最初に気付いたのは、私を呼ぶ声だった。
周りは真っ暗でなにも見えない中、その声だけを頼りに進んでいった。


『ゲホッ…ゴホッ……っはぁ……』

「真昼!!」

「真昼姉ちゃん!!」


今度ははっきりと近くで声が聞こえ、誰のものかが分かった。


『蘭…コナン君……ありがとう……』

「真昼…よかった……」

「真昼姉ちゃん無茶ばっかりするんだから」


蘭とコナン君にまず礼をいう。
そして、今私を支えてくれてる人……零さんに顔を向ける。


『安室さん……』

「っ生きた心地がしなかった……」

『ごめんなさい……でも…来てくれて………嬉しかった』

「当たり前でしょう?……俺にとって守るべきものはこの国だ。でも、守りたいと思うのは君だけなんだ」

『貴方らしい…………』


私がそういうと零さんが微笑んだ。
傷口が水に触れたことにより、出血が止まらない。
たったこれだけの会話で息が上がってしまう。
再び目を閉じて大人しくしていようと、そのまま零さんに身を任せる。


「安室さん、真昼姉ちゃん大丈夫なの?」

「今は目を閉じてるだけだが、このままでは………血を流しすぎた上に水に浸かっているのは流石に不味い」

「早くここから出ないと真昼が……!!」


私の頭の上で会話が続けられているが、反応する力はあまり残っていない。
その時、別の方向から声が聞こえた。



「スペードの6〜2!!それにブランクカード!!」

「ここで一気に殺そうってのか。ふざけんな!!」

「でも、このままだといずれそうなります。出口がないのですから!!」

「出口ならあるよ!!爆破された窓ガラスから海に!!」


やっぱそれしかないよね……息持つかなぁ……
私今後、水中には注意しとかないと………


「真昼は僕が連れていきます。いけますか?」

『はい……』


私は零さんの目を見て肯定する。
沢木さんが先導し、次々着いていく。



「いくぞ。大きく息を吸え」

『……っ!!』


私が息を止めたとき、零さんと共に潜る。
あ、まずい……意識が……となったところで水面に出ることができ、何とかなった。


「真昼!!生きてますか!!」

『……死んでます』

「冗談が言えるなら大丈夫ですね」

「真昼!!」

「丁度よかった、蘭さん……この子引き上げてくれますか?」


この子っていったよ、この人。
コナン君に言うならまだしも、私に。
内心ふくれている間に、蘭から引き上げられて驚いた。


『やっぱり蘭は力持ちだよね……』

「真昼ぐらいなら大丈夫よ」

『いや、自分の体重以上のを抱えられる蘭はヤバイと思う』


そんなふざけたやり取りをしていれば、零さんに横抱きにされた。



「安室さん、力持ちですね」

「まぁ、軽い訳ではないですけど抱えるのには問題ありませんね」

『軽いなんて歯の浮くような台詞聞かされなくてよかった』

「ふざけたこと言ってないで大人しくしてください」


零さんはそういって、私を座れるところにゆっくりと下ろしてくれた。





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