about main
dust in magic
キイィン、キュッ、と響くギターが、そこでじっとしていなさいとでも言っているような気がした。
キャパ2500人のライブハウス。オールスタンディングの、一階。広さはそんなにないように見えても、ライブハウスにしては大規模。それでいて、客の顔も演者の顔もよく見える、この会場で。
さあ、見ていろと音は紡がれる。身体中に響くその声で、その音で。
私に目を向けたまま。
「君は、ここにいるべきだ」
***
ライブ会場のバイトって疲れるんだなあ。……なんて、そんな風に考えていたのはつい三十分前までのこと。
朝から物販やら列整理やらに追われ、声もがらがら暑さに体力も取られもうしんどいな、なんて思っていたところに追い討ちをかけるようにして現れた挙動不審な青年の対応。めんどくさいなと思いながら話していたらそのまま会場の中に引っ張られてしまうし青年はいなくなるし、本当にわけがわからない一日だ。まだ終わってないけれど。
期待高まる女性たちの中に投げ込まれた私は出来るだけ後ろに行って、このまま出ていこうかななんて考えている。そもそも私の持ち場は会場内じゃないし、周りのスタッフからしたら何でいるんだお前って感じだろう……と、多少どきどきしながらちらりと近くにいた先輩を見てみたら、私が連れてこられた様子を見ていたのだろう。苦笑いで口パクを送られる。「ここにいろ」。いいのかい。
仕方なしにスタッフ用の腕章を更に見やすい場所につけ直して、私はファンじゃなく仕事ですよアピールを続ける。元より客からは何の視線も感じないし、彼女たちはあと五分ほどで始まるライブのほうに夢中だ。実際、私がファンでないのは事実だし、今日ライブをするバンドのことだって曲すら知らない。ここがライブハウスにしては大きいと言っても、一般的に有名な人が出るとは限らないのだ。
それでも、一曲くらいは知ってる曲があったりしたら私も楽しいんだけどな、と思ったりもする。疲れているから会場外でのんびりしたいのが本音だけど、せっかく見れるならまあ楽しみたいよねという。でも長らく持ち場でない場所にいるのも悪いから、途中で抜けようとは思う。
ーーそう、思っていたのが、この三十分だった。
扉が閉まりきり、非常灯が消え、きゃああという歓声とともに訪れた暗闇。ギターがライブ開始を告げるメロディを奏で、白のスポットライトがじんわりと四方を照らし、観客はギターに合わせて手を叩く。ぼんやり立っていた客がどんどん前に詰めていったから、壁に寄りかかる私は一人ぽつんと取り残された。隔離されたように思いつつも、会場全体がよく見える。絶景だ。
照明文字で壁に写し出されたライブタイトルも、真っ暗なステージが突然照らされ始まった一曲目も、なんら珍しくない普通のライブだった。
げ。なんて声が出てしまったのは一曲目の途中。ポップなサウンドにのせて俯きながら視線を会場に向けるベースの人の顔が、ふと上がった瞬間だった。
金髪に青い瞳。長い前髪とフードをかぶったその姿。
きみ、さっきの挙動不審くんじゃないかーい。
出演者かよ、なら早く言ってくれよこわかったんだぞ! という呆れで笑みがこぼれてしまい、同時にライブみてほしかったのかななんて小さい子を見ているような気持ちになる。さすがに手をふりあげるなんてことはできないからひっそりお腹のあたりで手を叩いて、満面の笑みを向けた。
そこで。
ばちん! と。
まるで目がしっかりあったかのように金髪ベースくんが私のいる周辺に視線を向け、顔を固定した。
え? いやまさか、見えてないよね? こわくない?
