今日、私はコナン君に毛利探偵事務所に来てほしいと言われた。
コナン君が呼び出すなんて初めてじゃない?と思いながら歩みを進める。
面倒なことが起きなきゃいいんだけど……と思うが、無理だろうな。
そう考えているうちに事務所に着き、扉を開ければ予想を上回ることが起きていた。



「あ、あんた女やったんか!?……にしては乳がさみしないか?」

「それはこれからボーンと出て来る予定さ!」

『わぁお、扉を開けたらセクハラ現場』

「なんや、自分」

「あ、真昼姉ちゃん!来てくれたんだね!!」

『コナン君からの呼び出しだからね。何をおいても来るよ』


私がそう言えばコナン君嬉しそうに笑う。
それが可愛くて思わず頭を撫でる。
すると、放置された色黒関西人がキレた。


「せやから、自分誰やねん!!」

『蘭達と同じクラスの柊真昼です。』

「お、おう。俺は西の高校生探偵、服部平次や」

にっこり笑って言うと、彼の視線は私の胸辺りさ迷っている。
世良さんと比べてんだなこりゃ……コナン君も苦笑い浮かべてるよ。


「それより、コナン君。どうして真昼呼んだの?」

『私も理由聞いてないや』

「新一兄ちゃんが紹介しててって言ったんだ!!おもしろ……じゃなくって、力になってくれるからって」

「面白そうてなんや、コラ」

『私もそう聞こえたなぁ』


2人でにっこり笑いながら面白そうだと思った理由を話せと催促する。
するとひきつった笑みを浮かべながら話し出した。


「ほ、ほら、おみくじで真昼姉ちゃんの好みは"様々な能力に長けた切れ者"だったから、新一兄ちゃんよりは下だけど平次兄ちゃんなんかどうなのかなって思って」

『おい、私の好みがそれだなんて一言もいってないぞ』

「コナン君、服部君には和葉ちゃんがいるんだからダメよ」

「和葉は関係ないやろ!!」

「やっぱり平次兄ちゃんじゃ真昼姉ちゃんは意識しないよねー」


さっき撫でた頭を無性に殴りたくなった私は悪くない。
それに蘭も服部君も返答がずれてる。
収集がつかなくなったところで、服部君の携帯に着信が入る。



『そう言えば、和葉って誰?』

一応知らない風を装って訪ねる。


「和葉ちゃんは服部君の幼馴染みなの。端から見たら両思いなんだろうけど……中々進展しないからやきもきしてるの。真昼、服部君好きなったりする?」

『いやならないから』

「真昼姉ちゃん、平次兄ちゃんフったね!!」

『コナン君?面白がってるでしょ』

「だって、真昼姉ちゃんが好きになる人がどんな人か気になるんだもーん!!」

「それは私も気になるかなぁ」

『蘭まで……』


最近この手の話でからかわれることが多くなった気がする。
なんでこんなことに……と頭を抱えていれば、服部君の大きな声で思考が引き戻された。


「ひ、人が死んだやとォ!?……殺人か!?……わかった!すぐそこに行ったるから待っとけよ!!」


何やら物騒な単語が飛び出してきて、現実逃避したい気分だった。
なんでこうも事件が起きるんだよ……いや、分かってたけど。


「ちゅうわけやから、ちょっと行ってくるわ…」

「じゃあこうする?この事件で西と東、どっちが上か…はっきりさせるっていうのはどうだ?」

「「え?」」

「服部君はもちろん自分で……工藤君は、コナン君が電話で状況を説明すれば勝負になるだろ?まぁ、君と工藤君が差なんかつけたくないっていう仲良し君達なら……無理にとは言わないけど……」

「何言うてんねん?丁度ええ機会や…オレと工藤、どっちがホンマの名探偵か……白黒つけたろやないか!!」


何故か推理対決が始まった。
服部君は意気揚々と現場であるファミレスに向かった。





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