「皆さん、旭さんに呼ばれているんですか?」


目暮警部の問に、全員が3時に呼ばれたと言う。
宍戸さんに何かあったのか尋ねられ、答えようとする。
しかし、奈々さんの3時になっちゃうの言葉に、とりあえずレストランに向かおうと、モノレールに乗り込む。
出発すると、宙に浮くものが苦手なおじさまと、水が苦手な仁科さんは顔色が悪い。
そして、そのおじさまを見つめる蘭も浮かない顔をしている。



『蘭、どうかしたの?』

「……ううん、何でもないよ」

『そう、いつでも話聞くから』

「ありがとう、真昼」


蘭の憂いは晴らせないまま、モノレールは目的地に到着した。
レストランは本当に海中にあるらしく、エレベーターで下に降りる。
内装は壁一面が水槽になっており、色とりどりの魚が優雅に泳いでいる。

豪華な内装に呆けるのもそこそこに、旭さんがいないことが疑問にあがる。
白鳥刑事がまさかもう村上に……と言葉をこぼすと、宍戸さんがその意味を訪ねる。



「おぉ、そうでした。そのお話をしなければ。では皆さん、念のため壁を背に座ってください!!」

「真昼もここにいてください。僕も少し中を調べてきます」

『わかった』


白鳥刑事とおじさまと零さんは中に異常がないか調べに行った。
残った面子は壁際に座らされ、今回の事件について話を聞く。
あらましを聞いたところで、白鳥刑事達が戻ってくる。
白鳥刑事は目暮警部へ異常がなかったことを知らせる。

零さんもすぐに私のもとに戻ってきて、小さめの声で話しかけてきた。


「真昼、なにもなかったかい?」

『こんな短時間じゃなにもないよ』


心配性だなぁと思いながらも正直に答える。
その間にも、4人の名前に数字があることをコナン君が指摘している。



「でも、流石に1はいないようですね……」

「新一……1はもしかしたら新一の事じゃないかしら……」

「工藤君、ここに来へのかね!?」

「いいえ、でもふとそんな気がしたんです……」


コナン君としては来ちゃってるけど……と思っていれば、目暮警部に話しかけられる。



「しかし、そうなると真昼君が何故呼ばれたのか疑問が残る……」

「これは僕の推測ですが、恐らくブランクカードではないかと」

「どういう事だね、安室君?」

「彼女の名前、真昼は色に例えると白とされます。それに、ブランクカードは抜けがあるカードの穴埋め……足りない数字の代わりとして呼ばれたのではと」

「な、なるほど………」


おぉ、流石零さん。
私も流石にそこまでは考えてなかった。
1人感動している間にも、他の4人に村上との関係を聞いている。
関係ないと答えたのは奈々さんとフォードさん。
あると答えたのは仁科さんと宍戸さん。

しかし、1度関係ないと答えたのにも関わらず何か考え込む奈々さん。


「その人、8日前に出所したんだよね……?」

「えぇ……」

「じゃぁ関係ないや……ん!?やだ皆マジになっちゃって。もうこんな話やめようよ。それより、あんただろ!?パリのレストランとか言うダッサイ本書いたの。あれに載ってたお薦めの店、チョー不味かったよ!?あんたホントに味わかってんの!?」

「失敬な!!分かってるに決まってるじゃないですか!!」

「だったら証拠見せてよ」

「証拠?」

「アタシ、旭さんへのお土産に持ってきたんだけど。これ、何て言うワインか当ててごらんよ」

「いいでしょう」



事件の話から方向がずれていった。
零さんの方を見れば、やれやれと言うように首を振るだけだった。





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