「季節外れのハロウィンパーティー?」
「そうなの。差出人は誰か分からないんだけど……売られたケンカは買うのが江戸っ子だっていって」
『なんか怪しい気もするけど……大丈夫なの?』
学校からの帰り道、いつものように3人並んで帰っていれば蘭がそんなことを言い出した。
漸く、物語が動くときが来たって感じだな。
うん、少しというかだいぶ楽しみ。
「お父さんは行く気満々だしね…参加者は仮装しなきゃいけないって書いてあったかなぁ」
「面白そうじゃない!!おじさまの仮装はこの園子様に任せなさい!!」
『あ、私も見たい。あと、蘭のお父さんに会ったことないし』
「そう言えばそうね。じゃぁ今日うちに来る?パーティー明日なのよ」
蘭の誘いに2人で頷き、5丁目にある毛利探偵事務所に向かった。
* * * * * *
『初めまして、柊真昼です』
「…どうも、名探偵の毛利小五郎です」
「………何やってるのお父さん」
事務所に入って、窓際の机ではなくソファに座る彼に挨拶をすれば緩んだネクタイやらなんやらをシャキッとさせて名乗る。
ここまでなら蘭も何も言わなかったんだろうが、あろうことか手を握ってきたのだ。
これって、美女にする行動じゃなかったっけ?なんて考えていると、蘭の咎めるような声が聞こえたのだ。
………とりあえずご機嫌とっとく?
『素敵なおじさまですね』
そうにっこり笑って言えば、ノックアウト寸前まで追い込めたようだ。
「やるわね。老若男女問わず手玉にとる女、真昼」
おいこら園子、聞こえてるぞと言わんばかりに視線を向ければ、笑顔で手を振られた。
老若男女て、まだおじさまにしか使ってないし。
「おじさま、呆けてないで、明日のメイクの準備するわよ!!」
結構ノリノリな園子に引きずられるように、メイクされていく。
イマイチ…って言う表情をしたかと思えば、怒ったり………
まぁ目が顔面に大量発生していれば吃驚するだろうが。
「そぉーだ!!真昼も一緒に行こうよ。どうせ蘭は…」
「行くわけないじゃない!!そんな化け物のパーティーなんかに!!」
『………なるほど。でも私も行かない』
「えー楽しそうじゃない?」
『……………お化けが出そうな船になんか乗りたくない』
「あ、そう……」
何故か未だにお化けが苦手、というか嫌い。
まぁいくつになっても怖いものは怖いか。
そもそも、港だっけ?そこに行かなきゃいけないんだよ。
場所はよーわからんから、久々に蝶を使うか。
確か2時間前辺りにジョディに扮したベルモットが来るはずだから分かるだろう。
それに、明日そんな大きな事があるならFBIは既に行動は起こしているはず。
ならば………とすぐに大量の蝶を放つ。
気にしなければ見えないし、見えても普通の蝶に見えるだろう。
まぁ赤と黒だからちょっと不気味に感じるが……
園子とおじさまの様子を見るのもそこそこに、窓の外へ視線を向ける。
ゆらゆらと飛ぶ蝶を眺めながら、頭の中は明日の事で一杯になっていた。
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