羨む君に焦がれる

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外へ出れば一瞬にして奪われていく体温。雪こそ降ってはいないが、肌を突き刺していくような風に体を丸め、何かに掻き立てられるように家を出た。


ただ、逢いたい。


そんな単純な想いとは裏腹に、逢う為の理由を探しているのも事実。こじつけでも何でもいい。納得してくれる理由なら嘘でもいい。


ただ、逢いたいんだ。



震える手をポケットの中で握り締めて、白い息を切らして走った。


俺達は直線上に存在しているかのようでも、実は点と点でしかない事への焦り。周りの風景なんて目に入らないくらい、一直線に繋がって欲しかった。


何度も訪れた君の部屋を前にして、乱れた呼吸を整える。だけど、ここまで来た言い訳がまだ見つからない。


ドア横の窓から漏れる明かは君がすぐそこに居ると教えてくれているのに、俺はチャイムすら鳴らせずにいた。
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