第二の改変!強襲のサイヤ人、ベジータとナッパ!




 ラディッツとの戦いから、一日が過ぎた。
 クラスは商業地区のベンチに座りながら、空中ディスプレイに映っている電子書庫を読んでいた。内容は悟空の歴史が書かれた、子供向けのものだ。トランクスから自分が語るには少し長すぎるという事でおすすめされた。
 案内してもらった家から、今は終盤あたりまで進んでいた。

「クラス」

 声をかけられ、顔を向ける。
 そこには、エオスがいた。片手には長めのパンがはみ出た、茶色い紙袋を抱えている。

「エオス。買い物か?」
「ゲンキカプセルと、ついでに食材を買いにね。何を見ているの?」
「悟空さんの歴史書だよ。すげぇ人だよな」

 孫悟空の人生は戦いの連続だった。
 襲いかかってきたのはラディッツだけではなく、後からやって来た二人組のサイヤ人や宇宙の帝王とよばれたフリーザ族、多種族の細胞が混じった人造人間に、魔人族の祖先。
 全てが普通の人間たちで太刀打ちできない、強大な力を持った敵たちだ。
 しかし、強敵が現れるたびに修行をし強くなっていき、地球のピンチを仲間とともに救ってきた。英雄と崇められて当然だとクラスは感じた。
 ふと、不思議に思った事をエオスに尋ねる。

「そういえば、サイヤ人には尻尾が生えてるって書いてあったが、エオスにもあるのか?」
「もちろん」

 エオスは腰に巻き付けていた尻尾をゆるりと解放する。猫のように長く、茶色くて毛深かった。

「私達サイヤ人は満月のブルーツ波をあびると大猿に変身するの。大抵は大猿化しても意識は保てるけど、変身に慣れてない子は失ってしまうみたい」
「そうなのか。でも、満月をみなければ変身しないんだろ?」
「いいえ、満月以外にもなる方法があるわ」
「え?」

 どんな方法なんだと聞こうとする。

「クラス様」

 機械音声がクラスの名前を呼ぶ。
 いつの間にかロボットがいた。丸い球体のようなボディに、目の部分には透明なレンズと緑色のスカウターらしき液晶をつけている。中央には大文字でCと書かれた文字が入っている。
 トランクスによると、このロボットはトランクスが未来から持ち込んだものでパラレルクエストやショップの受付、道ばたのゴミ掃除などをやってくれるらしい。
 レンズ部分を光らせながら音声を発した。

「トランクス様ガオ呼ビデス。至急、時ノ巣に向カッテクダサイ」
「任務みたいだな」
「クラス、頑張ってね」
「ありがとう。行ってくる」

 クラスはベンチから立ちあがり、時の巣へと歩いた。
 時の巣に行くとまだ会っていない時の界王神様の自宅前で、トランクスが立っていた。トランクスはクラスに気付き、笑みを浮かべた。

「来てくれてありがとうございます。準備はいいですか?」
「おう、ばっちりだ」
「それじゃあ、刻蔵庫に向かいましょう」

 二人は刻蔵庫へと入っていく。
 刻蔵庫の中。トランクスは邪なオーラの放った巻物を持ってきて、机の上へと広げた。
 映し出されたのは地球に存在する荒野。黒髪で紫色の道着姿の悟飯と、亀仙流の道着を着用しているクリリンが、地に伏せている。その二人だけではなく、白いタンクトップに翠色のズボンを穿いた天津飯と、クリリンと同じ服を着たヤムチャも倒れていた。
 四人組から、生き物へとカメラが移動する、
 子供ほどの身長で二足歩行をし、緑色の肌に頭部が人間よりも長い。手足の指が三つしかなく鋭い爪のようなものが伸びていた。
 不気味に笑いながら顔を見合わせている三匹は、邪悪な気をまとっていた。
 場面が変わり、傷だらけになった悟空の姿が映る。上着部分はボロボロに破れ、上半身が露出している。息苦しそうに呼吸をし、満身創痍だった。
 目線の先にはラディッツと同型の黒い戦闘服と、型の違う青いのを身に纏った二匹の大猿が悟空を見下ろしていた。
 悟空が赤いオーラを放出しながら驀進する。しかし、大猿の腕にたやすく吹き飛ばされてしまった。最後の気を使い切り、息を切らしてしまった。
 映像はそこで停止した。

