「やっぱかっこいいねー沢北くん」
「は?」
「わ、ちょっ!!」
深津の部屋に飾ってあったバスケ部メンバーの写真を見ていたはずなのに、あっという間に組み敷かれて私の視界には深津しか映らなくなった。
「いまなんて言った?」
「いや、沢北くんかっこいいねって」
「おまえ…」
そういって顔を歪ませながら落ち着かせるように深いため息をつく。いつも冷静で無表情な男がこんな顔をするなんて。
「私何か気に触ること言ったかな?」
「お前、俺の気持ち知っててよくそんな事言えるな、」
「深津の気持ち??」
「は?!」
なんのことかサッパリわからず次の深津の言葉を待つ。なんだか何を言ってもまた地雷を踏みそうで。そういえばこの男、接続語をつけるのを忘れている。それだけ動揺させる事を私は言ってしまったのかな。
「俺は が好きだって、何度も言ってる」
「え、あ…いつ?」
「それは…してるときとか。」
「え!あれ本気?!」
「はぁ?!」
また驚かせてしまったけど、驚いたのはこちらも同じだ。深津とは何度も体を重ねてきたけど、お互いの気持ちの確認とか告白とかは特になかった。先程深津が言っていた「好きだと何度も言っている」というのは行為中にのみ深津の口から吐き出される言葉で、雑談中に聞いたことは1度もないし、ましてや告白なんてものもされてなかったので "行為中に雰囲気で吐いている言葉" としか受け取っていなかった。
「ええ、ほんとに深津が私をすきなの?」
「だからそう言ってる。まさか受け流されてたとは」
「え、うそ、ほんと?嬉しいかも」
「かも、じゃおかしいだろ?やっぱりかっこいい沢北に言われたほうが嬉しいか?」
「いやいやまさか!私、ずっと深津が好きだったから嬉しい」
「は?!」
今日は私が何を言っても深津が驚く日だな、…あ、深津、どんどん顔が赤くなってく。
「そんなの…聞いてないピョン…」
「言ってないもん。てか、ピョン戻ったね」
「なんで早く言ってくれなかったピョン?」
「いやまさか深津が私を好きなんて思いもしなくて」
「だから何度も言ったてたのに!」
「いろんな女の子に行為中言ってるんだと思ってた」
「おまえ…俺をそんな軽い男だと思ってたピョン?心外だピョン!」
「え、あごめん…」
またため息をついて、組み敷いている私の上からどいた深津は私の上半身を起こして座らせて、自身も私の横に座った。
「俺がもっと早くちゃんと告白してなかったのが悪い。許して欲しいピョン。俺は が本当に好きピョン。沢北には渡せない。死ぬまで幸せにするから俺と付き合って欲しいピョン。」
「あは!死ぬまでってすごいね笑」
「本気だピョン」
「はは、、なんか照れちゃうね、…へへ、嬉しい。私も深津が大好きです。死ぬまでよろしくお願いします。」
瞬間大きな身体に抱きしめられた。深津の心臓がバクバク音を立てているのが聞こえる。この人も緊張とかするんだな。
「それで、今日は帰す気ないけど大丈夫ピョン?」
「あは、私も帰る気ないよ。優しくしてね。」
「任せるピョン」