第一の改変!惑星ベジータから来たサイヤ人、ラディッツ!




 ポッド着地点。平原に地面をえぐったような大きなクレーターが出来ており、中央には丸い小型の宇宙船が鎮座している。
 近くで、ラディッツと悟空たちが戦っていた。倒れている悟空の体に足を置き、体重をかけて苦しめる。
 その時、宇宙船から何かが飛び出してきた。真ん中に孫と書かれた中華服をみにまとい、頭にはドラゴンボールの一つである四星球が帽子に飾ってある。髪型や顔立ちが、悟空とよく似た四歳くらいの男児だ。
 子供――孫悟飯は父親が傷つけられる姿を見て、怒りの形相で睨む。

「お父さんを虐めるなー!!」

 気を爆発させ、タックルをする。
 ラディッツは驚き、瞳が赤い光をともす。造作なく、体当たりを回避した。
 悟飯は勢いを止めることができず、地べたに転がってしまう。

「このガキッ!!」

 ラディッツが片手をあげる。
 悟空は叫んだ。

「や、止めろーー!!」

 気弾を作り、撃ち放つ。悟飯は意識を失っていて動く事ができなかった。地表に当たり、轟音を響かせる。爆発の衝撃で砂ぼこりと強風が吹き荒れる。
 砂煙が消え、辺りが見やすくなる。爆破によってえぐられた地面、上部分がなくなり焼け跡を残した木の残骸が散らばっていた。

「む?」

 片耳に装着しているスカウターが音を発する、新たな人間の気を計測した。反応を示したのは、彼の背後から数メートルはなれた場所だった。
 ラディッツは振り返る。
 そこにいたのは、赤髪の男――クラスだった。腕には、気絶している悟飯を抱きかかえている。到着した後、気弾が当たる寸前に助けることができた。
 起こさぬよう、ゆっくりと優しく下ろし、頭をなでた。立ちあがり、憤然とした様相で三人の元へ歩いていく。

「なんだと……!」

 突然の乱入者に、ピッコロと悟空は驚いた表情をする。

「き、貴様の知り合いか、孫悟空」
「いや……」

 クラスは悟空道の近くで立ち止まる。
 ラディッツがクラスを見つめながら問う。

「何者だ」
「しいて言うなら――アンタの敵だ」

 倒れていた悟空が立ち上がり、クラスへと顔を向ける。

「おめぇ……オラ達と、戦ってくれるんか?」

 クラスが頷くと、口元に笑みをうかべる。

「誰だかわかんねぇけど、サンキュー」
「ふん、足をひっぱるなよ」

 ラディッツは悟空達のやりとりを鼻で笑う。

「雑魚が何匹増えようが、変わるものか!!」

 両手を広げると紫色のレーザー光線が、クラス達に向かって放たれる。
 クラスはバックステップで避けた。

「ん?」

 空をみると、悟空とピッコロが飛翔しながら戦闘をしている。
 クラスが見上ていると、ふいにトランクスの声がきこえた。

「聞こえますか?」
「トランクス?」
『良かった、ちゃんとつながったようですね。オレは時の巣から通信でサポートさせてもらいます。いいですか、ラディッツは本来の歴史より強くさらに残忍になっているようです。悟空さん達が止めをさせるように体力を削ってください』
「了解。ところで、空中に浮いてんだけど、何でだ?」
『あれは舞空術といって、気で空を飛ぶ技です、貴方にもできるはずです』
「どうやるんだ?」
『気を放出して飛行するイメージを思い描いてください』

 クラスは瞼を閉じながら、神経を体全体に集中させる。自分の中で巡っている気が外へと噴き出され、浮遊している姿を脳内に思い浮かべる。
 足元に生えている草が、風を受けたかのようにたなびき始める。脚部が地面から上昇した。違和感に目の鞘を開き、顔を下に向ける。

「おおっ、浮か」 

 成功したのを喜んだ瞬間、クラスの体が両足を中心に回転しながら空中へと高飛ぶ。

「うおおおっ!?」

 コントロールが効かないまま、悟空の方へと乱れ飛んだ。
 ラディッツと悟空は目にも止まらぬ早さで、攻防している。
 悟空の鉄拳が振り下ろされる。
 ラディッツの姿がきえ、悟空の背後に現れた。

「しまっ……!」

 隙を突き、悟空に襲いかかろうとする。

「おおおおっ!?」
「ん? なっ、ぐあっ!!」

 ラディッツは自分に突っ込んでくるクラスに気づいた。が、避けることができず大きな音を立てて腹に石頭がぶつかり、反動でふきとばされる。
 暴走が止まり、クラスは衝突した部分を両手でおさえて呻いた。