ひやりとした感覚が背中を伝ったけれど、金髪くんは何事もなかったかのようについと、ギターの人へ目を向けた。ギターの人は水色?の髪にこれまたきれいな蜂蜜色の目をしていて、ベースくんと真逆の設定でもあるのかななんて思う。二人とも、一見すると王子さまだ。ベースくんはダメージジーンズ着てるのに対しギターさんはきっちりしたスーツのような服装だけれど。そこも対なんだろうか。バンドとしての統一感とは。
ベースくんの視線を受け取ったギターさんが、ついとまたスタンディングの奥へ目を向ける。すなわち私の周辺。そして曲の間奏を狙ったかのようにギターさんがボーカルの白髪金眼の女性……いや男性、恐ろしく綺麗な儚げ美人の隣に並び、ベースくんは片目を隠した金髪のドラムさんのところへ視線を向ける。ん? んんん?
パフォーマンスとしてはおかしくない。間奏中にバンドメンバーと絡むのはおかしくない。けれど、なんだ。胸のあたりがざわつく。音の響きだけじゃない振動が内側から溢れて、意味もなく息を潜めたくなる。
どこからかわからない言葉が脳裏に警告のように繰り返され、でもそれを聞きたくないと拒む心がどこかにあって、頭が痛くなる。
キイィインとギターが余韻を残しながら曲を終え、ばちんと、錯覚でもなんでもなく向けられた四人の視線。
きっと、そうなのだろう。間違いなく、彼らは意図的に、こちらを見ている。
にかり。ボーカルが不敵な笑みを浮かべ、ドラムがスティックを四度叩き会わせる。ギターとベースがいまの一瞬を無反応にしたまま次の曲のイントロを奏ではじめ、ボーカルが拍子に合わせてぴょんぴょん跳び跳ね出した。
ーーなんだその、あからさまにテンション上がりましたって感じは!?
は、と息を吐き出しながら唇をきゅっと結ぶ。ボーカルの視線は私に向いたまま、客を煽りボルテージを上げてく。
さあ、見てろよ。そう言わんばかりの気合いの入りように戸惑いながら、私もまばたきすら惜しく思えている。彼らが私を知っている。そうでないとおかしい。でも思い当たる記憶はない。
ボーカルが息をマイクに通し、戦慄を奏で始めた。一曲目とはちがう、ロックテイストだ。鼓膜を震わせ、見た目からは想像できない低い声が艶やかに会場を埋め、向けた視線で客を捉えていく。
はは、と途中で入る笑い声はぜったい素なんだろうけれど、それだけ彼はいまハイになってるということだろう。無邪気な笑顔とはとても言えぬ、凶悪さだけど。
戦いの昂りが性的なものと近いと聞いたのは、なんだったろうか。よく聞く言葉だったかもしれないし、その辺にいる誰かの言葉だったかもしれない。彼の様子はまさにそれで、挑戦するように笑って、鋭い視線を向けていく。時おり掠れ上擦る声がその証拠だろう。
端的に言おう。なんつー色気だ。
そんな挑戦を受ける理由はなにも浮かばないんですが!? と思ったところで届くはずがない。
胸のあたりにドラムのバスドラムが直接響いてくる感覚がする。お腹や足に響くのがベース。極め付きに鼓膜にはあのボーカルだ。ぞくぞくと身悶えしそうになる自分に拒否反応を覚えて、軽く咳払いをする。
「は、……あ……!?」
キイィインと一層高い音をかき鳴らしたギターが無表情なままこちらを見ていて、ぎらりと照明の光を反射させた蜂蜜色がまるで狩られるかのような恐怖を覚えさせた。
ロックにある歪みサウンドから一変して切ないアルペジオを弾き始めたその音は、さっきまで私を埋めていた低音の響きを貫くように身体の下から上を響かせた。反射的にびくりと身体を強張らせて固まってしまうも、演奏は止まることなく続いていく。
