貴方の支えになりたい


ーーいつも頑張ってる貴方が好きだけど、私の前では肩の荷を降ろしてくれても良いんだよ?そんなことを思うのは私の恋人である張苞くん。彼は何とあの張飛様と夏侯姫様の息子さんであり、星彩様のお兄さんなんだよねえ…そんな凄い人が私を選んでくれたことに全力で感謝しつつ、少し目立つ隈の部分をそっと撫でる。


「ん?…急にどうした?何かついてる?」
「…張苞くん、ちゃんとお休みにしてる?隈があるよ」
「えっ、…あー、確かに最近ちょっと忙しくてさ。でも大丈夫だから!」
「…私、張苞くんに無理して欲しくない。今日はゆっくりしよ?」
「大丈夫だって!遠乗したいってなまえ言ってたじゃないか!」
「したいけど…今日は張苞くんとゆっくりするって決めたの!その隈がない時に行こ?倒れたら困るもん」
「…へへ、なまえは優しいなあ」
「張苞くんが大切なんだから、当たり前でしょう?」


私の言葉に、張苞くんは嬉しそうに笑いながら頬を掻く。その頬が朱に染まりつつあるのを指摘するのは無粋だよね。…それにしても、最近そんなに忙しそうにしてたかな?私は戦いは出来ないから、女中として劉備様に仕えているけれど、いつもと変わりがないような…??鍛錬で忙しかった、のかな?それにしては傷も見当たらないし…星彩様は勿論、張飛様だって鍛錬だとしても手は抜かないから、いつも怪我しちゃうって聞いたから、鍛錬も多分違うのかな…?ごろん、と寝っ転がる張苞くんの髪を撫でてみれば、張苞くんは擽ったそうにくすくす笑う。…可愛い。


「なまえ、どうした?何かいつもよりにこにこだな」
「私の恋人は可愛いくてかっこよくてずるいなあって思ったの」
「はっ!?」
「あと、強いもんね!私、張苞くんの隣に立つことは出来ないけれど、背中を支えてあげれるようになりたいなあって思ったの」
「〜〜…どうしたんだよ、本当に。もう十分なまえに支えて貰ってるよ、俺。頼りにしてるし……疲れたなあ、って思ったら真っ先にお前の顔が浮かぶんだ。お疲れ様ーって笑顔がさ」
「えへへ。私はね、いつも張苞くんのこと考えてるよ」
「いつも?」
「そ!新鮮なお野菜貰った時はどんな料理にしたら張苞くんが一番喜ぶかなーとか、お洋服を見た時はこれを着たら張苞くんは喜んでくれるかなーとか!あとね、甘味処を見付けた時はね、行かないで取っとくんだ。張苞くんと一緒に行きたくて!」
「…なまえ」
「私ね、張苞くんと一緒に居るのが何よりも幸せなの。だからね、張苞くんが何に悩んでるのかは分からないけど……無理だけは、しないでね」


そっと張苞くんの手を握りながら言えば、張苞くんはぱくぱくと口を動かしたまま固まってしまった。…驚いちゃったかな?でも、思ってることに偽りはないから受け入れて貰わないとね!多分、張苞くんが何かを頑張っているのは私が少なくとも関係してるんじゃないかなー、なんて思ってたりもする。劉備様とか、浮き足立ってたもん。趙雲様に止められてはいたけど、嬉しいことが起きるぞ、みたいな顔してた。起きると良いなあー…


「…なまえには敵わないなあ、俺の恋人可愛い過ぎないか?本当に俺で良いの?誰にも渡さないけどさ」
「私は張苞くんじゃなきゃだめなんですー」
「、そっか。あ〜〜っ、くっそ…幸せ過ぎて泣きそうだ」
「今日は泣き虫なのかな?告白して来たあの時みたいだね」
「うっ、…仕方ないだろー、なまえが嬉しいことしか言ってくれないんだからさ…」
「私はね、張苞くん。誰に対してもこんな風になんて言ってないよ?張苞くんだけなんだからね!私が大切で何よりも大好きな人は貴方なんだよ、張苞くん」
「…俺も、なまえが誰よりも大切で一等愛してるよ。…なあ、なまえ」
「なあに?」
「ーー俺と、夫婦になってくれないか?」
「…えっ」
「…やっとさ、認めて貰えたんだ。今のお前なら良いぞ、って……なまえ、俺のお嫁さんになって下さい」


そう言いながら張苞くんが差し出して来たのは、異国のお花だった。確か…薔薇かな?薔薇には本数で意味が違ったはず。抱えながら一本一本数えていく。101、かな?確かこの数字は…と思考を始めた瞬間ーーぼんっ、と顔が赤くなったような気がした。や、多分私はこの薔薇に負けないくらい真っ赤になっているはずだろう。…嬉しいなあ…


「ーー不束者ですが、宜しくお願いします」
「!…へへっ、良かったぁ…」
「も〜〜…私だって、張苞くんのことこれ以上ないくらい愛してるんだからね!」
「!!?い、意味まで分かったのか…!?」
「私が張苞くんに教えたんだもん、当たり前でしょう?…これからも隣に居させてね」
「…俺はなまえしか隣に居て欲しくないから、これからも宜しくな」


照れ臭そうに言われた言葉に嬉しくなりながらも必死に頷けば、ぽろりと涙が零れて来る。嫌なわけじゃないよ!?と弁解しようとすれば、張苞くんもまた涙を浮かべていて、こんな時も一緒なんだね、なんて思いながらお互いに涙を拭い合う。これからは張苞くんの彼女ではなく奥方として、全力で支えていくから宜しくね、旦那様!


END.


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