今日は、転校当日に行けなかったアジトに足を踏み入れた。


『サファイアめ…どんだけ組織の金使ったんだか。殆どあいつのコレクション飾ってるだけじゃん』


文句をぐちぐち言ってると前を歩いてるアウイナイトは肩身が狭そうにすみませんと言ってきた。
君が悪いわけじゃないんだよ、うん。


『アメジストの意見ももう少し受け入れればここまでなかっただろうになぁ。あいつはなんだかんだサファイアに甘いから……』

「我々ももう少し力添えできればよかったのですが…着きました。こちらが瑞希様のお部屋です」


よし、私の部屋を作っただけほめてやろう。
その瞬間、組織の金を使い込んだことなんか吹っ飛んでしまった。
きっとこれから苦労するのはスぺサタイトとトルマリンだろうなぁ。


『へぇ……いい部屋。ここ入り浸りそうだなぁ』




「気に入っていただけてうれしい限りっすわ、瑞希様?」

「この部屋あんたは関わってない癖によくいうわよ」

『サファイアとアメジストか。久しぶりだな』


一面ガラス張りの窓から外を眺めていたら二人が話しかけてきた。
姿を見るのは本当に久しぶりだ。


「そう言えば、沢田綱吉からの依頼で帝丹高校へ通っていると伺ったのですが?」

『まぁな。あぁ、あの部屋。さすがアメジスト。あの部屋はこの任務後も使わせてもらうことにしたわ』


転校した次の日、綱吉に確認をしたところ問題ないとのことらしい。

「気に入っていただけて光栄です」

「俺の車はどうっすか?あとアウイナイトも」

『統一性のない車をよく買うわ。彼は優秀なドライバーだけど、ちょっと口うるさいのが玉にキズかな』

「あ、瑞希様もそう思うッすよね?」

「私は沢田綱吉の苦労が目に見えますわ。後ほど甘いものでも送りましょうか。彼の想い人との会話も弾むことでしょう」



うん、彼女はやっぱりマメだ。
以前、そんなところまで気を回さなくていいと言ったら、何かあったときの為ですって……いや、ただ利用しようとしてるだけ……?まさかね。


『ところでだ、アクアマリンはどこだ?』

「あぁ、彼は今仮眠をとっております。3日は徹夜していたようなので、気絶…いえ、仮眠室へ押し込んでいます。」


『(気絶って聞こえたが…)そうか。まぁ明日学校は休みだからな。今日はここにいるさ。起きたらここに来るよう伝えてくれ』

「かしこまりました。では、失礼いたします」

「失礼しまーっす」


2人をさがらせ再び外へ目を向ける。
こんな高層ビル全てが闇の組織のアジトだなんて誰も思わねーんだろうな。
まぁ私には…私らには誰であろうとも手が出せないから白昼堂々と行動しても問題ないんだけどね。







* * * * * *



「瑞希様ー!!!!お久しぶりです。貴方様にお会いできない間がこれほど苦痛とは…あぁ、やはり私には貴方様しか…『あーあーあーあー!!分かったから少し落ち着け!!ハウス!!待て!!』…ワン」


やっぱこいつ犬だわ。
ちぎれんばかりに振るしっぽが見える気がする。

『相手してやるから、先に仕事の話だ』

「はい」


仕事になると雰囲気が一気に変わるのはどうしたものか。
まぁ頼もしいんだけどね。





「…ある組織についてですか?」

『あぁ、綱吉が気になるらしいからな』

「かしこまりました。すぐに取り掛かります」

『いや、そんなに急いではないんだ。何か分かったら連絡をくれ。さぁ、仕事は忘れてみんなでご飯でも行こう。久々だしな』

「はい!!瑞希様!!皆に声かけてきます!!」


かわいい奴め…
だがこいつの変わりようは少し心臓に悪い気がする。
これでもだいぶ慣れてきたんだけど。





その後、食事の席で何があったかはまた機会があるときにでも思い出してみよう。




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