たまゆらの弔い


真っ白でまっさらな長襦袢に袖を通す。衣紋を抜いて襟元を正す。腰紐を締めて背筋を伸ばす。
着物を着て腰紐や帯を締めたときに背筋まで伸びるこの感じが好きだ。
黒紋付を羽織り重ね合わせていく身頃。お太鼓にした帯。最後に黒の帯締めを締めて部屋を出る。

今日のパートナーであるシャルナークが廊下の壁に凭れたまま待ちくたびれたようにわざとらしい欠伸を見せた。

「ジャイ子ってさ、一度も同じ着物を着てるところを見たことがないよね。」
「死人の見送りはいかにも用意してましたっていうのは、いけないの。いつも真新しくないと。」
「それで汚れなくても新しいの盗んでくるの?」
「そう。」

待ってたくせに動く気配のないシャルナークの前を歩き過ぎる。

「自分が殺すくせにすごい皮肉。」

背後でぽつりと聞こえた声には返さず、歩みもそのままで、ただ小さく笑った。