっか』
会話が続かない…
まぁ無理して話す必要もないし、私子供苦手だし。
子供じゃないけど……
ボーっと子供たちを眺めていたらスマホが着信を知らせてきた。
『(アクアマリンか)…ちょっとごめんね』
そう言って彼女から離れ、電話を取る。
『私だ。なにかあったのか?』
「先日の調査の結果が出たので報告しようと思いまして。都合がよろしければアウイナイトがお迎えに上がりますが、どういたしますか?」
『あぁ、大丈夫だ。人気のないとこ探して歩いとくから拾ってくれと伝えて』
「かしこまりました。では後ほど」
『あぁ』
電話を切り目線をベンチにやると、疲れたのか子供たちが集まっていた。
歩美ちゃんが気になったのか、声をかけてきた。
「お姉さん、どうしたの?」
『ちょっとね。ごめんね、用事が出来たから帰るね。みんなも遅くならないように帰るんだよ?』
「うん!!またね、お姉さん!!」
「また遊ぼうぜ!!」
「さようなら!!」
『うん、またね』
愛想良く振りかえり手を振り、公園を後にする。
少し歩いたところで後ろから車が近づく気配がして振りかえると…今度はシボレーに乗ったアウイナイトがいた。
『…突っ込むのも嫌になってきた』
「お疲れ様です、瑞希様」
『あぁ、手間をかけさせたね』
「いえ、とんでもありません。では、出発します」
『あぁ』
彼の運転は心地よく、少しうとうとしてしまった。
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