「痛って〜〜! 集中する場所を間違えた〜〜!!」
『も、もしかして、足にだけ気を集中させてたんですか?』
「放出するって言うから足からって思ったんだ……。よく考えたら、それじじゃあバランスがとれないし、あぁなるよな」
『はは……』

 トランクスから苦笑まじりの声がきこえる。どうコメントすればいいか分からない様子だった。
 悟空がクラスに話しかけた。

「舞空術を使えるんのか。おめぇ、一体どこで修行したんだ?」
「ええっと……」

 クラスは頭をかく。修行をせず、出来るようになったと言うべきか悩む。
 猛烈な気が肌をざわつかせる。

「っ!」

 先ほど吹き飛ばされたラディッツが、クラスめがけて蹴りを放つ。クラスは両腕でガードをし、受け止めた。

「雑魚如きが舐めやがって!」

 怒りを露わにしながら、クラスにむかって拳を連打していく。クラスはラディッツの攻撃に身を躱し続ける。

「はぁっ!!」

 クラスがラディッツに向かって蹴り込むと、姿が消えた。

「!? うがっ!」

 背中を蹴り飛ばされる。
 クラスは吹き飛び、眼前に気弾がせまってくる。

「うおっとぉっ!!」

 ギリギリで避けると、地面に落ちて爆散した。穴が開いた地面に、冷や汗をかく。

「あっぶねぇ。なんだ今の」
「あれはゼットバニッシュといって、気で瞬間移動をして相手の背後をとる技です」
「なら……」

 ラディッツが突っ込み、脚を大きくふりかざす。振り下ろされるとと同時に、クラスの姿が消失した。

「なにっ!?」

 クラスはラディッツの後ろに出現し、ふりかえると同じタイミングで顔をなぐりつけた。

「ぐうっ!」

 クラスはしてやったり顔で笑う。

「やっぱり、できたな」

 ラディッツは口の端から流れる血をふき、忌ま忌ましそうにクラスを睥睨する。

「おのれ、雑魚地球人の分際で」

 しかし、ラディッツの瞳に戸惑いの色が浮かび。

「いや……気の流れが地球人ではない……!? 貴様、まさか……!」

 ラディッツが何か言いかけた。

「かめはめ、波ーー!!」

 叫びと同時に、青いビームがとんでくる。
 ラディッツがさけると悟空が近づき、拳と脚のぶつかり合いが始まる。

「おいっ、そこのわけのわからんお前!」

 声の方向を見ると、陸上に降りているピッコロが話しかけた。

「孫悟空と共に奴の体力を削れ! とどめは俺が刺す!」
「了解!」

 指示を開き、クラスは悟空と共にラディッツを攻撃していく。技をはなちやすいように地上へとおいつめていく。

「ぐうう……っ!」

 強化されたラディッツでも、二人相手では苦しそうだった。
 激しい攻防の末。

「ぐああ!!」

 クラスの一撃が当たり、後退する。
 いつの間にか悟空がラディッツの背後にまわり、脇の下から両腕を回して拘束した。

「な、何をする!」

 抵抗を試みるが、悟空はけっして離そうとしない。

「今だ、ピッコロ! やれー!!」
「魔貫光殺砲ー!!」

 指先にたまっていた気がまっすぐとラディッツに向かって放たれる。
 羽交い締めを解くことができず、光線が直撃する。そのまま、ラディッツもろとも悟空の胸を貫いた。

「ち、ちくしょー!!」

 最期の 咆哮をあげながら、うティッツは悟空と共に地面に倒れた。
 ピッコロは息を荒くしながらつぶやいた。

「や、やったのか……!」

 ふと、ある事に気づく。
 先ほどまで一緒に戦っていたクラスが居ない。あたりを見渡すが、気配や姿が消え去っていた。

「なんだったんだ。あいつは……」

 クラスはというと、ラディッツに一撃加えたあと、上空へと移動していた。
 一連のでき事をみおわり、光に包まれ移動した。

 クラスが時の巣へと戻ってくる。
 出現したクラスを、トランクスが出迎えた。

「おつかれ様です。初めて舞空術を使って、すぐ動けるなんて凄いです」
「ありがと。思いっきり暴発したけどな」
「あはは……でも、不要に歴史を変えることなく、改変を食い止めましたね」

