白い靄の中私は1人で立っていた。周りに建物もなければ人影もない。
寒くなければ暑くもない、なんなら音もない。

だが私は誰かを探すように走り、辺りを見渡し、また走る。

だが誰を探してるのかはわからない。
私は必死だった。

「ーー!!」

途方もなく走っては何かを叫ぶ。
叫んでいるのに自分の声でさえ聞こえない。

そしてまた走り出す。
足がもう限界、それくらい全力で走っていた。
そして気づけば足元には水が薄く溜まり、足を濡らしていた。
走れば走るほど水を巻き上げ波紋を作る。


ふつふつと湧き出るこの気持ちは孤独感。
精一杯呼んでも聞こえず届かないこの気持ちは喪失感。

とうとう足は動かない、力なく膝をついて座り込んだ。

「どこなの…」

出て来た言葉はすんなり声に出て、聴覚を刺激した。
膝も濡れ、尻も濡れ、地面に着いた手も濡れた。


私は何を探しているかわからないが必死だった。
だがこの探し物が毎朝私に涙を流させ、悲しい感情を生んでいたようだ。







そして目が覚めた。

やはり涙を流し、喪失感と孤独感は私を蝕んでいた。
いつのまにか昼にでもなったのか日差しは燦々と部屋に差し込んでいた。

「はぁ」

ベッドのスプリングを軋ませ起き上がった。
静かな部屋はあの夢を彷彿とさせ気分が悪かった。
リビングに行き、テレビを付ける。
やっているのはニュースババラエティーで楽しげにアミューズメントパークの紹介をしていた。


『なまえ…』


ぼんやりとテレビを見ているとどこからか自分を呼ぶ声が聞こえた。
周りを見たところで一人暮らしの身、他の人がいたらそれは恐ろしい話だ。
きっと気のせいだ。と片付けまたぼんやりとテレビを眺めた。







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