逆らえません。

「うぅ…これからどうすればいいの…?」


「そんなの、月白が俺に全部身を任せてくれればいいんだよ。リードしてあげるし、月白は素直に感じたまま鳴いて……」


「わ、ワケわかりませんよっ!なんですか…な、鳴くって…!」


「やっぱり実際に体験してみないとわからないよね。じゃあそこのソファーに横になって、服脱いで……」


「ぎゃーっ!も、もういいですっ聞きたくないですっ!!」





神威の言葉に声を上げながら、耳を塞ぐ月白。…これ以上彼の口から出る卑猥な言葉ばかり聞いていたらこっちもおかしくなってしまいそうだ。





「そ、そうじゃなくて…これからしばらく地球に滞在する間どうやって過ごせばいいかをですねっ……!」


「だからココで世話になればいーじゃん。そりゃあ狭くて汚いけどそんな我儘言っちゃ駄目だよ、月白?それぐらいは我慢してあげなきゃ」


「ふざけんなエロガキ。そんなにこの家に不満があんならとっとと出てけ。こちとら海賊の片棒を担ぐ気なんざさらさらねェんだよ」




ココの主である銀時は怠そうに頭を掻きながら言葉を発した。





「わかったらさっさと出てけよクソ兄貴。お前の面見て飯食べるなんて嫌アル」


「弱いくせに口だけは達者なのは相変わらずってとこだね、やっぱりあの時葬っておいてあげるべきだったかな」


「だ、駄目ですよ団長ォォ!じ、実の妹様に手を上げるなんて真似は……!」


「あ〜らら、妬いてるの?月白」


「ち、違います!!」





いつものことではあるが、月白は完全に神威にペースを崩されっぱなしである。






…だ、大体阿伏兎さんも阿伏兎さんだよ…!!私と団長を二人きりにして置いて行ってしまうなんて……


私の命が幾つあっても足りないよ…!!





「と、とりあえずココで世話になるわけにはいきませんよ…!滅茶苦茶迷惑じゃないですか…!」


「あぁ、なるほどね。確かに月白ってば声我慢出来そうにないし、旦那たちに伝わ……」


「だから何の話をしてるんですかぁ…!!」





もう月白は半泣きである。何より恥ずかしい。早くこの場から立ち去りたかった。…行く宛てなんてないのだが………





「…だ、団長…っ大体どのくらい船に戻れないんですかね…?」


「んーそだね、特に決まってないんじゃない?」


「駄目じゃないですか!!…やっぱり私、今すぐ阿伏兎さんに連絡を……!」





…と、服のポケットから通信機(と言う名の携帯電話)を出そうとしたのだが……





「な、ないっ…!」


「もしかして月白が探してるものって、コレ?」


「そっそれ…私のじゃないですか…!なんで団長がっ…!」





プランプラン、と神威の手には月白の通信機が握られている。





「か、返してください…!」


「そう簡単に返したらつまらないだろ?」




にっこりと可愛らしい笑みを浮かべながら、この人は残酷な言葉を口にした。





「ななな…っ!何言ってるんですか!」


「だってコレを月白に返したらすぐ阿伏兎に連絡して迎えに来させようとするだろ?それじゃつまらないって言ってるんだよ」


「つまる、つまらないの問題じゃないですっ…!」


「俺がそう言ってるのが、月白にはわかんないのかな?」


「…っ!」





神威のその言葉に、もう何も言えなくなってしまった月白。ガクリ、と肩を落とし、落ち込んだ。

その落ち込み様は、尋常ではない。さすがの銀時も同情してしまう程だ。





「ま、まぁ…何とかなるだろうよ?オメーはしばらくここに居りゃいいからよォ〜…家事全般やってくれんなら」


「アンタの狙いはそこかよっ!!…ったく、すぐ人を使おうとするんだから……銀さんが言ったことは気にしないで、月白さん。」


「何言ってんだよ新八ィィ!!いーか?万事屋はなァ!働かざるもの食うべからずなんだよ!!んな甘ェことはねーの、甘ェのは銀さんの好物なんだよォ!!」


「何ワケわかんないこと言ってるんですかアンタァァ!大体働かざるもの食うべからずとか言っといて、アンタ僕達に給料すら払ってねェじゃねーか!!」


「やべ、目にゴミが入ったよ、銀さんのガラスのハートがブロークンハートになっちまったよ〜…」


「アンタの図太い性格のどこにガラスのハートなんてあるんだ!」




…ということで皆さん…私、しばらく団長と地球で過ごすことが決定してしまいました。……トホホ……


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