‐阿笠宅‐


「ホォー…工学部の博士号を…行く行くはワシの商売敵になるわけじゃな?」

「いえいえ…好きでやり続けているだけですので……しかし広いお住まいですねぇ…」

「あぁ…ワシとこの子の2人だけじゃ広すぎるかのォ…」

「じゃあ住人がもう1人増えても…問題はなさそうですね…」


沖矢さんて案外ちゃっかりしてるよね……
皆びっくりだよ。


「実は住んでいたアパートが燃えてしまいまして…よろしければ新しい住居が決まるまでここに居させてもらえないでしょうか?もちろん暇な時は博士の研究の助手でも何でもやりますよ!」

「あ、ああ…構わんよ…この子がよければじゃが…」


そう戸惑いながら後ろに隠れてる哀ちゃんを伺うとおもいっきり首を左右に振っていた。
どうするのかなーと思っていたら、案の定コナン君が爆弾発言をした。


「じゃあ新一兄ちゃんの家使う?」

「新一兄ちゃん?」

「うん!急にいなくなったお兄ちゃんだよ!ホラ、隣のあの家!ボク鍵預かってるから!」

「ホー…」


哀ちゃんは反対していたようだが、コナン君のホームズファンに悪い人はいないから!って発言にキョトンとしているようだ。


「留守はしっかり守ってよ…」
「ああ…もちろん!」


そのやり取りを直接見れた私は顔がにやけるのを我慢するのに必死だ。
他の子供達はイタリアのお土産がいたく気に入ったようで、此方を気にする様子はない。
ちょっと挑発したくなったので、バーボンを片手に沖矢に近付く。




『じゃぁ沖矢さんの住むところが決まったお祝いに、このバーボンはどうですか?』

「お土産とおっしゃっていましたよね?元々渡す方がいらっしゃったのでは?」

『あぁ……それなら問題ないですよ。それとも……バーボンはお嫌いですか?』

「……いいえ。最近はバーボン一筋ですよ」


そう言って受けとる。
ちょっとわざとらしかったかなぁ?
この人に探られたらめんどくさそうなのに。
そう思っていれば、子供達が同級生のお見舞いに行こうと言うので、解散となった。





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