8話
左側のスペースの奥の方の壁には数枚の絵が飾られていた。それらは全てあの襲ってくる女と同じ絵だった。
どれが襲ってくるか分からないので慎重に進み、数を数えていく。
ひとつ、ふたつ、みっつ……と数えていき、最後の四枚目の絵に近づいたその時――
ガシャン
「逃げるぞっ!」
四枚目の赤い服の女がガラスを割って上半身を絵の外に出し、壁から飛び降りてきた。ヤツは近くにいるオレたちの方を見ると、ガガガ、と額を床に擦りながら両腕で這ってこちらへ襲いかかってきた。
オレは彼女の手を引いて走って逃げた。幸いにもヤツのスピードよりこっちのスピードの方が早かったこともあり、無事に撒くことには成功した。だが、問題はここからだ。
この部屋の左側には既に襲ってくるヤツが一体いる。そして右側には左側よりも更に女の絵が飾られている。もし左側のスペースに飾られている女の絵が動き出したら、先に進む道以外逃げ道がない。だが今はまだ先に進む道が見つかっていない。だから逃げ場がないのと同じ意味だ。
あの女の絵が動き出したからか、この部屋全体の雰囲気が先ほどよりもずっと不気味で嫌な感じがした。ジトリ、と繋いだ手とバラを持つ手に緊張による汗が滲む。こんなところでビビってなんていられない。オレは何があっても彼女を、ナマエを守らないといけない。元の場所に帰さないといけない。それは男として、そしてナマエの彼氏として当然のことだ。
「ナマエ、大丈夫か?」
「うん。でも……」
「……あの女の絵は一定の距離離れたら追ってこない。きっともう一度あっちに行かない限りは大丈夫だ」
「そうなんだ。ならいいんだけど……」
「それより、これで女の絵は全部数えたことだし、カギ開けてみようぜ。左が四で右が十だから合計十四。だからこのダイアルを……」
カチカチ、と硬い音が響く。十の桁を一=A一の桁を四≠ノ合わせると、カチャンというカギの開く音がした。
ゆっくりドアノブを捻ってみると、最初にあったカギのかかった感触はなくガチャリと扉が開く音がした。そっと手前に引くと扉は開く動作に合わせてゆっくりと動いた。
「花瓶と本棚と張り紙、か……」
扉の奥に広がる小部屋に入ると、そこには花瓶の置かれた机、二段作りの本棚が一つずつ置かれ、何かが書かれた張り紙が一枚、部屋の奥の壁に貼ってあった。こういう貼り紙は事前に見ておくべきであると身をもって知っていたオレは、まず貼り紙の内容を確認しに行った。
「作品に手を触れるな、損害を与えたら、あなた――も――賠――させ――ます=c…所々読めねェけど、大方意味は分かるな」
「そうだね。作品には触っちゃいけない。壊したらあなた……だから私たちの何かで賠償することになる、ってことだよね」
貼り紙の内容は重要そうな部分の文字が掠れてしまっていて、上手く読めなかった。しかし他の読める部分、そしてこれまでこの場所で体験したことなどを踏まえて推測ができた。
おそらく作品に損害を与えた場合、オレたちの命≠持って賠償させるということだろう。
「……まぁとりあえず、作品に触らないように、あと壊さないように気をつければいいってことだな」
「そうだね」
オレの推測を彼女に聞かせるわけにはいかない。そう判断したオレは、横で掠れた箇所の内容を考えていた彼女に声をかけて貼り紙の内容から意識を逸らさせた。
その後、ぐるりと部屋を一周して見たが、特に目立つものも何かしらのヒントになりそうなものもなかったので、部屋の中央にある花瓶に彼女のバラを活けてから部屋を出た。
「タカちゃん……!!」
部屋を出ると、たくさんの女の絵が飾られていた通路の方に赤い服の女が彷徨っているのが見えた。心なしかこちらに近づいてきているようにも思える。
