結局あの騒動は幼馴染みがイジメによって殺されたと思い込み、その犯人をあぶり出そうと思って起こしたものらしい。
全く高校生にもなって……体育倉庫に机が置かれてただけでイジメと思い込むのもどうかと思う。
それに、数美先輩も世古先輩が幼馴染みって知ったんなら、休み時間にでもクラスに行けば会えただろうに……何でわざわざ放課後に体育倉庫に行ったんだか。
まぁ人それぞれに都合ってものがあったんだろう。
事件なんて、突発的に起きたもののように見えるが実際はそれに至るまでの過程が存在する。
だから起きるべくして起きたんだと思う。
ただのストレス発散のためか、愛する人をなくした悲しみ故か、秘密を守るためか、それとも………仕事のためか。
どんなものが理由となるか分からないが、きっとどれもに当てはまるのは自己満足だろう。
工藤新一とその周りの人物は、例え大切な人の命が理不尽に奪われたとしても、きっと手を出さず法的に裁かれることを望むだろう。
そして、それもきっと自己満足なのだ。
あの人はそんな事は望んでいないだろうから、なんて……そんなのは本人にしか分からない。
ただ、残された人間が生きていく気力を取り戻すのに必要なことなんだ。
「真昼、どうしたの?いつにも増してボーッとして」
『いつもボーッとしてるように言わないでよ……事実だけど』
「自覚あるんじゃない」
帰り道、雲のせいで星が見えない空を見上げていれば、そんなことを言われた。
まぁ確かに何かを考えるってあまり得意ではない。
必要に駆られた時は頭を使うけど………
だから、車道側から声をかけられたときは驚きを隠せなかった。
「真昼!」
『!?な、なんでここに……』
「お前スマホ鳴らしても全然出ないから、迎えに来た」
「ちょっ、真昼!!誰よあのイケメン!」
「園子、いきなりは失礼よ!」
「君達は真昼の友達?」
「「は、はいっ!!」」
いや、なんで蘭までそんな反応?
ほら、コナン君が面白くない顔してるよ。
思わず肩をポンと叩けば、アイツは誰だって目をしてきた。
「で、真昼あのイケメンとはどんな関係!?」
「まさか彼氏!?」
『んな訳ないでしょ……私の兄よ』
「うっそ!あんたイケメンじゃないって言ってたじゃない!」
『兄をイケメンて普通言わない……で、兄さんはなんでここに?』
「あぁ、夕飯まだなら一緒にどうかと思ってな」
『あぁ…うん、行く』
そう答えればホラ、と手を出してきたので持っていた鞄を渡す。
呆けている園子と蘭にまた明日といって車に乗り込めば、すぐに発進した。
「………ねぇ蘭?」
「………なぁに園子」
「さっきの2人は兄妹よね?」
「多分……目元とかそっくりだったし……」
「………カップルに見えたのは私だけかしら」
「ううん、私も見えた……」
「なんか……見せつけられた感があるわね」
「なんだろう……きっと今の気持ちに答えを出さない方がいいような気がしてきた」
「帰ろっか」
「そうね……」
私達が去った後にこんな会話をされていたなんて、コナン君に聞かされるまで知るよしもなかった。
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