爆発が起き、証明が落ちる。
「白鳥君、奈々さんだ!!奈々さんを守れ!!」
「奈々さん、何処ですか!?」
「ここよ!」
「手を隠して!!死にたいんですか!?」
奈々さんの元には白鳥刑事、沢木さんの元にはおじさまがついた。
その時、非常灯が点き辺りを照らす。
しかし次の爆発がおき、今度は水槽が割れて海水が流れ込んできた。
零さんが私を抱く腕に力を込めるも、自然の……水の力に抗うことが出来ずに引き離されてしまう。
『(泳げるから大丈夫なんだけど……この腕をいつまでも海水につけてたらやばい)』
水が流れ込む勢いが弱まったとき私がいたのは海底……と言っていいのか、とにかく底にいた。
水面に上昇しようとする私の視界に入ったのは蘭と……フェラーリ。
『(っ間に合え!!)』
間一髪の所で蘭が車の下敷きになるのは防げたが……代わりに私が下敷きになってしまった。
『(なんなの!?今日私どれだけ運悪いのよ!!)』
と内心悪態つくも、どうにも出来ない。
下敷きにされた私を見た蘭が助けてくれようとするも、1人じゃどうにもできない。
なんとかジェスチャーで、1人じゃ無理だから誰か呼んできてと伝える。
意を決したように水面に向かう彼女を見て、一先ずホッとする。
とはいえ、私はエラ呼吸ができるわけじゃないので、既に苦しさを感じる。
右腕に視線をやると、うっすらと血が流れ出ているのが見える。
『(こりゃ、本格的に不味いぞ…………)』
頭がボーッとしてくる。
酸素が足りないのか血が足りないのか、本格的に意識が飛びそうなとき、零さんとコナン君、蘭までもやってきた。
『(零さん……焦ってる………)』
普段中々見ることが出来ない零さんの表情に少し笑みがこぼれる。
私はコナン君が持ってきてくれたペットボトルで何とか意識を飛ばさずにすんだ。
コナン君はペットボトルを零さん渡すと、伸縮サスペンダーで車を浮かす準備をする。
柱に固定するとき、片方の留め具を中々掴めないコナン君に蘭が加勢する。
もう大丈夫だと安心しかけるも、零さんの背中目掛けて大きな何かが流れてきた。
ここは丁度、海とレストランの境にある。
そのため、おかしな海流と言うか流れが出来てもおかしくはない。
『(まずい……!!)』
零さんに背後へ意識を向けさせるも、避けきることが出来ずに衝突してしまった。
その衝撃で息を吐き出してしまった零さんは慌てて口を押さえるも、あまり意味を成していない。
『(恥ずかしすぎるけど……)』
私は意識が飛びそうな零さんの顔を引き寄せ、そのまま口付ける。
そして残った空気を全て零さんにあげた。
流石にもう意識を保つことが出来なくなり、驚いた零さんの顔を最後に、目の前が真っ暗になった。
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