降谷さんと別れて蘭達と合流するために歩き出す。
15分ほど歩き回って聞き覚えのある声が聞こえた。


「さすが、推理クイーンと眠りの小五郎だね!」

「まぁねー!」

「あったぼーよォー!」

『やっと見つけた……』

「あ、真昼!!もう、どこ行ってたのよ!!」


私に気付いた園子が声をあげる。


『ごめんごめん。ちょっと迷ったのよ』

「全く……」

『ところで、蘭は?』

「蘭ならクリーニングに出した服を取りに行くって別行動よ」

「それより、高木刑事達に知らせて調べてもらおうよ!!」


私と園子が話していれば、コナン君がしびれを切らしたようで下から催促してきた。
話を聞けば、トリ男の正体が分かったから知らせようとしていたらしい。
早く行こうとコナン君が急かすため、速足で向かった。


「なに!?ボタンを蘭に返しただと!?何でだよ!?証拠品だろーが!!」

「あ、いや…あの時はまだそうとは決まってませんでしたし……もしかしたらお父さんの服のボタンかもしれないから、持って帰って確かめると蘭さんが言っていたので……」

『もしかして、そのボタンを隠滅するために犯人に襲われたり……』

「でも蘭なら大丈夫よ!!」

「強いですしね……」


それもそうかと、園子と高木刑事の言うことに内心納得する。
が、予想外にコナン君の焦った声がした。



「変だよ…蘭姉ちゃん、さっきから全然電話に出ないんだ!!」

「えぇっ!?」

『誰よ、蘭なら大丈夫なんて言ったの!!一応一般人なんだからね!!』

「一応は余計よ!!」

言い合いながらも蘭を探して走る。
探偵事務所付近で蘭の姿が見え、無事だったことが分かった。
………犯人は全然無事じゃなさそうだけど。



「やっぱり、心配無用でしたね……」

「でも、何なんだ?今の派手な技は……」

「胴回し回転蹴りよ!この前、数美先輩に教わったんだ!」

『その人、生きてる?』


コナン君は衝撃すぎて目が点になっている。
園子と蘭の会話から、おみくじに男勝りな行動は厳禁と書かれていたようで、ここ最近の2人の奇行にも納得がいった。
しかも、園子は自分の分を蘭の分と偽って読み上げたため、余計おかしな事になったようだ。
園子は蘭の持つおみくじを奪い取り、そのまま読み上げた。


「えーっと……頭脳明晰な彼のハートを射止めるにはありのままの自分でいる事…飾ったりかわい子ぶっても、すぐに見破られてしまうので注意点!持ち前の天真爛漫さを貫き通し、己の信ずるがままに勇往邁進すれば、その想い必ずや彼に届くであろう!」

『わぁ、なんかあたってそう』

「いいなーこれ!私のと交換して!」

「ダーメ!」

「ねぇ、真昼姉ちゃんのは何て書いてあったの?」

「そうよ!!あんたの見てないわ!!」

「私の聞いたんだから教えてよ!!」


まさかのコナン君からの爆弾発言。
そのまま忘れてくれたら良かったのにと思うが問屋が卸さなかった。
まぁ、別に隠すことでもないかと思い、ポケットに入れっぱなしになっていたおみくじを園子に渡す。


「ちょ、まだ読んでなかったの!?」

『すっかり忘れてた。読んじゃっていいよ』

「余裕ね……ま、読んでいいなら遠慮なく」


そういいつつ手際よくおみくじを開いて中を読み出す。



「様々な能力に長けた切れ者である彼を夢中にさせるには全てを受け入れる心の広さを持つ事……自由奔放な言動も魅力的と思って貰えるがやり過ぎは注意!!彼を受け入れつつ、己の道を進めば、その想いは必ず実るであろう!!」

「………真昼の理想の高さよ」

「いいなー!必ず実るんだって!!」

『蘭、これが別に私の理想という訳じゃないんだけど……』

「でも、こんな人っているのかなぁ?」

『だから、ただのおみくじだってば………』


想いが実る実らないはおいといて、当てはまる人物を知っている。
蘭達が彼と出会う前にこのおみくじの事を忘れることを願う。

これを人はフラグという。





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