私は今玄関で降谷さんに、頭を撫でられてる。
何故こうなったのか……アダムとイヴ、降谷さんに飛び付いたのにアダムとイヴはいつの間にかいなくなってるし………
最終的に私が降谷さんに抱きついたみたいになってしまった。



『…………離して下さい』

「真昼から飛び付いてきたんだろう?このまま離すのは惜しいな」

『ぎゃっ』

「ふはっ!!」


惜しいなといいながら羽交い締めよろしく抱き締められ、悲鳴をあげる。
その悲鳴を聞いた降谷さんは吹き出し、笑い続けている。



『笑いすぎです』

「わるいわるい」

『謝る気無いですよね』

「そう不機嫌になるなって」


私を離し立ち上がった降谷さんは、私も立ち上がらせてくれた。
そして、いまだにクスクス笑ってる降谷さんの目を見る。



『お店でも思ったんですけど……それってわざとですか?』

「何がだ?」

『甘いというか優しげというか……そんな目をしてるので』


目は口ほどにものをいうと言うから、演技力があるならそういったものもお手の物かと思ったのだ。
降谷さんの綺麗な蒼い瞳に手をそえて回答を待つが、中々答えてくれない。

不思議に思い首をかしげたところで、降谷さんが片手で顔を覆って視線を反らした。



「…………そんなに分かりやすかったか?」

『演技じゃないんですか』

「そんなわけないだろう」

『そうですか………』


つまり、私に向けていた甘いような優しいような眼差しは演技でもなんでもなく、本心からということに………



『今日の降谷さんの言動で私のHPはほぼ0です』

「俺はもう0だ」

『何なんですか……こんなバカップルみたいな頭の悪そうな会話……やめやめ、それより部屋に入りましょう』

「そうだな。買った物も冷蔵庫に入れないと」


正気に戻り、そそくさと靴を脱いで部屋の中へ急ぐ。
リビングでは既にアダムとイヴが寛いでいて、いつもの光景に見える。

でも、いつもと違うことが1つ。
キッチンに私の他に降谷さんが立って、昼食の準備をしていること。



「やっぱり、料理するんだな」

『……疑ってたんですね』

「…………」

『無言は肯定と取ります。もうロールキャベツの作り方教えてあげません。てか、教わるほどのものでも無いですよね?』


そりゃ料理するような柄じゃないことは分かっているが、そこまであからさまに疑わなくてもいいのに。
なんか面白くなくて、さっさと冷蔵庫に食品を入れてキッチンを出る。
まぁキッチンを出たところで、家はLDKだから姿は見えるんだけど。

昼食までアダムとイヴと戯れていようと考えたところで、後ろから降谷さんに抱き締められた。





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