始まり
「ずっと行ってみたいと思ってた美術展が、今度開催されるんだって!一緒に行こう?」
そう彼女に誘われた彼は、その誘いを受けることにした。
彼女があんなにも目を輝かせ、楽しみだというのだから行く以外の選択肢がなかった。
次の休日に行く約束をしてメールのやり取りを終える。今まで美術館や美術展などというものにほとんど足を運んだことがない彼は、それが一体どういうところで、どういう雰囲気があるのだろうか、と考えながら眠りに就いた。
数日が経ち、約束の日になった。
彼女はいつもよりも少し落ち着いた、でも可愛らしい格好で待ち合わせ場所へとやってきた。
彼女と並んで歩き、目的地である美術館へと向かう。
美術館へ着くや否や、彼女は目を爛々と輝かせた。
美術館の外装を見てから張り出されている美術展のポスターを眺める。見るからにワクワクしていることが分かった。
2人で美術館への入場チケットを買い、いざ中へ。騒ついて色々な音があった外から一歩美術館に入ると、途端に自分たちの周りの空気が変わったような気がした。
どこか不思議で厳かなその空間にある音は、ゆっくりと作品を見て回る人たちの足音、服の擦れる音、そして微かな呼吸音だけだった。
彼女の後を追うように彼も何となく絵を見て回る。赤、黄、青のシンプルなドレスとヒールを身につけた顔のない真っ黒な3体のマネキン。海の中を彷彿とさせるような、深い青色の絵。どこか恐ろしくも感じるモノクロの巨大な絵。様々な作品が並ぶ中、1つの絵の前で彼女がふと足を止めた。
そこに飾られていたのは、可愛らしい緑色のワンピースを身に纏った金髪の少女の絵だった。
彼女はそれを真っ直ぐ見つめていた。それはまるでこの絵に“魅入られた”ようだった。
そんな彼女を見て彼も同じように少女の絵を見た。パッと見は何の変哲もない少女の絵だが、どうしてか目が離せない。
気づけば彼もまた、彼女と同じようにその少女の絵を黙って見つめていた。
次の瞬間、2人の視界が暗転した。
最後に2人が見た少女は、歪な笑みを浮かべていた。
ゲルテナ展へ ようこそ
あそぼう “イヴ”
そう彼女に誘われた彼は、その誘いを受けることにした。
彼女があんなにも目を輝かせ、楽しみだというのだから行く以外の選択肢がなかった。
次の休日に行く約束をしてメールのやり取りを終える。今まで美術館や美術展などというものにほとんど足を運んだことがない彼は、それが一体どういうところで、どういう雰囲気があるのだろうか、と考えながら眠りに就いた。
数日が経ち、約束の日になった。
彼女はいつもよりも少し落ち着いた、でも可愛らしい格好で待ち合わせ場所へとやってきた。
彼女と並んで歩き、目的地である美術館へと向かう。
美術館へ着くや否や、彼女は目を爛々と輝かせた。
美術館の外装を見てから張り出されている美術展のポスターを眺める。見るからにワクワクしていることが分かった。
2人で美術館への入場チケットを買い、いざ中へ。騒ついて色々な音があった外から一歩美術館に入ると、途端に自分たちの周りの空気が変わったような気がした。
どこか不思議で厳かなその空間にある音は、ゆっくりと作品を見て回る人たちの足音、服の擦れる音、そして微かな呼吸音だけだった。
彼女の後を追うように彼も何となく絵を見て回る。赤、黄、青のシンプルなドレスとヒールを身につけた顔のない真っ黒な3体のマネキン。海の中を彷彿とさせるような、深い青色の絵。どこか恐ろしくも感じるモノクロの巨大な絵。様々な作品が並ぶ中、1つの絵の前で彼女がふと足を止めた。
そこに飾られていたのは、可愛らしい緑色のワンピースを身に纏った金髪の少女の絵だった。
彼女はそれを真っ直ぐ見つめていた。それはまるでこの絵に“魅入られた”ようだった。
そんな彼女を見て彼も同じように少女の絵を見た。パッと見は何の変哲もない少女の絵だが、どうしてか目が離せない。
気づけば彼もまた、彼女と同じようにその少女の絵を黙って見つめていた。
次の瞬間、2人の視界が暗転した。
最後に2人が見た少女は、歪な笑みを浮かべていた。
ゲルテナ展へ ようこそ
あそぼう “イヴ”