アクアクリスタルに向かうためのモノレール乗り場に着いた。
まだ誰も来ていないようで、駐車場には1台も車がない。
置いていかれたくないので、外に出て待っていた。


「瑞希、来たようだ」

『あ、ほんとだ』

アクアクリスタルをボーッと眺めていれば、零さんから声をかけられる。
視線の先には、恐らくコナン君達が乗っている車。
その車が止まる所まで歩いていけば、案の定何故ここにいるのかと問い詰められた。



『何か、手紙が来たんですよ。おじさま達も来るから貴方もどうですかって言う』

「それで、来ちゃったの?真昼姉ちゃん……」

『呆れた顔しないでよ………』

「安室さんも招待を受けたんですか?」

「いえ、僕は彼女のボディーガードですよ」


蘭の疑問に答える零さん。
でも、腰を抱き寄せるのは余計だよ……皆目が点になってるじゃん……それに空気が微妙になった。

そんな空気を壊したのは、スピードを落とさないまま駐車場に入ってきた車。
その車から降りてきたのは、モデルの小山内奈々だった。


「ちょーっとずれたか。でもまぁまぁだね」

「コラーッ!!あぶねぇだろ姉ちゃん!!」

「なにが?」

「あのなぁ……」


おじさまが呆れて言葉を紡げないでいると、続々と車が入ってきた。



「よぉ奈々ちゃん。君もか」

「あらー!!宍戸先生も旭さんに呼ばれたの?」

「失礼ですがお嬢さん、あなた方は?」

「え!?おじさん、アタシの事知らないの?」


驚いている奈々さんを置いて、白鳥刑事が新たに来た3人を合わせて紹介する。



「小山内奈々さんですよ、警部。人気モデルの。彼方の3人は向かって左からエッセイストの仁科さん。カメラマンの宍戸永明さん。そして……」

「ピーター・フォードです。そちらのお2人は警察の方ですな?それに確か名探偵の毛利小五郎さん」

「え!?あ、あなたがあの有名な名探偵さん?わぁ!!本物見るの初めて!!宍戸先生、撮って撮ってぇ!!」

「こちら、ソムリエの沢木公平さんに、毛利さんのお嬢さんで蘭さん。そのご友人の柊真昼さんとその恋人の安室さん。それに江戸川コナン君です」


奈々さんとおじさまの写真を撮り終わると、こちら側の紹介を始めた。
さらりと安室さんを私の恋人として紹介する白鳥刑事に驚きを隠せずに声をあげてしまった。



『し、白鳥刑事!?』

「あれ、違いました?」

「間違っていませんよ。ありがとうございます」


何で零さんが答える!?そして何故礼を言う!?と睨み付けるも、本人は何処吹く風。
何か悔しい気持ちになるも、蘭にちょっかいをかける声が聞こえた。



「おや、貴女はこれからも美味しい本をのお嬢さんとご友人ですね」

「わぁ!!覚えていてくれたんですか!?」

「ワインも女性も美しいと人の心に残るものなんですよ」


ごめん、蘭………
私にはその人の何処がいいのかわからない、と思うと同時に悪寒を感じたので思わず零さんの後ろに隠れる。
すると、そこじゃないと言わんばかりに、腰を抱き寄せられた。

そりゃ、くっつくなと言われるよりはいいけど、蘭とコナン君視線がいたたまれない……
そんな時、目暮警部の声があがった。





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