コンビニで買ったペットボトルのコーヒーが袋から出されないままテーブルの上で倒れる。くそ暑い外の気温に疲れた体はやられて、今座ってしまったら一生立ち上がれないと思った。隣ではなまえが大胆に第二ボタンまで開けたシャツの襟をパタパタと仰いでいてその隙間からちらりと下着が見える。青のレース。俺のお気に入りだ。でも本人はあまり気に入ってないのかつけることは滅多にない。それだけで少し元気が出るんだからやっぱり男とは単純な生き物だ。



「ちーちゃん」



 ふと名前を呼ばれてなまえの顔を見るといたずらっ子のような顔でシャツの襟を引っ張って胸を腕で隠すようにして一言。



「えっち」



 えっち。その響きが酷く甘く魅力的に聞こえて思わずのどが鳴った。それを目ざとく見ていたなまえはにやりと笑って胸を隠していた腕を解くとくるりと俺と向き合って一瞬の間に熱い手のひらを俺の胸元に押し当ててくいとあごを上げる。ぽってりした唇がはむ、と俺の下唇をついばんでほんの少しだけ舌先で撫でられた。追いかけるのは一歩遅くてなまえは完全に俺から離れている。上目遣いでにやにや笑ってる口元に体の中心が勢いよく熱を持ったから俺はそのままソファになまえを押し倒した。



「襲うぞ」



 着ていたTシャツを脱ぎ捨ててそう言えばなまえは満足そうに笑って俺の首に腕を回す。



「うん、襲って」



最上の殺し文句



 滴る汗がなまえの上に落ちる。それを舌で掬ったあとなまえは俺の耳たぶに唇を押し付けて「えっちな味」とわざとらしく呟いた。



title by 星食