『えーでは、質問をどうぞー』


これから重い内容を話すと言うのに、私は軽く話し出した。



「組織のボスについて、調査中と言っていたが、それはいつ頃分かる?」

『あー……優先度低にしてるから、いつかなぁ……?』

「低!?高じゃないの!?」


私の回答にコナン君が驚いたように声をあげる。
まぁそうだろう。彼等からしたら、最重要事項だし……



『まぁ……個人的にタイムリミットは1年前後だと思ってるから、近くになってからでも良いかなーって』

「どうして、1年なの?」

『私があの高校に通える時間がそれだけだから』


まぁ正確に言うと、工藤新一が高校生でいるうちに解決しないといけない気がするから。
あとは勘だな。



「1年経ったら……どうなるの?」

『恐らく………貴方達が1年経っても何の成果も出せないようなら、私が直接手を下すことになるかな』

「奴等を、壊滅させるってこと?」

『まぁ、簡単に言えばね。でも私が壊滅させたら、組織の情報は一片たりとも手に入れられるなんて思わないことね』

「待て、どうやってあの組織を壊滅させる気だ」


やっぱり、あの言い方だと聞いてくるよね……
でも正直私も考えてないんだよなぁ。



『組織の情報が集まってから決める予定ですね』

「「………」」

『2人して無言はやめてくれないかな……』


私の無計画さに呆れて言葉も出ないんだろうなと思います、はい。
とりあえず、この内容に呆れて追求をやめてくれるとありがたいんだけどなぁ、という意味を込めて2人を見つめる。

コナン君はふいっと私から顔を背けたからうまくいった。
問題はもう1人のシルバーブレット……
私はもう何を答えて良いか混乱してきたから、先に提案する。



『………1つ勝負しませんか?』

「勝負?」

『はい。ある人物を2人の護衛につけます。その存在に気付けたら、私の事を話しましょう』

「人の気配なんかすぐに分かると思うが……」

『では、その人物が護衛についてから気付くのが早ければ早いほど、貴方達のほしい情報を何でもあげるっていうのはどうです?』


私の提案に、2人は顔を見合わせる。
伸るか反るか、必死に頭を働かせているようだ。
目だけの相談は終わったようで、2人して頷いて私を見る。



「その勝負、受けよう」

『……そうこなくっちゃ。じゃぁ、私は準備があるから帰るね。その人物の選定も移動も必要だし……ね』


いつから開始か、明言はしない。
さぁ、どちらに軍配があがるか楽しみだな。
帰るよ、と赤井さんとコナン君の近くで寝ている2匹に声をかける。
耳をピンとたて私の声を拾ったあと、おとなしく着いてくる。

そのまま引き留められることもなく、工藤邸を後にした。
私は家に帰る途中である人物に電話をかけた。




『シトリン、出番だよ』







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