冬の寒さも深まってきた十一月。今日の仕事は荷車を引いて物を運ぶだけの簡単な作業だという。珍しく、玄弥がわたしに頼んできたのだ。
可愛い弟の頼みを断る理由もなく、二つ返事で首を縦に振ると『 ありがとう姉ちゃん! 』と可愛らしく笑った。
と、言うわけで重たい荷車を引きながら街まで来た。どうやらお兄ちゃんも、何も聞かされていなかったみたいで最初は眉を潜めていた。
" 玄弥にも何か並ならぬ事情があったんじゃ無い? " わたしが言うと大人しく黙った。言われた通りに荷車に重たい荷物を入れて、指定の場所まで運ぶ。
同じことを繰り返すこと数回。わたしの掌にはあっという間に肉刺が出来たし、脹脛も硬くなり出していた。
『 す、すごいねえ、… お兄ちゃんと玄弥は毎日こんな仕事してたの…!? 』
『 毎日やれば慣れるからな。それより名前、お前、掌見せてみろ 』
『 え〜痛く無いから大丈夫だよ 』
『 相変わらず痛みに鈍いな、血が出てるだろうが 』
『 わ、ほんとだ 』
懐から布を取り出したお兄ちゃんは、優しい手つきでわたしの掌に包帯を巻き始めた。本当に、不思議なことにこれっぽっちも痛くなんて無いのに。
頬を膨らませてされるがまま、掌に布が巻かれる。これじゃあ手が使いづらいわ。
『 今日は水仕事もするなよ、俺が代わりにするから 』
『 またそうやってお兄ちゃんはわたしを甘やかす 』
『 はいはい、文句は聞きたくねえから 』
荷物がなくなって軽くなった荷車を引き、帰路に着く。陽も落ちかけ、空が燃えるように赤く染まっていた。
上背のないわたしは歩幅も小さいのに、お兄ちゃんはわたしに合わせてゆっくりと歩いてくれた。
『 " 家族は俺たち二人で守ろう " 』
唐突に、そんなことを口ずさんだ。
頭の中で疑問符を浮かべながら続きの言葉を待つ。
『 玄弥にそう言ったんだ。あんなのは別にいない方が清々するけど、父親がいねぇとなると、皆心細いだろうから、これからは俺とお前でお袋と名前、弟たちを守るんだ、そう言ったんだ。玄弥、なんて言ったと思う? 』
『 なあにその話、わたしだってお母さんや玄弥を含めた弟たちみんなを守るのに。お兄ちゃんのことだって守ってあげるわ。なのに、男二人だけでそんな約束をして狡いわ 』
『 お前は大分勇しいんだよ 』
喉を鳴らして笑われた。心外だなあ、わたしだって力になるって何度も言ってるのに。やっぱり、男の子じゃないから蚊帳の外なの?
『 " これから
玄弥がそう言ったんだ、
遠くを見つめて、まるで我が出来事のように顔を緩ませて喜んだお兄ちゃんがそこにいた。
『 …… 男の子って、いいなあ 』
□ □ □
『 ただい、』
『 兄ちゃん、姉ちゃん! 』
『 お誕生日おめでとう! 』