モテる男はお辛いですか?D
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「まずはさ、本気でカカシと向き合ってから言ってよ。任務にかこつけ恋愛うつつぬかしてる今の貴女は、相手にする価値も無いんだよ」
更紗姫は顔を歪め唇を噛んだが徐々に瞳は怒りの色から哀色になり、大粒の涙が地面に滴り落ちた。
罵倒されるのではなく、冷静で的確に痛い所を突かれたのだ。なまえと同じ土俵にも上がれていない姫さんは、最早何も言えないだろう。
「……貴女には……解らないのよ」
涙で掠れた声でそう呟き、漆黒の長い髪を厳かに揺らしながら姫さんは俺達に背を向け宿へ歩き出した。
「……出直して参ります」
それぞれがそれぞれの思いを抱え、だけどもその思いは決して口に出される事は無く、それぞれの胸の中に収められた。
傷付けた、傷付いた、そんな事なんて言わなくていい。謝罪するのもそれを求めるのも自己満足にすらならないと解っているから。
彼女がどんな思いを抱えそれがどんな思いに変わっていくのかは解らない。けれど例えなまえがこの百合の香りに締め付けられようと、彼女はきっと戻ってくるだろう。
カカシと本当に向き合う覚悟があるのなら。
「……カカシ、こっそりでもいいから送ってあげてよ……」
"任務"でしょ?
この状況でそんな事言えるなんてお前は本当どうかしてるよ。そこらの男よりよっぽど男前だ。
だから、お前の涙は堪えるんだ……。
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