コナン君の目が覚めたことに気付き、私も体を起こす。
まだ寝惚けているようで、目をゴシゴシ擦っている。
『おはよう。よく眠れた?』
「………いつ眠ったんだ」
『話してる途中』
「……悪かったな」
私が足元で寝ていたことも昨夜のことも含めて謝っていると感じた。
『子供がそんなこと気にしなくていいのよ。さぁ、朝ご飯にしよう?顔洗っておいで』
「あぁ………あのさ、真昼さん」
『どうしたの?』
「……また来てもいいか?灰原も一緒に」
『もちろん。後で私の番号教えるわ』
「サンキュー」
哀ちゃんにもってことはそれなりに信用してくれたってことでいいのかな。
素の彼女に接触できたらシトリンにも知らせてあげよう。
元気に生活できているか気にしてたし。
「じゃぁ真昼、また学校でね?」
「楽しかったわ!!お邪魔しました」
「真昼姉ちゃん、またね」
『私も楽しかった。じゃぁまたね』
朝食後、掃除を済ませたあと彼女たちは帰っていった。
まぁ学校もあるし、いつでも会えるんだけどね。
* * * * * *
真昼さんの家からそのまま博士の家にやってきた。
「よぉ、灰原」
「あら、どうしたのよ。例の彼女の家にお泊まりじゃなかったの?」
「あぁ、それは昨日だったんだよ。で、彼女のことだが……俺の正体を知っていた」
「…っどういうこと!?」
「落ち着けって………彼女は多分大丈夫だ」
「そう言うってことは、彼女の正体が分かったのかしら?」
「……あ」
「貴方ね………」
あんなことを言われてすっかり忘れていた。
結局彼女が味方かどうかもはっきりと答えを貰えないままだ。
その事に関しては次訪ねたときにでも聞くとして。
「まぁ、彼女がいつでも来ていいって言ってたからな。今度行こうぜ」
「態度が180度変わってるように感じるんだけど」
「彼女に会えばお前もわかるさ」
「なによそれ、腹立つ言い方ね」
「お前だって彼女には何もないって言ってたじゃねーか」
「それはそうだけど………」
疑うのも無理ない。
俺の正体を知っていたというだけでも随分怪しく感じるだろう。
でも、彼女の腕の温もりに偽りはなかったはずだ。
いつの間にか眠ってしまっていたようだしな。
蘭とはまた違った温かさがあった。
灰原の心も少しは癒えてくれるだろうか。
そうであればいいなと、キッチンに立つ彼女を見て心からそう思った。
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