壱
「へあ゙っックション!!」
「なんだ風邪か?」
ズビズビと鼻をすすっていると隣からポケットティッシュを渡してくれる。ありがたく受け取ってチーンとかみ切って、ぼぅっとする頭で返答した。
「んー、昨日パパと水遊びし過ぎたかな……」
おぉ……言葉にしてみると後々から実感が湧いてきて体が震える。二の腕を摩ってカーディガンの袖を引っ張った。
「……お前、今の季節分かってるのか……?」
「そんな冷ややかな目で見なくっても……」
分かっているとも!今は桜舞う四月。新学期なりたてほやほやの素晴らしき季節だ。窓の外では優しい風に吹かれた桜の花びらが文字通り舞っている。