オレより一瞬早く気づいた彼女が目を見開き、オレの手を強く握っている。逃げるしかないが、闇雲に逃げても仕方がない。オレは彼女の手を引き、赤い服の女を見ながらゆっくりと後ろに下がった。
「ナマエ、もうすぐ隣の部屋の扉のところに着く。鍵を開けるの、任せてもいいか?」
「わかった……!」
「鍵は多分あの吊るされた男の絵に描かれてた番号だ。そしてあれは逆さだったから、数字をひっくり返して6295=Bこれで鍵が開くはずだ」
彼女は力強く頷くと、急いで扉の方へ駆けた。オレは万一のことを考えて、まだ離れた場所で徘徊する赤い服の女をじっと見ていた。
少しして彼女のいる扉の方からガチャンという鍵の開く音が聞こえた。どうやら番号は合っていたようだ。
扉を少し開き、彼女がオレを呼ぶ。少しずつ扉の方へと近づいていると、赤い服の女が横を向いた。そのタイミングでオレは女から視線をずらして彼女のいる扉の方へと向けると、全力で駆け寄った。
バタン、と扉が閉まる。良かった、これでとりあえずひとまず安心だ。
部屋の中には簡素な丸い木の椅子が一つ、その前には見慣れた灰色の花瓶が一つ描かれたキャンバスが置いてある。部屋の右奥にはキャンバスに描かれた花瓶とそっくりな花瓶が乗った木の机があった。
「なんだろうね、これ」
彼女が不思議そうにキャンバスを見ている中、オレは丸い木の椅子の方を見ていた。
椅子には誰もいない。何も乗っていない。それなのにどうしてかそこに誰かがいる気配がした≠フだ。
「タカちゃん?どうしたの?」
「……あぁ、わりィ。なんでもねぇよ」
誰かがいる気配は未だあるが、気配がする以外は特に気になるところもなかったのでこれ以上は気にしないことにした。椅子の気配よりも先に、オレたちがこの部屋で行わなければならないことがなんなのか、それを知ることの方が優先だ。
「この部屋、何すればいいんだろうね?」
「うーん……。とりあえずこの二つに関しては見た以上のことは分からないし、奥の花瓶を見にいくか」
彼女の手を引いて奥にある花瓶の元へと行く。部屋が薄暗く見づらかったが、どうやらこの花瓶は本当にただの花瓶なようで、中に水などは入っていなさそうだった。
ふと花瓶のある位置から、出入り口すぐのところにあるキャンバスと椅子を見る。そういえばキャンバスにはこの花瓶と同じ花瓶が描かれて――
「そういうことか!ナマエ、今からこの机を動かすから、ちょっとそこで待っててくれ」
「え?うん、わかった」
今の机の位置だと、あのキャンバスと椅子の位置じゃ花瓶の絵を描くことはできない。ということは、あの椅子に座った時に花瓶が見える位置にこの机を移動させればよいということだ。
オレは一度彼女の手を離すと、両手を机の縁にかけてゆっくりと前へと押した。机は小さな摩擦音を立てながらもスムーズに前へと押し出された。
時折キャンバスと椅子の位置を確認しつつ前へと押していく。すると進行方向、ちょうど机の向こう側に微かだが何かの跡が見えた。おそらくあの跡のところにこの机を持っていけばよいのだろう。
机を慎重に押していき、やがて跡のある場所までやってきた。そこで机から手を離すと、本当に微かだが、どこかでカチャンという鍵が開く音がした。
「やった!」
「喜ぶのはまだ早いぞ。これから部屋の外に出なきゃなんねぇんだからな」
「あっ、そっか……」
「大丈夫だ。気を抜かずにいきゃあ何とかなるさ。それに、ナマエのことはオレが絶対守るから。な?」
「……守ってくれるのは嬉しいけど、囮になるとかはしないでね。二人で一緒じゃなきゃ、意味ないもの」
「……あぁ、そうだな。必ず、二人でここを出ような」