私がこんだけ動揺しても、ギターさんは無表情だし、というかずっとステージに顔すら向けてないのが悔しい。足の重心を左右に細かく移し、くるりとまわって見せたり腰を前後に動かしたりと、曲にのってるのはわかるけれど、王子さまな見た目には全然予想外なはしゃぎっぷりだ。
一音一音丁寧に、確実に響き渡らせていたアルペジオがスライドで終わり、最後に細かく八分音符のメロディ。やっと終わったか、とギターを睨んだところで蜂蜜色と目が合い、すうと細められる。まだ全然足りてない、と言わんばかりに。
ジャカジャカと激しくかき鳴らされるギターに身体の真ん中を貫かれながら、その音がいきなり大人しくなることに気づく。うわ、いやな予感がするーーと思えば、ちかちかしていた照明のうちひとつがベースへ赤のスポットライトを当てて、真っ暗のなかでその動きが照らされる。
アタック音がキュッと弾きならされ、四つの弦が細かな指の動きでソロを魅せる。合わせるようにギターのハーモニクスが響くけれど、実際合わせてなんかいない。おそらくーー競い合って、煽りあってる。
ギターさんと違い、ベースさんは合間合間に私へ視線を向けてくる。視線を外そうとすれば一歩前にでて更に派手なパフォーマンスを見せつけてくるし、本当に君は、なんなんだ。
僅かな間に見せつけられた二つのソロにまた頭がくらくらして、もとから寄りかかっていた壁に更に全体重をかけた。
お腹の底から叫び出したくなるような衝動がぐるぐる巡って、でもそれを抑えなければならないという理性にまたぞくりと背筋に電流が走るような感覚がして。
「逃げるなよ」
後ろへ後ろへと向けたくなる足を、見越すように。
「俺たちをここに呼び戻したのは、君なんだ」
きゃああと沸き上がる歓声に、会場は更に熱をあげる。
マイク越しに響き渡った声が、ぎらりと光るステージ上からの瞳が、身体に、耳に響き渡る音のすべてが。
渦のようだ。飲み込まれて、しまうような。
ああ、私はいったい彼らに何をしたんだか。
まだ終わりじゃないと言わんばかりに四人同時に揃えられた音ハメと大サビに声を抑え俯きながら。それでも耳だけは、塞ぐことができなかった。
- 5 -
キャパ2500人のライブハウス。オールスタンディングの、一階。広さはそんなにないように見えても、ライブハウスにしては大規模。それでいて、客の顔も演者の顔もよく見える、この会場で。
さあ、見ていろと音は紡がれる。身体中に響くその声で、その音で。
私に目を向けたまま。
「君は、ここにいるべきだ」
***
ライブ会場のバイトって疲れるんだなあ。……なんて、そんな風に考えていたのはつい三十分前までのこと。
朝から物販やら列整理やらに追われ、声もがらがら暑さに体力も取られもうしんどいな、なんて思っていたところに追い討ちをかけるようにして現れた挙動不審な青年の対応。めんどくさいなと思いながら話していたらそのまま会場の中に引っ張られてしまうし青年はいなくなるし、本当にわけがわからない一日だ。まだ終わってないけれど。
期待高まる女性たちの中に投げ込まれた私は出来るだけ後ろに行って、このまま出ていこうかななんて考えている。そもそも私の持ち場は会場内じゃないし、周りのスタッフからしたら何でいるんだお前って感じだろう……と、多少どきどきしながらちらりと近くにいた先輩を見てみたら、私が連れてこられた様子を見ていたのだろう。苦笑いで口パクを送られる。「ここにいろ」。いいのかい。
仕方なしにスタッフ用の腕章を更に見やすい場所につけ直して、私はファンじゃなく仕事ですよアピールを続ける。元より客からは何の視線も感じないし、彼女たちはあと五分ほどで始まるライブのほうに夢中だ。実際、私がファンでないのは事実だし、今日ライブをするバンドのことだって曲すら知らない。ここがライブハウスにしては大きいと言っても、一般的に有名な人が出るとは限らないのだ。
