ひっそり街角のかわいいカフェ。停泊中に見つけたんですよー!へェ、こんなところあったんだな、と目をまあるくさせてマルコ隊長は驚いていた。か、かわいい…!大人の男のひとにそんなこと言っちゃ失礼かもしれないけれど。お礼と言っちゃなんですが、わたしがご馳走させていただきます!わたしは大好きなカフェラテ、マルコ隊長はブラックコーヒーを注文。奮発してドーナツ・チョコレートソースがけまで注文してみました。2人で半分こしようっと。かわいいカフェにはかわいいウェイトレスのお姉さんがつきものらしく、抜群にかわいいお姉さんがこれまたかわいらしい声でお待たせしましたと微笑んだ。天使…!


「良いところ見つけたな。…お、いい香り」
「はい、そうですよね!誰かと来るのははじめてなんです」
「!!へェ、」


いただきます、と丁寧に手を合わせたマルコ隊長にわたしが作ったわけでもないのに、どうぞどうぞーと答えた。あ、おいしー。


「ん、美味い」
「ほんとだ!このドーナツ、すっごく美味しい…!」


2人のフォークにどんどん食べられてゆくまあるい輪っか。マルコ隊長が上品な仕草でフォーク片手にふと顔を上げた。


「なまえ…そういえばエースが探してたけどよい、大丈夫か?」
「あー、えへへ…」
「おいおい、またエースに怒られるぞ?」


呆れたように笑うマルコ隊長は、まァ、エースだからいいか、とまた笑った。時間はいつの間にか昼を過ぎてしまっていたらしい。ドーナツを一口口に放り込む。「あ、」マルコ隊長がにっこり、と効果音付きで笑ったと思ったらわたしに手を伸ばす。


「ここ、チョコ付いてるよい」
「へ、」


わたしの口端をぴっと指で拭ってそれを口に運んだマルコ隊長。「、やっぱ美味いねえ」って、微笑んだマルコ隊長だけど、わたしはあまりに突然だからびっくりして口がぽかんと空いたままだ。え、隊長、いま。


「ほら、なまえ。最後の一口だよい」


ほら、と差し出されたフォークに刺さったドーナツの最後の一口とにこにこと笑うマルコ隊長の顔をわけもわからずに交互に見たわたしの口は開きっぱなし。


「口開けろ、あーん」


え、わたしがマルコ隊長にお礼しにきたのに、なんだかまたマルコ隊長に迷惑かけてる、わたし?でもかっこよくて可愛いマルコ隊長にこうやってされると、断れないよね。ぱくっと最後の一口を口に含むとほわあ、と口に広がる上品であまあいチョコレートの味。やっぱり美味しい!


「なまえってよ、ころころ変わるな、表情」
「そうですかねえ?」


ごっくんと飲み込んでごちそうさま。さあそろそろ行かなくちゃ行けないかなあ。エースとかに見つからないといいなあ。ごちそうさまと手を合わせて席を立つ。わたしの頭ひとつとはんぶん大きいマルコ隊長がごちそうさまでした、とわたしを覗き込む。こんなに素敵な笑顔が見れたのなら、ドーナツ、奮発して良かった。お財布に余裕のある月始めで良かった、わたし!からんころんとベルが鳴る扉に背を向けて歩き出す夕焼けの街。


「また来るか、なまえ。その時は俺がご馳走するよい」


…マルコ隊長ってどこまで優しいの!大空みたいな広い心はわたしを簡単に安心させた。幸せを感じながら歩くって、とってもあたたかい。ふにゃりと頬が緩むけれど、恐ろしいまでの笑顔を浮かべたエースがぽんっと浮かんでちょっとがっかりした。ああほんとにエースに会いませんように。あ、もし見つかってもあんまり怒られませんように!それでも怒られてもマルコ隊長と過ごした時間はそれ以上に幸せで、有意義なものだったから良いかもしれない。


パステルカラーの惑星が笑う 170501

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