部下にも人権を
神様…!非力な部下にも、人権をください!!





ある朝のこと。





「だ、だんちょ〜…」


「ん、何?」


「あの、その……」


「言いたいことがあるんならはっきり言った方が良いよ」





ニコニコ笑いながらそう言う神威にビクビク怯えながらも、月白は口を開いた。





「私、そろそろ仕事しなきゃいけないんで…着替えちゃいたいんですけど……!」





いつまでもパジャマのままでいるわけにもいかないので、恐る恐るそう言い出した月白だったが……






「うん、いいんじゃない。着替えれば」





や、着替えることの了承はどうだっていい…!!





「じゃ、じゃあ部屋を出て行っ…」


「早く着替えなよ。…俺が見といてあげるからさ」


「っ!?」





何信じられないこと言ってるんだ、この上司は!!





「そ、んなこと出来ませんっ!」


「じゃあ俺が脱がしてあげるよ、それならいいだろ?」





どこもよくなってないんですけどォォ!!て言うか逆に悪化してるんですけどォォ!!




団長が来るまでに着替えておけばよかった……と何度も心の中で呟くが仕方がない。何故なら彼は私が熟睡している真っ最中に部屋に忍び込んで来たのだから……





「あーあー、月白、下着付けたまま寝たら体発達しないって聞いたことないわけ?」


「…へ…」





神威が何の話をしているのか自分の考えで一杯だった月白はよくわからなかったのだが…その疑問は一瞬で消えた。





「きゃーっ!?何、人のパジャマ捲ってるんですかぁ!!」


「着替えるの遅いから脱がせてあげようと思っただけ」


「"だけ"じゃないですよ、"だけ"じゃあ!!」





捲られていたパジャマをしっかりと押さえる月白は羞恥のあまりに顔が真っ赤。そして神威は相変わらず顔色を変えずにケラケラ笑っている。





「それにしても白地にピンクの水玉とかありきたりなのを付けるね」


「ど、堂々と下着の柄言わないでくださいィィ!!」


「月白らしいっちゃそうなんだけど面白味がないんだよね。じゃあ今度地球に行ったときは俺がいい下着選んであげるよ」


「いりませんんんっ!!」






後日、ひらひらの透け透けな下着が月白の部屋に届けられたとか……
…部下にも人権をください、切実に。

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