久々の休日!!
ここのところ、事件やら書類整理やらでゆっくりできていなかった。
漸く自宅でアダムとイヴとのんびり出来ると、2匹を撫でながらその事実を噛み締めていた。

2匹をお風呂にいれたり料理したりしようと意気込んでいれば、そんな私を嘲笑うかのように、スマホが着信音を響かせた。

電源を切ってしまおうかとも思ったが、表示されてる名前を見て気付けば応答マークを右にスワイプしていた。



『もしもし……』

「--おはよう、真昼」

『おはようございます。こんな時間にどうしたんですか?』

「--へぇ……用がなければ連絡してくるなと?」

『そういう訳じゃないですけど……』


なんだろう、いつにもまして言葉に棘があるというか……



「--8時頃迎えにいくから準備していてくれ」

『私の都合は………』

「--何かあるのか?」

『………ないですけど』

「--なら問題ないだろう」

『分かりました。待ってます』


そう言うとブチッと音が聞こえる勢いで通話が終了した。



『え、本当になんか怒ってるの……?』


私の困惑などお構いなしに指定された時間は刻々と迫ってくる。
そもそも、8時って早すぎない?と本人に聞かれないのをいいことに愚痴る。

軽く部屋の掃除をし、身支度を整える。
服は………動きやすさ重視。
何処に連れていかれるか分かったもんじゃないから……

とりあえず、紅桜鬼をつけていても浮かない程度に纏めたところで時間がきた。
慌てて部屋を飛び出して下へ向かうと、既に白のRX-7が止まっていた。
車に近付くと助手席の窓が開けられ、降谷さんに声をかけられる。



「とりあえず乗ってくれ」

『はい、お邪魔します……』


私が車に乗り込むと降谷さんは何も言わずに車を発進させる。
ただ米花町を徘徊しているだけで、特に目的地は無さそうだ。

そうなると、ますます呼び出された理由が分からない。
それに、機嫌も悪そう………



「………真昼」

『は、はい!』

「なに緊張してるんだ?」

『シテナイデス』


急ににこやかになった降谷さんについていけず、思わず片言になる。
キャラが降谷さんと安室さんの間でフラフラしてるんだけど……



「俺が怒っていると思っているのか」

『いや……はい』

「フッ…どっちだよ」

『正直に言った方がいいと思いまして……』

「まぁ、あまりいい気分ではなかったのは確かだな」


ですよねーと口には出さずに心の中で同意する。
何も言わずに先に電話を切るなんて今まで無かったから気付いたっていうのもあるんだけど……
でも、結局何が気に入らなかったのかが分からない。

よし、女は度胸だ。



『何か、怒らせるようなことしましたか?』

「いいや、何も」

『何もってことは無いんじゃ……』

「していない」


頑なに何もしていないと言い張る降谷さん。
それを見て何も言えなくなって黙る。

沈黙が続く中、今度は降谷さんが話し出した。




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