それでも、一曲くらいは知ってる曲があったりしたら私も楽しいんだけどな、と思ったりもする。疲れているから会場外でのんびりしたいのが本音だけど、せっかく見れるならまあ楽しみたいよねという。でも長らく持ち場でない場所にいるのも悪いから、途中で抜けようとは思う。
ーーそう、思っていたのが、この三十分だった。
扉が閉まりきり、非常灯が消え、きゃああという歓声とともに訪れた暗闇。ギターがライブ開始を告げるメロディを奏で、白のスポットライトがじんわりと四方を照らし、観客はギターに合わせて手を叩く。ぼんやり立っていた客がどんどん前に詰めていったから、壁に寄りかかる私は一人ぽつんと取り残された。隔離されたように思いつつも、会場全体がよく見える。絶景だ。
照明文字で壁に写し出されたライブタイトルも、真っ暗なステージが突然照らされ始まった一曲目も、なんら珍しくない普通のライブだった。
げ。なんて声が出てしまったのは一曲目の途中。ポップなサウンドにのせて俯きながら視線を会場に向けるベースの人の顔が、ふと上がった瞬間だった。
金髪に青い瞳。長い前髪とフードをかぶったその姿。
きみ、さっきの挙動不審くんじゃないかーい。
出演者かよ、なら早く言ってくれよこわかったんだぞ! という呆れで笑みがこぼれてしまい、同時にライブみてほしかったのかななんて小さい子を見ているような気持ちになる。さすがに手をふりあげるなんてことはできないからひっそりお腹のあたりで手を叩いて、満面の笑みを向けた。
そこで。
ばちん! と。
まるで目がしっかりあったかのように金髪ベースくんが私のいる周辺に視線を向け、顔を固定した。
え? いやまさか、見えてないよね? こわくない?
ひやりとした感覚が背中を伝ったけれど、金髪くんは何事もなかったかのようについと、ギターの人へ目を向けた。ギターの人は水色?の髪にこれまたきれいな蜂蜜色の目をしていて、ベースくんと真逆の設定でもあるのかななんて思う。二人とも、一見すると王子さまだ。ベースくんはダメージジーンズ着てるのに対しギターさんはきっちりしたスーツのような服装だけれど。そこも対なんだろうか。バンドとしての統一感とは。
ベースくんの視線を受け取ったギターさんが、ついとまたスタンディングの奥へ目を向ける。すなわち私の周辺。そして曲の間奏を狙ったかのようにギターさんがボーカルの白髪金眼の女性……いや男性、恐ろしく綺麗な儚げ美人の隣に並び、ベースくんは片目を隠した金髪のドラムさんのところへ視線を向ける。ん? んんん?
パフォーマンスとしてはおかしくない。間奏中にバンドメンバーと絡むのはおかしくない。けれど、なんだ。胸のあたりがざわつく。音の響きだけじゃない振動が内側から溢れて、意味もなく息を潜めたくなる。
どこからかわからない言葉が脳裏に警告のように繰り返され、でもそれを聞きたくないと拒む心がどこかにあって、頭が痛くなる。
キイィインとギターが余韻を残しながら曲を終え、ばちんと、錯覚でもなんでもなく向けられた四人の視線。
きっと、そうなのだろう。間違いなく、彼らは意図的に、こちらを見ている。
にかり。ボーカルが不敵な笑みを浮かべ、ドラムがスティックを四度叩き会わせる。ギターとベースがいまの一瞬を無反応にしたまま次の曲のイントロを奏ではじめ、ボーカルが拍子に合わせてぴょんぴょん跳び跳ね出した。
ーーなんだその、あからさまにテンション上がりましたって感じは!?
