「う"ぉぉい!!久しいな瑞希!!」

「しししっ王子に会えて嬉しいだろ?」

『久しぶりって、たかが数ヵ月でしょ。でもとりあえず、スクアーロ煩い。声のボリューム考えて』



日本に来て初の暗殺部隊との任務がやってきた。
アダムとイヴに埋もれて至福の時間を過ごしているときに2人がいきなり"柊真昼"の自宅に押し掛けてきて突然の任務を持ってきやがった。


『なんで家を知ってんだか』

「だって俺王子だもん」


久々に聞いたわそのセリフ腹立つな。
しかも答えになってねーし。

「沢田綱吉に聞いたんだぁ。にしてもそいつらどうやって連れてきたんだぁ?匣入らねぇんだろ?」

『綱吉かよくそが。そりゃもちろんボンゴレのお力添えによるものよ』

「……そうか。まぁそれより任務だぁ。最近目に余る行動をするファミリーがいるんでな。殲滅しろってクソボスが」

『それよりってそっちが聞いてきたんじゃん……で、ザンザス元気なの?』

「相変わらず肉と酒しか口にしねぇがな」

「あとスクアーロはよくグラス投げられてるよな」

あぁ、あれは相変わらず健在なんだ。
そしてスクアーロは何故避けれないのか
いや、避けなのか?



「うっせぇぞ!!さっさと行くぞぉ」

お前の声の方がうるせぇよと思いつつ敵アジトに足を進める。







真昼の家からさほど離れていないところに敵アジトがあることに驚いたが、大して脅威でもなかった。

『思ったより早く終わったね』

「ししっ。瑞希がいるからな」

『褒めてくれるなんて珍しいね?王子様』

なんてふざけて言ったつもりだがベルは嬉しそうに笑う。


「片付けは下っ端にやらせとけぇ」

「しししっじゃぁ王子今日は瑞希の家にとーまろ」



今何を言ったか?この堕王子。

『…おい』

「いい案だ。ここからアジトに戻るのも面倒だしなぁ」

おいこらくそロン毛。
お前こそなに乗ってんだよ。
いつもいがみ合ってる者どもが。

「瑞希早くしろぉ」

『(拒否権はないわけね…)はいはい。今行きますよ』






「そういやお前、今高校生やってんだってなぁ」

「王子もその話聞いた」

『誰だよ、人の任務内容ペラペラしゃべってる奴は…』

「「沢田綱吉」」

…もう何も言うまい。



その後も暫く話していたが、夜遅く任務があったせいか彼らも私もすぐに眠りについた。







『すぐ帰るなんて案外落ち着きないな』


翌朝あっさり空港に向かう彼らに少し驚いた。


「最近同盟を組んでねぇファミリーの動きが気になるからなぁ。あまり長く本部を空けるわけにはいかねぇ」

「そんなさみしがるなよ、瑞希」

『さみしくねぇわ』

こいつは誰に向かって言ってんだか。



「まぁお前もたまにはこっち来いよぉ。お前がザンザスに会ってくれりゃくそボスの機嫌もましになるだろうからなぁ」

『…なんで私が会いに行ったら機嫌良くなんのよ。まぁ学校が休みになれば時間もできるかもね』








「…なぁ、やっぱ瑞希って鈍感だよな?」
「あぁ、気づいてねぇのは本人だけだな。さすがにくそボスに同情するぜぇ」



なんかこそこそ話しだした。
お前ら仲いいなら普段からそうしてろよ。

『まぁ気が向いたら会いに行くよ。で、飛行機の時間大丈夫なの?』

「あぁ、ヴァリアーの専用ジェットできたから時間は問題ねぇ」

『…そっすか』


やっぱボンゴレってすごいなと再認識させられた。
そして彼らは金と権力の塊に乗ってイタリアに帰って行った。







部屋に戻った私は蘭と園子からの大量のメールと着信履歴によって、その日が月曜日だと気付いた。





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