沼へおいでよ
「キミは本当に面白いね。ゾクゾクするよ。」
「今のセリフ受けに向かってワンモア。」
ニタリと不気味な笑み(ただしイケメン)で言ったヒソカに向かって真剣な顔で人差し指を立てると変わらない笑顔のままとんでもない蹴りが飛んでくるけど今のあたしの体はゴム。打撃攻撃は意味ない…。
「ぎゃああトランプはやだー!!」
「斬*は効くんだ。今度はどんな話の技なんだい?」
「海賊の漫画ー。主人公組の中で双璧って呼ばれてる二人がケンカップルでもうホントいただきますごちそうさまです!!って感じなの!!あ、これはケンカップルの攻めの技だよ。すごいでしょ、剣三本!」
ゴムの体で弾き返したと思ったらすぐさまトランプで攻撃してくるから剣でぶった切る。あー、危ない危ない。
「バトルものかな。当たりで嬉しいよ。」
「そーだね。技ありすぎて困っちゃう!選り取り緑だよ!」
あたしの念、
「ゴムはボクの能力と同じだけどガムはどうだろうね。」
「あー、そっか、ガムかぁ。んー、あ、じゃあいっそ燃やすのはどう?」
足を回転させて摩擦を起こし火を起こして見せるとヒソカは目を細めて舌舐めずりする。くぅうううう〜〜〜〜!
「えっち!!好き!!どうしてそんなに攻め属性なの!?それホントに受けに向かってやって!」
「キミはどうしてそんなに残念なんだい?」
「ヒソカに!残念って言われた!ごちそうさまです!!」
ボクも大概だけどキミも相当、なんて呟くヒソカ。え?(男のキミを好きになる)ボクも大概だけど(ボクみたいな変人を好きになる)キミも相当?いいねそうゆーのどんどんちょうだい!!
「ねぇほんとにヒソカ友達いないの!?誰か(男)と歩いてるとことか見たことないんだけど!そりゃあ妄想力逞しいしトリップもばっちこいだけどさ!でもせっかく三次元に理想の攻めがいるなら三次元のカプも見たいじゃん!わかる!?」
「わからないというよりわかりたくないな。それにボク人見知りだし。」
「人見知りとか何そのギャップかわいい!!ギルティ!!」
ギャンギャン騒いでる間も攻撃は続くけどぜーんぶ対処する。うん、今日のあたし最強!やったね!
でもほんとに!ほんとに残念!!誰かいないもんかなー、ヒソカとカプに出来そうな人。
と、思っていたわけだが…
「ねぇねぇねぇねぇねぇ!!ヒソカ!!誰!あれ誰!!ってか流石の腹筋マジごちそうさまです!!」
「ジャイ子…。」
天空闘技場のヒソカの部屋のドアを蹴破る勢いで開けて目に入ったのは上裸でメイク落として髪を下ろしたヒソカ。レ!ア!ふぅう!って違う確かに写真撮ってラミネート加工したいんだけど違うんだ!
「昨日童顔美人と歩いてたよね!?友達いるじゃん!!」
「あの人は友達じゃなくて仕事の…。」
「あの人!いいね!ちょっと突き放した感じ!」
そう、あたしは昨日見たのだ!頭に包帯巻いて電球みたいな変なピアス?イヤリング?した黒髪童顔美人とヒソカが歩いてるとこを!距離近かったし身長差結構あって萌えだし何より二人とも美形!!全くどうして教えてくれなかったかな!!いい受けの顔だったよあれ!童顔だけどミステリアスな雰囲気もあって一筋縄じゃいかなさそうなのがまたいい!!
「…とにかく、あの人には関わらない方がいい。」
「妬いてる!?妬いてるんだね!?大丈夫!あたしは二人を見守る壁とか道とかベッドとかになりたいから!」
「人間であることすら放棄するのかい。」
「推しカプのためなら何にだってなってやる。あ、あの人の名前は?カプ名は何!?」
テンションMAXでマシンガントークを続けるとついにヒソカは黙った。だがしかーし!それで諦めるあたしではなーい!腐女子舐めんな!どこまでも貪欲で雑食!狙った獲物は逃がさないのだ!