 広げていた巻物を閉じ、クラスにみせる。
 出ていた黒いオーラが消失していく。

「これであとは時の界王神様にまとめてもらえば、全て解決……と」

 クラスは先ほどから考えていた疑問を聞いてみる。

「なぁ、トランクス。悟空さんなんだだけど、ピッコロさんの技を受けて死んだのか?」
「あぁ、心配入りませんよ。ちゃんと、ドラゴンボールで生き返りますから」
「ドラゴンボール?」
「七つ集めてとある呪文を唱えると、神龍を呼びだせる特別な玉です。死者蘇生の願いも叶えてくれるんです」
「すごい代物なんだな」

 自分を呼んだ巨大な龍はとんでもない存在なのだと、クラスは痛感した。
 トランクスは神妙そうな顔をする。

「あと、先ほどの歴史改変の件ですが、実は改変が起きているのはあの巻物だけじゃないんです。ですが、色々あってと思うので今日はゆっくり休んでください。修正は明日に回しましょう」
「あぁ、助かる」

 クラスは安堵した。様々な出来事と戦闘に、ほんの少しだけ疲労を感じていたからだ、休憩できることがありがたいと思った。

「それにしても、オレとの手合わせやラディッツとの戦闘でも強かったですね。流石は、悟空さんと同じ純粋なサイヤ人です」
「えっ?」
「えっ?」

 クラスの返答に、トランクスはオウム返しをする。

「えっ? 俺サイヤ人なの?」
「……あの、もしかして」
「知らなかった」

 沈黙がおとずれる。

「えぇーーー!?」

 トランクスの叫びに刻蔵庫が再度ゆれた。

「知らなかったんですか!?」
「あぁ!!」
「力強くいう所じゃってこのやりとり先ほどもしましたよね!」
「天丼って奴だな!」

 トランクスは思わず額に片手をそえる。
 対するクラスは気にしている様子はなく、あっけらかんとしていた。

「知らないなら学べばいいだろ? 悟空さんや自分についてわからないから、色々教えてくれないか?」

 クラスは屈託のない笑顔で言う。何も知らないことを恥ずかしがらず堂々としていた。
 トランクスは瞬きをし、仕方ないというように微笑んだ。

「わかりました、オレでよければ力になります」
「ありがとよ」
「ではまず、悟空さんについてから学びましょうか」
「それって長いか?」
「相当」
「おぅ……まぁ、がんばるか」

 トランクスによる孫悟空についての長話が始まった。
 締まらない出会いと登場であったが、これが後に『トキトキ都の英雄』と呼ばれる、彼の第一歩だった。

 ポッド着地点。平原に地面をえぐったような大きなクレーターが出来ており、中央には丸い小型の宇宙船が鎮座している。
 近くで、ラディッツと悟空たちが戦っていた。倒れている悟空の体に足を置き、体重をかけて苦しめる。
 その時、宇宙船から何かが飛び出してきた。真ん中に孫と書かれた中華服をみにまとい、頭にはドラゴンボールの一つである四星球が帽子に飾ってある。髪型や顔立ちが、悟空とよく似た四歳くらいの男児だ。
 子供――孫悟飯は父親が傷つけられる姿を見て、怒りの形相で睨む。

「お父さんを虐めるなー!!」

 気を爆発させ、タックルをする。
 ラディッツは驚き、瞳が赤い光をともす。造作なく、体当たりを回避した。
 悟飯は勢いを止めることができず、地べたに転がってしまう。

「このガキッ!!」

 ラディッツが片手をあげる。
 悟空は叫んだ。

「や、止めろーー!!」

 気弾を作り、撃ち放つ。悟飯は意識を失っていて動く事ができなかった。地表に当たり、轟音を響かせる。爆発の衝撃で砂ぼこりと強風が吹き荒れる。
 砂煙が消え、辺りが見やすくなる。爆破によってえぐられた地面、上部分がなくなり焼け跡を残した木の残骸が散らばっていた。

「む?」

 片耳に装着しているスカウターが音を発する、新たな人間の気を計測した。反応を示したのは、彼の背後から数メートルはなれた場所だった。
 ラディッツは振り返る。
 そこにいたのは、赤髪の男――クラスだった。腕には、気絶している悟飯を抱きかかえている。到着した後、気弾が当たる寸前に助けることができた。
 起こさぬよう、ゆっくりと優しく下ろし、頭をなでた。立ちあがり、憤然とした様相で三人の元へ歩いていく。

