仕事が終わったのは26時を回ったところでお腹も減ったと楽屋のお弁当を一つ持って帰る。自宅の扉を開けると微かにリビングから光が漏れている。まだ起きてたのかとそちらへと足を運ぶ。


「まだ起きてたんだ」
「んー、これやりたくて」


テレビの前に座りカチャカチャとコントローラを動かしている彼。荷物と上着を部屋に置いて、今度は手洗いうがいをしてお弁当に手をつけながら明日のスケジュール確認。これの煮付けうまっ、入時間は14時で迎えが13時15分だから12時にアラーム設定でいいなとスマホをいじりながらお弁当を食べ終えた。ちゃんと手を合わせてご馳走様をいいゴミを捨て今度は化粧を落としてシャワーを浴び頭を乾かして寝室へと入りナイトケアを行う。これ大事。なにかと帰って来て1時間経過している。早く寝なくちゃとパチンと白粉を閉じて電気を消しベットに入る。よっぽど疲れてるのかもうすでに眠い。


「…花子」
「……んー」


入って来たのも気付かなかった。


「……もうゲームいいの?」
「こっちの方がいいでしょ」


いつの間にか腰に腕がホールドされていて後ろから息がかかる。


「足冷たいな」
「んー」
「下履いたらいいの」
「こっちの方好きでしょ」
「何誘ってる?」


アホかと言い終わる前に首筋を舐めとられびくりと身体が跳ねた。


「ちょっと、」
「誘ったの花子だよ」


あー、今日も寝不足になりそうだ。







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