もっと、あまやかして。













「……、」

「……なんだよ、」

「……、……。」

「お前なぁ、何か言わねぇとわかんねぇだろ?」

「……」







月に一度の生理で体調がどうしても辛くて、ベットで横になって休んでいたら仕事から帰ってきたエースが隣で転がってスマホのゲームをし始めるモノだからエースの服を何も言わずグイグイ引っ張っていた。


スマホを投げ出し私の方へと顔を向けてくれたけれど、私はふいっとエースに体を背ける。


すると、エースは溜め息を吐いた。




怒っちゃったかな……、そりゃあ何にも言わないんだし、




腰もお腹も、それに風邪も引き始めで喉が痛いし。もう、声を出すのも辛い。


風邪も移しちゃうから本当は離れなきゃいけないけど離れてしまったら凄く寂しい……。







「…………、」








ふと、背中越しに温もり。




頭をポンポンっと撫でられお腹を温めるように手が当てられる。








「……今日、一番辛い日だもんな。」

「……ん、」

「あと、風邪引いてんだろ。朝出る時声ちょっと掠れてたし。今日はゆっくり休んでろよ、家の事おれするからさ」

「……ありがと」







やっぱり、エースは分かってくれていた。こうやって、何だかんだ私の体調の変化に直ぐに気付いてくれるんだ。


甘やかしてくれるし、凄く気遣ってくれる。








「……、エース」

「ん?」

「……すき」






体をエースの方へと向けて抱き着き胸に擦り寄る。
背中から抱き締めてくれるのも好きだけど、こっちの方がもっと好きだ。






「……なまえ、おれは大好きだ」

「ふふっ……、」

「早く良くなるといいな」

「……うん」








もう少し寝ちまえ、とエースに促され私は安心しゆっくりと目を閉じるのだった。








- 1 -
back