は、と息を吐き出しながら唇をきゅっと結ぶ。ボーカルの視線は私に向いたまま、客を煽りボルテージを上げてく。
さあ、見てろよ。そう言わんばかりの気合いの入りように戸惑いながら、私もまばたきすら惜しく思えている。彼らが私を知っている。そうでないとおかしい。でも思い当たる記憶はない。
ボーカルが息をマイクに通し、戦慄を奏で始めた。一曲目とはちがう、ロックテイストだ。鼓膜を震わせ、見た目からは想像できない低い声が艶やかに会場を埋め、向けた視線で客を捉えていく。
はは、と途中で入る笑い声はぜったい素なんだろうけれど、それだけ彼はいまハイになってるということだろう。無邪気な笑顔とはとても言えぬ、凶悪さだけど。
戦いの昂りが性的なものと近いと聞いたのは、なんだったろうか。よく聞く言葉だったかもしれないし、その辺にいる誰かの言葉だったかもしれない。彼の様子はまさにそれで、挑戦するように笑って、鋭い視線を向けていく。時おり掠れ上擦る声がその証拠だろう。
端的に言おう。なんつー色気だ。
そんな挑戦を受ける理由はなにも浮かばないんですが!? と思ったところで届くはずがない。
胸のあたりにドラムのバスドラムが直接響いてくる感覚がする。お腹や足に響くのがベース。極め付きに鼓膜にはあのボーカルだ。ぞくぞくと身悶えしそうになる自分に拒否反応を覚えて、軽く咳払いをする。
「は、……あ……!?」
キイィインと一層高い音をかき鳴らしたギターが無表情なままこちらを見ていて、ぎらりと照明の光を反射させた蜂蜜色がまるで狩られるかのような恐怖を覚えさせた。
ロックにある歪みサウンドから一変して切ないアルペジオを弾き始めたその音は、さっきまで私を埋めていた低音の響きを貫くように身体の下から上を響かせた。反射的にびくりと身体を強張らせて固まってしまうも、演奏は止まることなく続いていく。
私がこんだけ動揺しても、ギターさんは無表情だし、というかずっとステージに顔すら向けてないのが悔しい。足の重心を左右に細かく移し、くるりとまわって見せたり腰を前後に動かしたりと、曲にのってるのはわかるけれど、王子さまな見た目には全然予想外なはしゃぎっぷりだ。
一音一音丁寧に、確実に響き渡らせていたアルペジオがスライドで終わり、最後に細かく八分音符のメロディ。やっと終わったか、とギターを睨んだところで蜂蜜色と目が合い、すうと細められる。まだ全然足りてない、と言わんばかりに。
ジャカジャカと激しくかき鳴らされるギターに身体の真ん中を貫かれながら、その音がいきなり大人しくなることに気づく。うわ、いやな予感がするーーと思えば、ちかちかしていた照明のうちひとつがベースへ赤のスポットライトを当てて、真っ暗のなかでその動きが照らされる。
アタック音がキュッと弾きならされ、四つの弦が細かな指の動きでソロを魅せる。合わせるようにギターのハーモニクスが響くけれど、実際合わせてなんかいない。おそらくーー競い合って、煽りあってる。
ギターさんと違い、ベースさんは合間合間に私へ視線を向けてくる。視線を外そうとすれば一歩前にでて更に派手なパフォーマンスを見せつけてくるし、本当に君は、なんなんだ。
僅かな間に見せつけられた二つのソロにまた頭がくらくらして、もとから寄りかかっていた壁に更に全体重をかけた。
お腹の底から叫び出したくなるような衝動がぐるぐる巡って、でもそれを抑えなければならないという理性にまたぞくりと背筋に電流が走るような感覚がして。
「逃げるなよ」
後ろへ後ろへと向けたくなる足を、見越すように。
「俺たちをここに呼び戻したのは、君なんだ」
きゃああと沸き上がる歓声に、会場は更に熱をあげる。
マイク越しに響き渡った声が、ぎらりと光るステージ上からの瞳が、身体に、耳に響き渡る音のすべてが。
渦のようだ。飲み込まれて、しまうような。
ああ、私はいったい彼らに何をしたんだか。
まだ終わりじゃないと言わんばかりに四人同時に揃えられた音ハメと大サビに声を抑え俯きながら。それでも耳だけは、塞ぐことができなかった。
- ← →