「なんだと……!」

 突然の乱入者に、ピッコロと悟空は驚いた表情をする。

「き、貴様の知り合いか、孫悟空」
「いや……」

 クラスは悟空道の近くで立ち止まる。
 ラディッツがクラスを見つめながら問う。

「何者だ」
「しいて言うなら――アンタの敵だ」

 倒れていた悟空が立ち上がり、クラスへと顔を向ける。

「おめぇ……オラ達と、戦ってくれるんか?」

 クラスが頷くと、口元に笑みをうかべる。

「誰だかわかんねぇけど、サンキュー」
「ふん、足をひっぱるなよ」

 ラディッツは悟空達のやりとりを鼻で笑う。

「雑魚が何匹増えようが、変わるものか!!」

 両手を広げると紫色のレーザー光線が、クラス達に向かって放たれる。
 クラスはバックステップで避けた。

「ん?」

 空をみると、悟空とピッコロが飛翔しながら戦闘をしている。
 クラスが見上ていると、ふいにトランクスの声がきこえた。

「聞こえますか?」
「トランクス?」
『良かった、ちゃんとつながったようですね。オレは時の巣から通信でサポートさせてもらいます。いいですか、ラディッツは本来の歴史より強くさらに残忍になっているようです。悟空さん達が止めをさせるように体力を削ってください』
「了解。ところで、空中に浮いてんだけど、何でだ?」
『あれは舞空術といって、気で空を飛ぶ技です、貴方にもできるはずです』
「どうやるんだ?」
『気を放出して飛行するイメージを思い描いてください』

 クラスは瞼を閉じながら、神経を体全体に集中させる。自分の中で巡っている気が外へと噴き出され、浮遊している姿を脳内に思い浮かべる。
 足元に生えている草が、風を受けたかのようにたなびき始める。脚部が地面から上昇した。違和感に目の鞘を開き、顔を下に向ける。

「おおっ、浮か」 

 成功したのを喜んだ瞬間、クラスの体が両足を中心に回転しながら空中へと高飛ぶ。

「うおおおっ!?」

 コントロールが効かないまま、悟空の方へと乱れ飛んだ。
 ラディッツと悟空は目にも止まらぬ早さで、攻防している。
 悟空の鉄拳が振り下ろされる。
 ラディッツの姿がきえ、悟空の背後に現れた。

「しまっ……!」

 隙を突き、悟空に襲いかかろうとする。

「おおおおっ!?」
「ん? なっ、ぐあっ!!」

 ラディッツは自分に突っ込んでくるクラスに気づいた。が、避けることができず大きな音を立てて腹に石頭がぶつかり、反動でふきとばされる。
 暴走が止まり、クラスは衝突した部分を両手でおさえて呻いた。

「痛って〜〜! 集中する場所を間違えた〜〜!!」
『も、もしかして、足にだけ気を集中させてたんですか?』
「放出するって言うから足からって思ったんだ……。よく考えたら、それじじゃあバランスがとれないし、あぁなるよな」
『はは……』