「この巻物も、歴史改変がされています。修正をお願いします」
「おう」
「正しい歴史は覚えてますか?」
「大丈夫だ、ちゃんと勉強したからな」

 クラスは巻物を畳み、手に持つ。
 まぶたを閉じると、白い光がクラスを包み込んだ。


 移動した場所は荒野。
 ナッパとベジータと対峙していたクリリン達は、クラスの登場に驚く。知らない人物に戸惑いを見せたが、戦力が増えると考え共闘をする。
 トランクスの通信をきき、奇妙な生き物――サイバイマンを減らすのに集中する。

「ギャギャッ!」

 サイバイマンの攻め込みをよけ、顔面に痛烈な蹴りを加えた。蹴飛ばされたサイバイマンが岩へと当たる。
 能力的には前に戦かったラディッツと同等ぐらい、一対一でなら余裕で勝てる。だが、複数では互いに連携をとり、追い詰めていく。弱い分、数が多いと厄介な相手だ。
 ふと、クラスが周りをみると他の仲間の姿が消えている。いつの間にか居た場所から引き離されていた。

『このままでは全員やられてしまいます! 急いでください!』
「分かってる!」

 合流しようと、襲ってくる敵を蹴散らしていく。
 大きな爆発音が聞こえた。
 地面にはヤムチャと、左腕を切断された天津飯が倒れていた。
 ヤムチャはサイバイマンと戦ったが、油断した隙に抱きつかれて爆死させられた。天津飯はナッパを道づれに自爆したチャオズの無念を晴らすべく、全ての力を集中させた気功法を放つが、ナッパにダメージを与えることができなかった。気力を使い果たし、彼も息絶えてしまった。

「悟空ー! 早く来てくれー!!」

 クリリンの悲痛な叫びが空に響き渡る。
 ヤムチャたちの死は決して無駄なものではなく、今後の流れのために必要な犠牲だった。本来の歴史道理に進んでいる。
 頭では仕方のないと理解しつつ、人が死んだ事実にクラスは唇をかみしめる。

「情けねぇサイバイマンだぜ、相打ちとはよ!! あんなクズども相手に何やってやかんだ!」
「おい! 汚いから片付けとは、そのボロクズを!!」

 ナッパとベジータの嘲笑うかのような罵声が飛ぶ。
 クラスの耳が動き、拳をきつく握りしめる。

「ギャギャッ!!」

 サイバイマンが突っ立っているクラスへと飛び上がる。触れる直後、右手の裏拳が顔面に叩きつけられ、地表へと転がった。
 クラスは顔を、無表情のままサイバイマン達を睨みつける。全身から怒気を溢れだし、頬には血管が浮かんでいた。サイバイマンマン達はクラスのオーラに当てられ、震えながら後退する。
 しかし、自分の主人を前に逃げるわけにはいかないのか、一斉に襲いかかってきた。
 クラスはサイバイマン達の攻撃を左右に流していく。避けるふりをして、一匹の足を掴んだ。

「グギャ!!」

 残った二匹を打ち振るい吹き飛ばす。追撃をかけるように片手で持っているのを、同じ方向へと放り投げた。

「これでもくらえ」

 クラスは両手にエネルギーを溜め、両手のひらを前に突き出し、何十個もの大きめな気弾を撃った。
 無数の青い玉がサイバイマン達に直撃し、爆発四散した。
 周りを見るとサイバイマンは全滅していた。全て倒し終えたので、クラスは急いでピッコロ達の元へ移動した。
 場所に戻ると、ピッコロたちは倒れ伏せているサイバイマンの頭をふみつけたナッパと対峙していた。
 ナッパとベジータの戦闘力はラディッツよりもはるかに強い。しかも、なんらかの力によって強化されている。油断したらやられてしまうだろう。
 ナッパは指をならしていた。

「いよいよ本番ってわけだ。さあて、どいつから片付けてやるか」

 品定めするかのようにクラス達をみる。

「まずは……テメエからだ!!」

 ナッパはクラスへ突っ込む。見た目からは想像もしない素早さで、目前へと迫った。クラスに向かって片腕を振り上げる。当たる直前で右へと避けた。反撃に体を回転させ足蹴をするが、片腕で止められた。
 目も止まらぬ早さで二人は動き、拳と足の応酬がなされる。
 ナッパの殴打をクラスは両腕で受け止めた。重い一撃が加えられ、地面に少しだけめりこんだ。
 なんとか腕ではじき返し、バックステップで距離をあける。

