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きみの悲鳴 ちかちかと星を揺らして もう明けない夜を劈いた インモラル秘めた喉奥 とどかない あなたの愛すらのみこめない

花と愚図・花と屑/しっていたよきみのこと すべらかな腹の内 柔いレースにふちどられ 潤びていく欲望を

あなたはぜったいにわたしの「ぜったい」なんかじゃない

だまされやすい男のままでいてください 私のために 貴方の愛する彼女のために/週末のごほうびのプリンを頬張るような軽率さできみを愛せたら

冷蔵庫で眠っていた缶詰を空けたみたいな夜のはなし/白桃みたいなあなたのうすい頬っぺたがたらりと溢れおちる瞬間を見たかったの それだけだったの

愛することに不向きな肢体/ぼくと死んでくださいだなんて軽薄なくちびるで告げられましても

あの子の60デニールをきみはやぶれない/そんなやさしい指じゃきっと暴けやしない/だってあなたはなんにもしらない 鉄を剥いだらみんな ただのか弱い乙女だってこと

朝焼けはトーストに乗せて頂いちゃいましたよ/こんな清々しい朝に愛を語ろうだなんて馬鹿げてる

埋め合わせはきみの作ったチェリーパイなんかでもいい

どうして胸に灯す星がちがうの 言葉を紡ぐくちびるはおなじ甘さで震えているのに

ジュースをつくるみたいに、わたしの不要物を取り除いて、きれいな気持ちだけをぎゅっとあつめて。そうして貴方に贈ります。

きっとうつくしいきみは想像したこともないんだね。ぼくのからだを流れる血の色がどれだけ穢れているか。

301号室のユニットバスにはシーラカンスが住みついている/彼女言ったわ 彼のペール・ブロンドはフェイクだって

夜に落ちていくあなたは宛ら修羅のようだ/おとなしく夜明けを待つくらいなら、きみと永遠の夜に閉じこめられたい

しってた ほんとはこの星に生まれ落ちたときからずっと、夜はつめたくあなたはさみしい

午前二時 揺蕩う電波の向こう やさしいこえがうずまき管をぐらぐら揺らす なにも言えないから代わりにピルを飲み込んだ

満たされないうつわにありったけの愛を注ぐのは何時だってわたしでありたい

欲するってだいじなこと あたしの生きる原動 なんにもいらなくなって、なんにも堪える必要がなくなった そんな日にはきっとあたし干からびて死んじゃうね しんじゃうからね

できそこないの僕のコピーが今日もどこかで産声をあげる

きみがテザートのいちごならぼくは気持ち程度に添えられたマッシュポテト

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