離していた彼女と再び手を繋ぐ。その手を離さないように、と少しだけ力を込めてから扉の取っ手に手をかけた。
開けるその前に彼女に一瞬視線を向ける。彼女は力強い瞳でオレのことを見ていた。
「行くぞ」
オレは取っ手を握って扉を前に押し、外へと出た。
部屋の外に出ると、ちょうど今出てきた扉と先ほど入っていた貼り紙のある部屋の扉の間に置かれていた、丸い木の椅子のすぐ横に白い何かがあるのが見えた。
オレたちが部屋に入った時はなかったはずなのに。少しの恐怖を抱きつつも恐る恐るその白い何かに近づけば、それがこの部屋に入る前に通ってきた廊下に並んでいたものと同じ、真っ白いマネキンの頭だということが分かった。
それ以上のことはなかったので再びゆっくりと迫ってきた赤い服の女から逃げるべく、女がやってきた方向とは反対の方向へと走って逃げた。
窓のある少し広めの部屋の壁に沿ってぐるりと回り、その部屋の扉の前で一度立ち止まる。走ったこともあってか心臓が少しうるさかったので、深呼吸を何度かして落ち着ける。
「とりあえず逃げてきたけど……さっき開いた扉ってここかな」
「わかんねぇけどものは試しだろ。開いてくれてりゃあいいけど……」
扉の前に立ち、一度彼女と手を離す。その手で扉の取っ手を握って前後に何度か動かしてみた。結果としては鍵がかかっていて開かなかった。
ということは、ここではない別の、まだオレたちが見つけられていない扉の鍵が開いたということだ。しかし見つけられていないということは、あの女が徘徊するようになったこの部屋を再び探索しなければいけないということでもある。
「……あっ」
「どうしたの?」
「女の絵を数えに行った時のこと、覚えてるか?」
「うん。あっちの、今赤い服の女がいるところに数えに行ったよね。あと反対側の奥にも……」
「あぁ。それであっちの、女の絵が一番多く飾られていたところの奥の廊下の形が少し歪だっただろ?反対の、オレたちがこの部屋に入ってきた時にいた場所の廊下は基本全部真っ直ぐに伸びてたのに、あっちの奥の廊下だけ少し入り組んでた」
「……そういえばそうだったかも?」
「もしかしたら、あの出っ張った部分が部屋なのかもしれないなって思ったんだけど……行ってみてもいいか?」
「……うん、大丈夫。行こう」
「ありがとう。っし、じゃあ慎重に行こう」
彼女の手を握りなおし、向かう先である女の絵が飾られた展示スペースの方を向く。一度その場で深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、一歩前へと踏み出した。
*〜*〜*
女の絵が多く飾られていた細い廊下の先にあった不自然な出っ張りは、やはり部屋だった。扉の取っ手に手をかけて引けば、キィと小さな音を立てて扉が開いた。
中には奥の壁の真ん中に飾られた大きな鏡以外何もなかった。
「あの鏡、大きいね」
「いかにも調べてください≠チて感じだな。とりあえず横の壁とかに何か隠されてないか確認してから鏡のところに行こう」
「わかった」
彼女と共に部屋のあちこちを見て回ったが、やはりこの部屋にはあの鏡以外は特に何もないことがわかった。
となると、いよいよ明らかに怪しいあの鏡を調べないといけない、ってことだ。
二人で鏡の前に立つ。鏡は普通にオレと彼女が並んで立っている姿を映していた。なんだ、何も起きないじゃないか。オレが神経質に考えすぎていたのかもしれない。
「ただの鏡、だね」
「だな。ったく無駄に怪しい雰囲気出しやがって」
「ふふっ、そうだね」
「よし。んじゃあ外に出る――」
最後のか≠ニいう言葉は、後ろを振り返った瞬間に喉の奥底へと消えた。繋いでいた彼女の手に力が入る。