「重いなっ……!」
『ナッパからも邪悪なオーラを感じ取れると思います。あれに包まれてる者は戦闘力が格段に上がり、本来の歴史とはちがう行動をとるんです。歴史どおりになるよう、みんなに加勢してください!』

 トランクスの言葉をきき、クラスは悟飯達と共にナッパの体力を削っていく。数人がかりで猛攻をするが、元々の実力の高さとパワーアップされた
 クラスの気弾が直撃し、ナッパの戦闘服が壊れ上半身が晒された。
 悟飯の痛烈な蹴りがナッパの顔面に打ち据えられ、岩山へとふきとばされた。ぶつかった衝撃で大きなひびが入り、岩が崩れ落ちた。

「やっ、やったか……?」

 静かな中、クリリンが呟く。
 石と共にナッパが立ち上がっている。弱い人間に蹴られた事実に、鬼のような形相をしていた。
 ナッパは大きく片腕を振りかざした。

「死ねーっ!」

 片手に溜めた気を悟飯に向けて発つ。打つ方が早く、悟飯は避けられずに立ち尽くす。
 悟飯に当たる直前、ピッコロが守るように立ちふさがった。

「がぁぁぁーーー!!」

 ピッコロは全身で受けとめた。
 攻撃が消えたと同時に、ドサリと前のめりで倒れ伏す。

「ピ……ピッコロさん……!」

 悟飯は瞼に涙をにじませながら、ピッコロに近づいた。
 ピッコロは悟空と関わり自分が甘くなり、悟飯とともに修行をした日々は悪くなかったと微笑んだ。

「逃げろ……悟飯……!!」

 最後の言葉を告げ、動かくなる。
 悟飯はピッコロが息を引き取ったのを理解し、大きな泣き声をあげながらすがりついた。

「チッ! 馬鹿が……殺す順番が変わっただけじゃねぇか」

 ナッパは忌ま忌ましそうに舌打ちをする。邪魔をされたことに腹を立てている様子だ。
 クラス不愉快だと言いたげにナッパを睨み、姿を消した。
 瞬間、一気に距離詰め、ナッパの左の頬に拳をめり込ませた。
 一瞬の出来事で反応できず、軽く吹っ飛ばされた。
 口のはしから流れる血を乱暴に拭き取り、瞋怒を露わにした。

「テメェ〜〜! 頭にきたぞ!!」
『これだけ圧倒してるのにまだ倒れないなんて、なんてタフなやつなんだ。これが、純粋なサイヤ人のパワー……!』
「流石だな……けど、そろそろ音を上げそうだぜ!」

 クラスの言ったとおり、ナッパの体力は削られている。力を強化された所で、受けた傷が回復するわけではない。身体は傷だらけで、呼吸を荒くしていた。
 強大な気が近くに居る事を感じとり、悟飯とクリリン方に目線を向ける。
 筋斗雲を使いここまでやって来た、孫悟空が現れた。
 死んだ後、北の界王によって修行をつけられたのは知っている。その証拠に、ディッツの時よりも強くなっているのを雰囲気で感じることがでいた。
 悟空が二人にさがるように促す。クリリンは悟飯を説得し、舞空術で移動した。
 悟空の相手をするのはベジータだ。彼も不思議な能力でパワーアップしており、一人で倒すのは困難だろう。
 クラスはナッパと向かい合う。
 ナッパは襲いかかるが、先ほどよりも動きが鈍い。恐らく体を動かすのが精一杯なのだろう。隙を見逃さず、クラスは容赦なく猛攻をしていく。ナッパの頬にクラスの蹴りが当たり、菜っ葉は怒りのまま拳を振るうが避けられるだけだった。
 ボロボロになったナッパが叫ぶ。

「ちくしょおぉぉぉーーーー!! ちくしょおおおーーーーっ!! オレは名門のエリート戦士だ! 貴様のような得体のしれない奴になめられてたまるかっ!」

 ナッパのパンチがクラスに放たれる。
 クラスはしゃがんでよけ、ナッパのふところに潜り込み、拳骨を鳩尾へとめり込ませた。

「ぐはぁっ……!!」

 口から唾液を吐き出し、白目をむいて気絶した。地べたで動かなくなったナッパを見下ろしながら、冷たく言い放つ。

「エリートとかなんとか、俺には関係ない」

 クラスは舞空術を使い、悟空の元へと向かった。

 ラディッツとの戦いから、一日が過ぎた。
 クラスは商業地区のベンチに座りながら、空中ディスプレイに映っている電子書庫を読んでいた。内容は悟空の歴史が書かれた、子供向けのものだ。トランクスから自分が語るには少し長すぎるという事でおすすめされた。
 案内してもらった家から、今は終盤あたりまで進んでいた。

