紅い月Honey


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江戸時代、京の都
所謂“花街”と言われる
花魁や舞妓や芸妓と呼ばれる
女性達が男性を癒やす場所。

此処には、今とても美しいと言われている
花魁が居る。
誰にも触れさせず、会話だけで
その地位に居続けるだけの才能がある人だ。
芸事も見た目も声すらも美しく、
予約さえも取れないと言われている。
素性は誰も知らない。

そんな花魁が居る同じ置屋に住む
新造の娘は、その花魁の様に色気は無いけれど、可愛らしく
まだまだ見習いだというのに、指名が入る程人気になりつつあった。

今日も、また指名が入ったのだけれど
何故か、花魁である
雪花(ゆきはな)に
「今日はアンタは行ったらあかん」
と止められる。
「でも、ご贔屓さんですし…」
その新造…桃花(ももはな)は、そう言う。
「あのお人、今日はアンタを酷い目ぇに合わせようと画策しとるって、噂になっとる」
「酷い目ぇ…」
「身請けしようと思っとるとも聞いとるから、アンタを自分だけのモンにする為に…」
「姐さん考えすぎですわ。」
「考え過ぎとちゃう!」
「姐さん…」
「うちは、ずっとアンタを見てきたんやから、同じような目ぇで見とる人の事は、よお分かるんよ」
「あ、姐さん…?何言うて」
「アンタ、うちの噂聞いたことあるやろ?」
「噂…なんですの」
「うちが、男やとか」
「あんなのただの僻みでしか」
「ホンマやと言うたらどないする?」
「え、それは…」
「アンタも知っとるやろ?男の舞妓、芸妓が居ること。」
「知ってますけど…」
「うちも、元々そっちやってん。」
「何を云うてはるんです?」
「せやから、うちも男や言う事や」

置屋の1室、雪花に充てがわれてる部屋で
雪花は、帯を解く。
胸に膨らみはなく、程よく筋肉がついている。
下半身のフンドシに女性には無いはずの膨らみが見える。
「なん、どうして!此処は女舞妓の女芸妓の置屋で…」
「知っとるよ。アタシは、此処に、用心棒として雇われとるんよ。アンタみたいな、可愛らしい子が、何人もお手付きされて望まぬ相手に身請けされるのが相次いでるからって。」
「嘘や」
「アンタが懐いてた、白花(しろはな)や月花(つきはな)なんかも、被害者や。」
「う、そ」
「嘘やない。今日、うちが此処のおかみさんに頼まれて、アンタのこと止めようとしてるんやから」
雪花は、再び着物を着る。

桃花は、初めて見る男の裸体(フンドシはしてるが)に、ドキドキとする。
雪花に憧れていたからかも知れない。
普通の憧れではなく、雪花が男だったらと考えた事も何度もある。
だから、雪花が男だと言う噂を聞いた時、なんだか胸が高鳴った。
「こんなにも舞妓や芸妓が居なくなってしまったら此処も立ち行かなくなるから、そろそろこの置屋閉めようかと、おかみさんが言うてて。それやったら、うちが身請けしても構わないと言われたんだけど」
「身請け?誰をですか」
「アンタの事。勿論嫌やったら他の置屋さんに言ってもろてもええけど。」
「身請けて、うち、姐さんの物になるんどすか?」
「ものて…アンタが、此処から離れる為にうちを利用してくれてもかまへんって言う事やで?別に、うちのものになってなんて」
「…姐さん、うちを姐さんの…お嫁さんにしてください。」
可愛らしく上目遣いで、口を震わせ
そんな事を言われたら
長年、思い続けてきた理性は簡単に吹っ飛んだ。(理性…)
さっき着たばかりなのに、再び帯を解く。
桃花の帯も解く。
桃花の顔に似合わぬ豊かな2つの膨らみが顕になる。
桃花は、それを隠そうとするけれど、その手は雪花の右手によって、押さえられる。
片方の膨らみに舌を這わせ
もう片方の膨らみは左手で先端を抓まれる。
初めての事なのに、嫌じゃないと
桃花は、思った。
涙を浮かべた瞳は、ますます雪花を煽る行為になると知らない。
桃花の太ももの間に、雪花の右膝が触れる。
「んんっ」
今まで感じた事のない快感に、思わず声が出る。
「敏感なんだね」
今まで聞いたことがない、雪花の低い声に
「あっ…」
再び声が出る。
桃花の両手を抑えていた雪花の右手が、
桃花の太ももをなぞり、秘所へと辿り着く


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