オレたちが部屋の外に出ようと後ろを振り返ると、出入り口の前に少し前に見かけたあの真っ白いマネキンの頭がぽつんと一つ置かれていて、真っ黒くてつるりとした目が静かにこちらを見ていた。
おかしい、オレたちがここに入った時はこの部屋になかったのに。一体誰がどうやってここに置いたんだ。
「た、タカちゃん……」
「……大丈夫、大丈夫だ。あのマネキンはきっと何もしてこない」
とは言っても内心オレもかなり驚いていた。それと同時に、(出ようと思えば出られるが)この部屋から出られなくなっていることに気づき、少し焦りを覚えていた。
少し前に見た貼り紙の内容を思い出す。作品に手を触れるな=Bどこまでを作品と呼ぶのかは分からないが、今あの出入り口の前にいるマネキンの頭も作品≠ナあるならば、オレたちはあのマネキンの頭に触れてはいけないということになる。
マネキンの頭はそこまで大きいサイズではないものの、置かれている位置が絶妙に悪く、壁とマネキンの隙間を通ろうとしても、足が当たってしまいそうだった。
この部屋にあるのはあのマネキンの頭、そして今後ろにある大きな鏡だけ。この部屋に入ってからマネキンの頭を見つけるまでの間に何か仕掛けが動くような音はしなかったので、壁はさっき見てみたままだろう。
となると今のオレたちにできることは、ここに居続けること、あとはもう一度鏡を調べること≠ュらいだ。
「ナマエ、もう一回鏡を調べてみてもいいか?」
「うん」
彼女の了承を得たのでマネキンの頭に背を向けて再び鏡に向き直ると――
「――は?」
鏡に映る彼女の肩辺り、ちょうどオレと彼女の間のところに、出入り口に置かれていたはずのマネキンの頭が映っていたのだ。それも生気のないつるりとした黒い目を彼女に向けて。
「きゃああっ!!」
驚きと恐怖で彼女はオレとは反対の方へ飛び退いて床に倒れると、そのままマネキンの頭から距離を取るように後ろの壁の方へと後ずさった。
「なっ、なんで……!」
マネキンの頭は何事もなかったかのようにオレの足元に鎮座している。出入り口からオレたちのところまではそれなりに距離があるし、何よりこれは
マネキンの頭は出入り口前にいた時同様、黙って真っ直ぐ鏡の方を向いている。オレは考えることを一度止め、急いで彼女の元へと向かった。
「ナマエ、怖かったよな」
「こ、わかっ、た……。それに、び、びっくりした……」
未だ青い顔をしたまま微かに震える彼女を思い切り抱きしめる。いきなりあのマネキンの頭が写って、その目が自分に向いているんだ。怖いに決まっている。
「もう何もないはずだ。それにオレがいる。もしこの後何かがあっても絶対オレが守るから」
「うん、うんっ……」
彼女はオレにギュッとしがみつくように抱きつき、小さく身体を震わせていた。彼女の目元が押しつけられている肩口に少し湿った感触がある。オレは彼女の恐怖が少しでも早く落ち着くように、と背中を優しくさすった。
少しして彼女が落ち着いてきたので、密着させていた上半身を少しだけ離して彼女の様子を見る。だいぶ落ち着いたようだ。
「落ち着いた、か?」
「うん。ごめんね、迷惑かけて」
「こんなの迷惑のうちに入らねーよ。気にすんな」
「ありがとう……タカちゃん……」
落ち着きを取り戻した彼女の手を取り、軽く引っ張り上げて立たすと、そのまま片手だけ繋いだ状態でこの部屋を出た。部屋を出ると、右手側の細い廊下を赤い服の女がズルズルと徘徊しているのが見えたので、ヤツに気づかれないようにオレたちは左手側すぐの廊下を早歩きで歩いて行った。
「……音が、聞こえるな」
「この音、あの赤い服の女が歩き回ってるのと同じ音じゃない……?」