「クラス」

 声をかけられ、顔を向ける。
 そこには、エオスがいた。片手には長めのパンがはみ出た、茶色い紙袋を抱えている。

「エオス。買い物か?」
「ゲンキカプセルと、ついでに食材を買いにね。何を見ているの?」
「悟空さんの歴史書だよ。すげぇ人だよな」

 孫悟空の人生は戦いの連続だった。
 襲いかかってきたのはラディッツだけではなく、後からやって来た二人組のサイヤ人や宇宙の帝王とよばれたフリーザ族、多種族の細胞が混じった人造人間に、魔人族の祖先。
 全てが普通の人間たちで太刀打ちできない、強大な力を持った敵たちだ。
 しかし、強敵が現れるたびに修行をし強くなっていき、地球のピンチを仲間とともに救ってきた。英雄と崇められて当然だとクラスは感じた。
 ふと、不思議に思った事をエオスに尋ねる。

「そういえば、サイヤ人には尻尾が生えてるって書いてあったが、エオスにもあるのか?」
「もちろん」

 エオスは腰に巻き付けていた尻尾をゆるりと解放する。猫のように長く、茶色くて毛深かった。

「私達サイヤ人は満月のブルーツ波をあびると大猿に変身するの。大抵は大猿化しても意識は保てるけど、変身に慣れてない子は失ってしまうみたい」
「そうなのか。でも、満月をみなければ変身しないんだろ?」
「いいえ、満月以外にもなる方法があるわ」
「え?」

 どんな方法なんだと聞こうとする。

「クラス様」

 機械音声がクラスの名前を呼ぶ。
 いつの間にかロボットがいた。丸い球体のようなボディに、目の部分には透明なレンズと緑色のスカウターらしき液晶をつけている。中央には大文字でCと書かれた文字が入っている。
 トランクスによると、このロボットはトランクスが未来から持ち込んだものでパラレルクエストやショップの受付、道ばたのゴミ掃除などをやってくれるらしい。
 レンズ部分を光らせながら音声を発した。

「トランクス様ガオ呼ビデス。至急、時ノ巣に向カッテクダサイ」
「任務みたいだな」
「クラス、頑張ってね」
「ありがとう。行ってくる」

 クラスはベンチから立ちあがり、時の巣へと歩いた。
 時の巣に行くとまだ会っていない時の界王神様の自宅前で、トランクスが立っていた。トランクスはクラスに気付き、笑みを浮かべた。

「来てくれてありがとうございます。準備はいいですか?」
「おう、ばっちりだ」
「それじゃあ、刻蔵庫に向かいましょう」

 二人は刻蔵庫へと入っていく。
 刻蔵庫の中。トランクスは邪なオーラの放った巻物を持ってきて、机の上へと広げた。
 映し出されたのは地球に存在する荒野。黒髪で紫色の道着姿の悟飯と、亀仙流の道着を着用しているクリリンが、地に伏せている。その二人だけではなく、白いタンクトップに翠色のズボンを穿いた天津飯と、クリリンと同じ服を着たヤムチャも倒れていた。
 四人組から、生き物へとカメラが移動する、
 子供ほどの身長で二足歩行をし、緑色の肌に頭部が人間よりも長い。手足の指が三つしかなく鋭い爪のようなものが伸びていた。
 不気味に笑いながら顔を見合わせている三匹は、邪悪な気をまとっていた。
 場面が変わり、傷だらけになった悟空の姿が映る。上着部分はボロボロに破れ、上半身が露出している。息苦しそうに呼吸をし、満身創痍だった。
 目線の先にはラディッツと同型の黒い戦闘服と、型の違う青いのを身に纏った二匹の大猿が悟空を見下ろしていた。
 悟空が赤いオーラを放出しながら驀進する。しかし、大猿の腕にたやすく吹き飛ばされてしまった。最後の気を使い切り、息を切らしてしまった。
 映像はそこで停止した。

