この歳で高校生とか面白そうと思ったが、授業は詰まらないもので。
うとうとしながら過ごして気付いたら既に放課後だった。
「真昼!!今日は蘭も部活ないから一緒にケーキでも食べにいかない?昼休みの話の続きも兼ねて!!」
「あぁ、いいね。真昼も行こう?」
まさか転入当日に声をかけられるとは…まぁこれは行かない手はないな。
『行く行く!!私もケーキ好きなの』
そう返事しながらアウイナイトにメールを打つ。
決してケーキに目が眩んだ訳じゃない。
"用ができた
迎えは不要"
とメールを作成して送信する。
「なんか校門のところに珍しい車が止まってるらしいよ?」
「誰かの迎え?」
「さぁ?」
そんな蘭と園子の会話を聞いていなかったことを後悔するまであと少し。
…アウイナイトがいる。
メール送信した時には既に待機してたってか。
仕事出来すぎるのも問題か?
まぁここで放置するのもな…
「確かにあまり見ない車ね」
『ごめん、ちょっと待ってて?』
「あ、ちょっと真昼?」
珍しい車にかけていく私にびっくりしているが気にしない。
運転席の窓をコンコンと叩くとドアを開けようとするからあわてて窓を開けろというジェスチャーをする。
「申し訳ありません。真昼様。ご連絡に気づくのが遅くなりました」
『あぁ、気にしないで。私が連絡したのも遅かったし。まぁとりあえず今日はこのまま帰ってくれる?』
「はい。では失礼いたします」
そういうと窓を閉め走り去った。
校門前の蘭たちの元に戻るとランドセルを背負った子供がいるのに気づいた。
そしてその子がアウイナイトの運転する車が走り去るのを焦りや恐怖、困惑を含んだ眼を大きく見開いて驚いている。
それに気づかないふりして声をかける。
『あれ?その子は?』
「あ、この子は江戸川コナン君。今うちで預かってるの」
『そうなんだ?私は柊真昼。よろしくね?コナン君』
「あ…うん。よろしくね。真昼姉ちゃん」
あ、姉ちゃん呼びいい。
まさかこんなに早く会えるとは思っていなかった。
あれ、ポルシェ見たんだよね?私、疑われるパターン?これ。
でもアウイナイトはジンにもウォッカにも似ても似つかないと思うんだけど…
まぁでも、警戒されるのも楽しそう。
いつ何者?って聞かれるかね。
でも気を付けないと色々なものまでバレそうな気がする。
きっと長い付き合いになるだろうから、よろしくね?工藤新一君。
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