人類最後のマスターと言われた立香と一緒に戦っていた、もう一人の魔術師。爆発のあったあの日、コフィンの中で頭を強く打ち、二ヶ月間意識不明の状態だったが、意識を取り戻した後は立香に魔術師の先輩として指導していた。一緒にレイシフトする時もあれば、カルデアに残る時もある。立香とは違い、契約しているサーヴァントはギルガメッシュ一人のみ。
レイシフト中に敵に殺され、青エク世界に転生する。


名字名前は、つい最近まで悪魔が見えなかった女子生徒だ。魔障を受けてやっと悪魔が見えるようになったのだが、初めてその存在を見たときの彼女を志摩廉造は今でも覚えている。

「……、これが悪魔なんだ」

怯えるでもなく、感動するでもない。ただの感想。しかしそんな反応をする者は少なく、皆驚いたり泣いたりするものなのに。
それから志摩は無意識に彼女を目で追うようになった。

「これから悪魔を召喚する」

『魔法円・印章術』の授業が始まった。志摩はつい癖でちらりと名前を見れば、やはり彼女はいつも通り飄々とした様子でネイガウスの話を聞いている。(・・・俺の考えすぎやったんかな)そう思った志摩の視線が名前からついと離れる。そのすぐ後だ。――彼女は右手の甲をツツ…と左手でなぞった。何も描かれていない甲を。

あれから月日が経ち、ついに燐が青焔魔の息子だと塾生に知られてしまった。途端に皆の態度が変わり、嫌な雰囲気のまま不浄王の右目を守るため、京都へ行くことになった一行。しばらく休んでいた名前は、遅刻ギリギリでやっと新幹線に乗り込んだ。

「おはよ」
「おはよーさん。随分休んどったけど風邪でも引いとったんか?」
「あー…まあ、そんなとこっと……おはよ、奥村くん」
「え、あっ……はよっ!」
「隣……は神木さんが座ってるのか。ってか他も空いてないじゃん。後ろ座ろ」

くるりと背を向けて後ろの方へ座った名前。挨拶をされた燐だけでなく、他の塾生も燐に普通に話しかけたことに驚いていた。

「なっなぁ!」
「え、なに?」
「お前…俺が怖くねぇのか?」
「こわい? あぁ……別に」

このやり取りにぴくりと反応したのは志摩だ。彼はもう既に彼女に興味を失いかけていたのだが、またむくむくとそれが首を擡げてくる。いつの間にかシン…と静まり返る車内で、二人の会話はまだ続いた。

「青焔魔と人間の混血って確かにすごいけど、わたしはもっとすごい人を知ってるもの」
「もっとすごい人? 誰だ?」
「んー………」

少しの間口を噤むと、名前は柔らかい笑みを浮かべた。

「神と人間から生まれた人」


この後不浄王が復活して、完全な相性召喚で英雄王が来てくれたらいいな