「それで?工藤君は何て言ってたんだ?」

世良に急かされて、コナン君が工藤新一の代わりとして話し出す。


「容疑者のおじさん達は3人とも、東京で生まれ育ったって言ってたけど……ホントは…関西人だって事を隠している人がいて…その人が犯人だって言ってたよ!」

「おお!さすが工藤君だ!!」

「コラちょー待て!自分、東京者やんか!!何で関西の事わかんねん!?」

「あ、だから僕じゃなく新一兄ちゃんがそう言ってるんだよ!これで逆転サヨナラホームランだってね!」


コナン君の正体を隠す気があるのか無いのか分からない発言をする服部君にすかさずコナン君が訂正をいれる。
腹いせか、ちょっと馬鹿にした表情をしている。
服部君の悔しそうな顔を見たコナン君は、近くにいた警部さん達に頼み事をしていた。


「新一兄ちゃんがこのファミレスの人に頼んである物を作って欲しいって言ってたよ!なんかさー、飲めばすぐに関西人だってわかる……魔法の料理らしいよ!」


そういったコナン君が頼んだものは……味噌汁だった。


「マジで飲むのかよ?」

「まぁ、これを味見したら犯人がわかるっていうのなら飲みますけど……」

「ぐーっと一気に味わってね!あ、ついでにみんなの分も用意してもらったから平次兄ちゃんも飲んでね!」

「(何考えてんねん…)こんなんで犯人が分かるわけないやろ?」


そう疑いながらも渡された味噌汁を口にすれば、普通とは違う味に目を見開いて、言葉を発した。


「辛っ!!なんじゃこの味噌汁!?」

「ホンマや!東京の食べ物は味が濃いって思ってたけど……これ、辛過ぎや!お塩どんだけいれてんねん!」

「そいつらの言う通りだぜ……こんなに辛くちゃこれ以上飲めねぇよ……」


……かかった。


「しょっぱい……だよね?東京の人もカレーや麻婆豆腐みたいに香辛料が利いた料理の事は辛いって言うけど……塩辛い料理の事は"しょっぱい"って言うんだよ……だからその味噌汁や塩ラーメンを"辛い"って言った甘粕さんは関西人ってわけさ!」

「そ、そんなのただの言い間違いじゃねーか!ホントは俺も塩辛いって言おうとしたのに、その大阪の兄ちゃん達につられちまってさ……」

『じゃぁ最初に塩ラーメンを辛いって言ったのはどう言い訳するんだか』

「うるせぇよ!」


ボソッと呟いただけの言葉に反論された。
反論と言うか逆ギレに近かったけど……


「それに!!その語尾に"さ"を付ける言い方……」

「ボウズもさっき使ってた普通の東京弁だろーが!!」

「東京の人は"東京弁"なんて言わないよ!そういうのは関西の人ぐらいじゃない?」

「え?」


あーあ、どんどん化けの皮剥がれてく………
焦った甘粕さんは、とうとう自分でも東京の生まれではないことを証明する発言をしてしまった。
水菓子を食べる予定だったと言っていたのに頼んだものはフルーツではないかと。
だが、それは目暮警部とコナン君によって江戸の言葉だと言うことが判明。
もう言い訳が出てこなくなったところで、コナン君の喋り方が変わり、追い討ちをかけだした。




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