「やあ、こんばんは」
「こんばんは牙琉検事。…はい、これ、報告書です」
「ああ、ありがとう。キミはいつも仕事が早いね。…本当に助かってるよ」
「はあ、どうも。っていうか、いきなりどうしたんですか?いつもと違う気がしますけどドリル検事」
「そうかな?いつも通りだと思うけどね。ああ、もしかしたらぼくの大好きなもふこちゃんが見れたから、嬉しいのかな。あと、ぼくは牙琉、だ」
「はあ…。何かいつにも増して気持ち悪さに拍車がかかっているような気がします」
「……………」
「…(黙りやがった…) 何ですか?気持ち悪いんでこっち見ないでください」
「…キミって可愛いよね」
「気持ち悪!どうしちゃったんですか急に。いつもそんなこと言っちゃってるんですか?気持ち悪!!」
「まさか。キミにだけだよ」
「うわ!気持ち悪っ!さらに!さらにきもい!何か鳥肌が立ってきたんですけど!はきそう!」
「ははっ、つれないね。まあそんなキミも可愛いよ」
「うえええええ、こわ!!!ああ、もうほんとお家帰ってくださいよ。お仕事終わりましたよね牙琉検事」
「そんなこと言うなよ」
「ほーら、早く帰れ!私はまだ仕事があるんで帰れませんけどね。牙琉検事が好き放題やった後片付けっていう仕事が」
「おや、それは嫌味かい?」
「はいもちろん」
「可愛いね」
「気持ち悪っ!何で嫌味が可愛いんですかほんともう意味分かんないです!はきそう!」
「キミが言う言葉は、何であれ可愛いからね」
「…あのほんともう仕事あるんで、行っても良いですか?あと、検事キモチワル過ぎますよ」
「…行くって、ぼくの家に?もふこちゃんって、意外に積極的なんだね。まあ、そんなキミも好きだけど」
「いや、ほんと違うんで」
「じゃあ今日は、ぼくの家で二人っきりでディナーと洒落こもうか?」
「 よしてください。気持ち悪いので」
「じゃあこっちおいで」
「…は?何ですかその広げられた両手は」
「寒いから、キミと暖まろうかと思ってね」
「話が飛躍しすぎです。いますぐにエアコン付けますんで待っててください (ていうか行くわけないだろ、想像を絶するキモチワルさ)」
「おいでって言ってるだろう?」
いやよいやよも、
好きの内、なんてものはご都合主義。
(ぎゃあああああ!触んな近寄るな!!)
(ほら、暖かくなろう)
(やめろ!ふざけんな!わ、掴むな放せこの変態ドリル!)
(キミを放すつもりはないさ。そう、ずっとね)
(気持ち悪っ!黙って放せ!ていうか、気持ち悪いって言われたらせめて否定しなよ!)
20100821 20121012