「おそ松ってさぁ、プライドとかないの?」
うっせーよ。何回か寝たくらいで調子乗ってんじゃねーつの。

「逆にあると思った?プライド高くたって扱いにくいだけだよ〜?めんどくせーよ〜?」
それもそーねとさもどうでも良さそうに返し、反対側を向いてシーツを被る女を横目に、やっすいホテルのやっすいベットを抜け出す。





いつの日か末弟とさんざん三男を笑い者にして、思い出したようにポケットから自分の自意識とやらを取り出してみる。
冷静に考えてみるとおかしい、こんなひなびて切り刻まれたベイビーサラミみたいだったか?そう言われれば昔はフランクフルトじゃなかったっけ?

六つ子だからとちやほやされた幼少時代はいつのまにか過ぎて、遊んで怠けた学生時代、まあ20歳でも超えればそれなりに大人になってそれなりの人生でも歩むんだろうなぁと頭の片隅で思っていた。
でもそんな甘いもんじゃないらしい、思ったよりも自分たちが目の当たりにしてる壁は高くそびえ立っていて、こんなはずじゃなかったと嘆いてみたところで後の祭りだ。





「なに、起きてたの」眠りから覚めたらしい彼女の声がベットから届く。
「でもさー、マジでその年でニートはやばいって、いい加減働けば?まあそれが出来てれば苦労しないか」
おいおいおい、見損なっちゃ困るって。俺に不可能なんてもんは辞書にありませーん。

「そんなことどーでもいいからさ、もっかいシよ?」

組み敷いて、自分の下で腰をくねる女の声がフェイク混じりなのはとっくに気づいている。くそビッチが、なめんじゃねーぞ。そんなんで白けて萎えるようなロマンチストじゃこの先なんて生きていけねーっつの。


そう、まだちゃんと本気出してないだけ。さんざん遊んだし、もう一回フランクフルトに戻るとするかな。

簡単にクリアして、こんな女とはおさらばして、可愛くて優しいあの子を飲みに誘うところから始めよう。



その向こうへ行こう


( #Mr.Childrenより )




back
1368

ALICE+