 トランクスから苦笑まじりの声がきこえる。どうコメントすればいいか分からない様子だった。
 悟空がクラスに話しかけた。

「舞空術を使えるんのか。おめぇ、一体どこで修行したんだ?」
「ええっと……」

 クラスは頭をかく。修行をせず、出来るようになったと言うべきか悩む。
 猛烈な気が肌をざわつかせる。

「っ!」

 先ほど吹き飛ばされたラディッツが、クラスめがけて蹴りを放つ。クラスは両腕でガードをし、受け止めた。

「雑魚如きが舐めやがって!」

 怒りを露わにしながら、クラスにむかって拳を連打していく。クラスはラディッツの攻撃に身を躱し続ける。

「はぁっ!!」

 クラスがラディッツに向かって蹴り込むと、姿が消えた。

「!? うがっ!」

 背中を蹴り飛ばされる。
 クラスは吹き飛び、眼前に気弾がせまってくる。

「うおっとぉっ!!」

 ギリギリで避けると、地面に落ちて爆散した。穴が開いた地面に、冷や汗をかく。

「あっぶねぇ。なんだ今の」
「あれはゼットバニッシュといって、気で瞬間移動をして相手の背後をとる技です」
「なら……」

 ラディッツが突っ込み、脚を大きくふりかざす。振り下ろされるとと同時に、クラスの姿が消失した。

「なにっ!?」

 クラスはラディッツの後ろに出現し、ふりかえると同じタイミングで顔をなぐりつけた。

「ぐうっ!」

 クラスはしてやったり顔で笑う。

「やっぱり、できたな」

 ラディッツは口の端から流れる血をふき、忌ま忌ましそうにクラスを睥睨する。

「おのれ、雑魚地球人の分際で」

 しかし、ラディッツの瞳に戸惑いの色が浮かび。

「いや……気の流れが地球人ではない……!? 貴様、まさか……!」

 ラディッツが何か言いかけた。

「かめはめ、波ーー!!」

 叫びと同時に、青いビームがとんでくる。
 ラディッツがさけると悟空が近づき、拳と脚のぶつかり合いが始まる。

「おいっ、そこのわけのわからんお前!」

 声の方向を見ると、陸上に降りているピッコロが話しかけた。

「孫悟空と共に奴の体力を削れ! とどめは俺が刺す!」
「了解!」

 指示を開き、クラスは悟空と共にラディッツを攻撃していく。技をはなちやすいように地上へとおいつめていく。

「ぐうう……っ!」

 強化されたラディッツでも、二人相手では苦しそうだった。
 激しい攻防の末。

「ぐああ!!」

 クラスの一撃が当たり、後退する。
 いつの間にか悟空がラディッツの背後にまわり、脇の下から両腕を回して拘束した。

「な、何をする!」

 抵抗を試みるが、悟空はけっして離そうとしない。

「今だ、ピッコロ! やれー!!」
「魔貫光殺砲ー!!」

 指先にたまっていた気がまっすぐとラディッツに向かって放たれる。
 羽交い締めを解くことができず、光線が直撃する。そのまま、ラディッツもろとも悟空の胸を貫いた。

「ち、ちくしょー!!」

 最期の 咆哮をあげながら、うティッツは悟空と共に地面に倒れた。
 ピッコロは息を荒くしながらつぶやいた。

「や、やったのか……!」

 ふと、ある事に気づく。
 先ほどまで一緒に戦っていたクラスが居ない。あたりを見渡すが、気配や姿が消え去っていた。

「なんだったんだ。あいつは……」

 クラスはというと、ラディッツに一撃加えたあと、上空へと移動していた。
 一連のでき事をみおわり、光に包まれ移動した。

 クラスが時の巣へと戻ってくる。
 出現したクラスを、トランクスが出迎えた。

「おつかれ様です。初めて舞空術を使って、すぐ動けるなんて凄いです」
「ありがと。思いっきり暴発したけどな」
「あはは……でも、不要に歴史を変えることなく、改変を食い止めましたね」

 広げていた巻物を閉じ、クラスにみせる。
 出ていた黒いオーラが消失していく。

「これであとは時の界王神様にまとめてもらえば、全て解決……と」

 クラスは先ほどから考えていた疑問を聞いてみる。

「なぁ、トランクス。悟空さんなんだだけど、ピッコロさんの技を受けて死んだのか?」
「あぁ、心配入りませんよ。ちゃんと、ドラゴンボールで生き返りますから」
「ドラゴンボール?」
「七つ集めてとある呪文を唱えると、神龍を呼びだせる特別な玉です。死者蘇生の願いも叶えてくれるんです」
「すごい代物なんだな」

 自分を呼んだ巨大な龍はとんでもない存在なのだと、クラスは痛感した。
 トランクスは神妙そうな顔をする。

「あと、先ほどの歴史改変の件ですが、実は改変が起きているのはあの巻物だけじゃないんです。ですが、色々あってと思うので今日はゆっくり休んでください。修正は明日に回しましょう」
「あぁ、助かる」

 クラスは安堵した。様々な出来事と戦闘に、ほんの少しだけ疲労を感じていたからだ、休憩できることがありがたいと思った。

「それにしても、オレとの手合わせやラディッツとの戦闘でも強かったですね。流石は、悟空さんと同じ純粋なサイヤ人です」
「えっ?」
「えっ?」

 クラスの返答に、トランクスはオウム返しをする。

「えっ? 俺サイヤ人なの?」
「……あの、もしかして」
「知らなかった」

 沈黙がおとずれる。

「えぇーーー!?」

 トランクスの叫びに刻蔵庫が再度ゆれた。

「知らなかったんですか!?」
「あぁ!!」
「力強くいう所じゃってこのやりとり先ほどもしましたよね!」
「天丼って奴だな!」

 トランクスは思わず額に片手をそえる。
 対するクラスは気にしている様子はなく、あっけらかんとしていた。

「知らないなら学べばいいだろ? 悟空さんや自分についてわからないから、色々教えてくれないか?」

 クラスは屈託のない笑顔で言う。何も知らないことを恥ずかしがらず堂々としていた。
 トランクスは瞬きをし、仕方ないというように微笑んだ。

「わかりました、オレでよければ力になります」
「ありがとよ」
「ではまず、悟空さんについてから学びましょうか」
「それって長いか?」
「相当」
「おぅ……まぁ、がんばるか」

 トランクスによる孫悟空についての長話が始まった。
 締まらない出会いと登場であったが、これが後に『トキトキ都の英雄』と呼ばれる、彼の第一歩だった。






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