「この巻物も、歴史改変がされています。修正をお願いします」
「おう」
「正しい歴史は覚えてますか?」
「大丈夫だ、ちゃんと勉強したからな」

 クラスは巻物を畳み、手に持つ。
 まぶたを閉じると、白い光がクラスを包み込んだ。


 移動した場所は荒野。
 ナッパとベジータと対峙していたクリリン達は、クラスの登場に驚く。知らない人物に戸惑いを見せたが、戦力が増えると考え共闘をする。
 トランクスの通信をきき、奇妙な生き物――サイバイマンを減らすのに集中する。

「ギャギャッ!」

 サイバイマンの攻め込みをよけ、顔面に痛烈な蹴りを加えた。蹴飛ばされたサイバイマンが岩へと当たる。
 能力的には前に戦かったラディッツと同等ぐらい、一対一でなら余裕で勝てる。だが、複数では互いに連携をとり、追い詰めていく。弱い分、数が多いと厄介な相手だ。
 ふと、クラスが周りをみると他の仲間の姿が消えている。いつの間にか居た場所から引き離されていた。

『このままでは全員やられてしまいます! 急いでください!』
「分かってる!」

 合流しようと、襲ってくる敵を蹴散らしていく。
 大きな爆発音が聞こえた。
 地面にはヤムチャと、左腕を切断された天津飯が倒れていた。
 ヤムチャはサイバイマンと戦ったが、油断した隙に抱きつかれて爆死させられた。天津飯はナッパを道づれに自爆したチャオズの無念を晴らすべく、全ての力を集中させた気功法を放つが、ナッパにダメージを与えることができなかった。気力を使い果たし、彼も息絶えてしまった。

「悟空ー! 早く来てくれー!!」

 クリリンの悲痛な叫びが空に響き渡る。
 ヤムチャたちの死は決して無駄なものではなく、今後の流れのために必要な犠牲だった。本来の歴史道理に進んでいる。
 頭では仕方のないと理解しつつ、人が死んだ事実にクラスは唇をかみしめる。

「情けねぇサイバイマンだぜ、相打ちとはよ!! あんなクズども相手に何やってやかんだ!」
「おい! 汚いから片付けとは、そのボロクズを!!」

 ナッパとベジータの嘲笑うかのような罵声が飛ぶ。
 クラスの耳が動き、拳をきつく握りしめる。

「ギャギャッ!!」

 サイバイマンが突っ立っているクラスへと飛び上がる。触れる直後、右手の裏拳が顔面に叩きつけられ、地表へと転がった。
 クラスは顔を、無表情のままサイバイマン達を睨みつける。全身から怒気を溢れだし、頬には血管が浮かんでいた。サイバイマンマン達はクラスのオーラに当てられ、震えながら後退する。
 しかし、自分の主人を前に逃げるわけにはいかないのか、一斉に襲いかかってきた。
 クラスはサイバイマン達の攻撃を左右に流していく。避けるふりをして、一匹の足を掴んだ。

「グギャ!!」

 残った二匹を打ち振るい吹き飛ばす。追撃をかけるように片手で持っているのを、同じ方向へと放り投げた。

「これでもくらえ」

 クラスは両手にエネルギーを溜め、両手のひらを前に突き出し、何十個もの大きめな気弾を撃った。
 無数の青い玉がサイバイマン達に直撃し、爆発四散した。
 周りを見るとサイバイマンは全滅していた。全て倒し終えたので、クラスは急いでピッコロ達の元へ移動した。
 場所に戻ると、ピッコロたちは倒れ伏せているサイバイマンの頭をふみつけたナッパと対峙していた。
 ナッパとベジータの戦闘力はラディッツよりもはるかに強い。しかも、なんらかの力によって強化されている。油断したらやられてしまうだろう。
 ナッパは指をならしていた。

「いよいよ本番ってわけだ。さあて、どいつから片付けてやるか」

 品定めするかのようにクラス達をみる。

「まずは……テメエからだ!!」

 ナッパはクラスへ突っ込む。見た目からは想像もしない素早さで、目前へと迫った。クラスに向かって片腕を振り上げる。当たる直前で右へと避けた。反撃に体を回転させ足蹴をするが、片腕で止められた。
 目も止まらぬ早さで二人は動き、拳と足の応酬がなされる。
 ナッパの殴打をクラスは両腕で受け止めた。重い一撃が加えられ、地面に少しだけめりこんだ。
 なんとか腕ではじき返し、バックステップで距離をあける。