「でも音は後ろじゃなくて前から、だよな……」
廊下を真っ直ぐ進んでいると、前方からズズ、ズズ、という固い何かを引きずる音が聞こえてきた。その音の速さは赤い服の女が立てる音よりも少し早く、相手のスピードが赤い服の女よりも早いことを示している。
このままでは下手すると挟み撃ちになる。しかし立ち止まっていては後方にいる赤い服の女に気づかれる可能性もあるし、前方から聞こえる音の発信源に気づかれる可能性もある。
「タカちゃん……」
手を繋いでいる彼女が不安げにオレの名前を呼んだ。ここでビビっているわけにはいかない。オレは、オレたちはこの先に進んで、必ず二人でこの場所を出る。そう約束しているのだから。
「ナマエ、少し走るかもしれないし危ない目に遭うかもしれないが……音のする方へ進む。いいか?」
「……うん。でもその前に一回だけ深呼吸させてほしい」
「あぁ」
彼女が肩を動かして大きくゆっくりと息を吸い込み、そしてゆっくりと吐き出す。その後真っ直ぐオレの方を向いて力強く頷いた。
オレは彼女と繋いでいる手を握りなおして前を向いた。向かうは廊下の先、おそらく赤い服の女よりも早く動く女の絵がある場所だ。
*〜*〜*
廊下の先には案の定女の絵がいた。色は緑。どうやら緑の服の女は少し動きが早いようだ。
ソイツがかかっていたであろう場所のすぐ下には鍵があったので、女を上手く誘導して落ちていた灰色の鍵と取れば、すぐ近くの赤い服の女が壁から落ちてきて動き出した。急いで迂回するように一つ隣の廊下の方へと移動すれば、今度はその廊下のところにかけられていた青い服の女が壁から落ちてオレたちを追いかけてきた。
なんとか三人の女から逃げたオレたちは、まだ開けられていない、窓ガラスがある部屋の扉のところへと向かった。
「っふぅ……なんとか逃げられたな」
「うん……」
灰色の鍵を使って扉の鍵を開け、急いで中に入り扉を閉めた後、オレたちはその場にしゃがみこんだ。緊張と恐怖、そして走ったことでオレも彼女も息が切れていた。
普段ならアレくらいの運動量じゃオレは息が上がることも切れることもないが、やはり緊張と恐怖があったからこんなにも息が切れてヘトヘトなんだろう。
オレでこうならば、彼女はもっと疲れているはずだ。そう思って隣にいる彼女を見る。彼女は肩で大きく息をしながら、時折むせたように咳き込んでいた。やっぱりだいぶキている。
少しだけ落ち着いてきたオレは、滑り込んだ部屋の中を見回した。今オレたちがいる出入り口すぐのところから見て左手側には、背の高い四段式の本棚が間隔を開けて二つ、二段式の背の低い本棚が一つ置いてある。オレたちのすぐ近くには脚が壊れてしまったのか、倒れている丸い木の椅子が一つ転がっており、その隣、部屋の中央には白を基調とし、背もたれ部分に赤色の茨のようなものが生えるように取り付けられた二人掛けのソファが鎮座していた。
右手側にはちゃんと自立している木の丸い椅子に、何かが描かれたキャンバス。そして右奥隅には二段式の本棚が一つあった。
何よりこの部屋で一番目立つのが、部屋の奥の壁の中央に飾られた大きな一枚絵だった。
その絵に描かれているのは見覚えしかない人たちの姿だった。
「……あの絵」
少し落ち着いてきた彼女がオレと同様に部屋を見回したようで、部屋の奥の壁に掛けられた大きな絵に視線を向け、そう呟いた。
彼女の表情は横から見ても分かるくらい驚いていて、同時にとても動揺していた。
――そうなる、よな。
「ねぇタカちゃん……どうしてあそこにタカちゃんのお母さんと妹ちゃんたちの絵≠ェあるの……?」
その絵に描かれていたのは、間違いなくオレの母親と妹、ルナとマナだった。