「重いなっ……!」
『ナッパからも邪悪なオーラを感じ取れると思います。あれに包まれてる者は戦闘力が格段に上がり、本来の歴史とはちがう行動をとるんです。歴史どおりになるよう、みんなに加勢してください!』

 トランクスの言葉をきき、クラスは悟飯達と共にナッパの体力を削っていく。数人がかりで猛攻をするが、元々の実力の高さとパワーアップされた
 クラスの気弾が直撃し、ナッパの戦闘服が壊れ上半身が晒された。
 悟飯の痛烈な蹴りがナッパの顔面に打ち据えられ、岩山へとふきとばされた。ぶつかった衝撃で大きなひびが入り、岩が崩れ落ちた。

「やっ、やったか……?」

 静かな中、クリリンが呟く。
 石と共にナッパが立ち上がっている。弱い人間に蹴られた事実に、鬼のような形相をしていた。
 ナッパは大きく片腕を振りかざした。

「死ねーっ!」

 片手に溜めた気を悟飯に向けて発つ。打つ方が早く、悟飯は避けられずに立ち尽くす。
 悟飯に当たる直前、ピッコロが守るように立ちふさがった。

「がぁぁぁーーー!!」

 ピッコロは全身で受けとめた。
 攻撃が消えたと同時に、ドサリと前のめりで倒れ伏す。

「ピ……ピッコロさん……!」

 悟飯は瞼に涙をにじませながら、ピッコロに近づいた。
 ピッコロは悟空と関わり自分が甘くなり、悟飯とともに修行をした日々は悪くなかったと微笑んだ。

「逃げろ……悟飯……!!」

 最後の言葉を告げ、動かくなる。
 悟飯はピッコロが息を引き取ったのを理解し、大きな泣き声をあげながらすがりついた。

「チッ! 馬鹿が……殺す順番が変わっただけじゃねぇか」

 ナッパは忌ま忌ましそうに舌打ちをする。邪魔をされたことに腹を立てている様子だ。
 クラス不愉快だと言いたげにナッパを睨み、姿を消した。
 瞬間、一気に距離詰め、ナッパの左の頬に拳をめり込ませた。
 一瞬の出来事で反応できず、軽く吹っ飛ばされた。
 口のはしから流れる血を乱暴に拭き取り、瞋怒を露わにした。

「テメェ〜〜! 頭にきたぞ!!」
『これだけ圧倒してるのにまだ倒れないなんて、なんてタフなやつなんだ。これが、純粋なサイヤ人のパワー……!』
「流石だな……けど、そろそろ音を上げそうだぜ!」

 クラスの言ったとおり、ナッパの体力は削られている。力を強化された所で、受けた傷が回復するわけではない。身体は傷だらけで、呼吸を荒くしていた。
 強大な気が近くに居る事を感じとり、悟飯とクリリン方に目線を向ける。
 筋斗雲を使いここまでやって来た、孫悟空が現れた。
 死んだ後、北の界王によって修行をつけられたのは知っている。その証拠に、ディッツの時よりも強くなっているのを雰囲気で感じることがでいた。
 悟空が二人にさがるように促す。クリリンは悟飯を説得し、舞空術で移動した。
 悟空の相手をするのはベジータだ。彼も不思議な能力でパワーアップしており、一人で倒すのは困難だろう。
 クラスはナッパと向かい合う。
 ナッパは襲いかかるが、先ほどよりも動きが鈍い。恐らく体を動かすのが精一杯なのだろう。隙を見逃さず、クラスは容赦なく猛攻をしていく。ナッパの頬にクラスの蹴りが当たり、菜っ葉は怒りのまま拳を振るうが避けられるだけだった。
 ボロボロになったナッパが叫ぶ。

「ちくしょおぉぉぉーーーー!! ちくしょおおおーーーーっ!! オレは名門のエリート戦士だ! 貴様のような得体のしれない奴になめられてたまるかっ!」

 ナッパのパンチがクラスに放たれる。
 クラスはしゃがんでよけ、ナッパのふところに潜り込み、拳骨を鳩尾へとめり込ませた。

「ぐはぁっ……!!」

 口から唾液を吐き出し、白目をむいて気絶した。地べたで動かなくなったナッパを見下ろしながら、冷たく言い放つ。

「エリートとかなんとか、俺には関係ない」

 クラスは舞空術を使い、悟空の元へと向かった。






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